2009.07.10

検証会議&肝機能障害の評価に関する検討会(第6回)

 第6回の肝機能障害の評価に関する検討会が来週開催されることになりました。
 懸案の肝硬変の障害認定に関する議論がメインテーマとなります。

 傍聴希望者は厚生労働省に申し込む必要があります。7月14日(火曜日)お昼までということです。
 申込み用紙

 日時:平成21年7月17日(金)10時~12時
 場所:厚生労働省17階 専用第21会議室
 議題:肝機能障害について

 また、次回検証会議の日程も決定しました。前回会議での意見を踏まえ時間が延長され、3時間になります。

 日時:平成21年7月29日(水)15時30分~18時30分
 場所:厚生労働省17階専用18~20会議室


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ショートメッセージ(SMS)、異なる携帯会社で相互接続へ

 現在は同じ携帯電話会社でしか利用できないショートメッセージサービス(SMS)。
 ドコモが7月8日、ソフトバンクモバイル、KDDI、イー・モバイル、ドコモの4社間で、別の携帯電話会社の加入者間でもSMSを利用できる相互接続の実現のめどがたったことを明らかにしました。
 早ければ2010年度にも利用が開始します。

 確かに弁護士同士や依頼者に連絡する際も、同じ携帯電話会社か否か確認しないで済みますから便利です。

 ただ一方的に携帯にメール連絡が入るというのも億劫といえば億劫かもしれません。

 また「電話連絡されたし。連絡ない場合は職場に訪問します。090-○○○○-△△△△」というメッセージが入る、いわゆるSMSを利用した架空請求の増加が報告されています。

   宗像市消費生活センターの報告
   北海道立消費生活センターの報告
   鹿児島市消費生活センターの報告
   国民生活センターの報告

 SMSの相互乗り入れでこのような架空請求も増えると予想されますので注意が必要です。

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2009.07.09

水俣病救済法成立、あらたな始まり

 水俣病救済法が7月8日、参議院本会議で可決され成立しました。
 第2の政治決着の問題点は既に「水俣病救済法、成立へ」でまとめた通りですが、集団訴訟の歩みにとってはまた別の意義があるでしょう。

 まず一つは最高裁判所が果たした役割です。

 関西水俣病最高裁判決(平成16年10月15日判時1876号3頁)は、国と熊本県の規制権限不行使の違法を正面から認めました。
 この時点で既に当時の村山連立内閣が水俣病患者に対してあわびを表明し、チッソとの間でも協定書が調印されていました。
 ですから、既に高裁段階で原告と企業が和解していたクロロキン薬害事件において、最高裁が「極めて限界的な事例」(調査官解説)と指摘しながら国の責任を認めなかったのと同じように、水俣病訴訟でも「政治決着済み」であることで、国を免責する方向に傾きかねない(もちろん判旨に出ないにせよ)ところでした。
 しかし最高裁は正面から検討して、国の責任を認めました。
 「人の命と健康」がかかわる場面で、司法が積極的に判断していく姿勢を最高裁が打ち出し、それが第2の政治決着を引き出したということができます。

 2つめは、機能不全を起こしている行政(官僚組織)を、国会が立法によって正していくという手法です。

 ハンセン病訴訟、中国残留孤児訴訟、薬害肝炎訴訟と、行政が踏み出せないときに司法判断を参考にしつつ、国会は特別措置法などの立法によって被害回復の道筋を付けました。水俣病訴訟でも採用されたこの手法が、定着しつつあると指摘できるでしょう。

 3つめは、半世紀に渡る水俣病問題が新たなステージを迎えたということです。

 集団訴訟の先駆けとも言われる「4大公害訴訟」の一つである水俣病訴訟は、1967年6月に新潟水俣病訴訟が、1969年6月に熊本水俣病訴訟が提起されました。
 その後、未認定患者の救済を求めた「第2次訴訟」、国の責任を問うた「第3次訴訟」、そして関西水俣病最高裁判決と、今日まで紆余曲折を経ながら闘われてきました。

 訴訟を継続している原告弁護団は第2の政治決着に合意していませんし、残された課題(賠償額、訴訟の取り扱い、被害実態調査)が山積しています。
 水俣病救済法の成立は最終的な解決ではなく、問題があらたなステージを迎えたことを意味するだけであり、集団訴訟としての歩みはこれからまだ続いていくことになるでしょう。

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2009.07.08

「クレジットマスター」でカード番号不正利用

 クレジットマスターで他人のカード番号を不正に割り出し商品を購入したとして、大阪市の女性(21歳)が窃盗と電磁的記録不正作出・供用の罪で起訴されたようです。

 「クレジットマスター」とは以下の手口です。
 まず、クレジットカードの規則性を悪用する自動ソフトによって「存在する可能性の高いカード番号」を抽出します。そして、「カード番号」と「有効期限」だけで購入できる通販サイトを利用し、アットランダムに打ち込んでいきます。使えるカード、つまり実在の他人名義のカード番号にたどりついたところで、不正利用するというものです。

 かなり前から報告されていますが、逮捕起訴されたのは初めて。

 消費者は被害を避けようがありませんし、誰もが被害者になる可能性があります。
 カード明細(請求書)を見て身に覚えのないカード利用があれば、直ちにカード会社に申告して引き落としを止めるほかないでしょう。引き落としを受けた後でもカード会社に申告すれば、大抵のカード会社では、カードの不正利用についての補償制度が設けられています。

 このように、消費者はカード明細さえ把握していれば過剰に反応する必要はありませんが、便宜さを追い求めている「通販サイト」が暗証番号入力を要求するなど、対応を行う責務があるといえそうです。

 ちなみに、クレジットマスターのみの被害額は不明ですが、日本クレジット協会の調査では、今年1月から3月までのカード不正利用による被害額は25億9000万円といいますからかなりの社会的損害です。

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2009.07.07

「制度改革訴訟と弁護士の役割」(法律時報)

Houritujiho0907法律時報(日本評論社)の最新号(7月号)の特集は、「制度改革訴訟と弁護士の役割」です。
 「訴訟活動と制度改革を結ぶ担い手として、弁護士の役割に焦点をあてた」(上柳敏郎弁護士「訴訟活動と制度改革をつなぐもの」5頁)ものであり、いわゆる「集団訴訟」に対して弁護士がどのようにかかわってきたのか、現にかかわっているのか、そしてどのようにかかわるべきかをまとめています。

 淡路剛久早稲田大学教授の「被害者救済から権利拡大へー弁護士による社会運動としての「制度改革訴訟」」と題する論文(6頁)は、四大公害訴訟から集団訴訟の歴史をひもといて、その相違点・共通点を整理した後、弁護士が集団訴訟に関わる要因(動機)を分析しています。

 具体的な事件としては、薬害肝炎訴訟について、薬害肝炎東京弁護団員の濱野泰嘉弁護士が的確な論考を寄せているほか(16頁)、国籍法違憲判決、全国トンネルじん肺訴訟、貸金業法改正、生活保護、建築紛争、金融サービス、過労死などについて、それぞれ弁護士が論じています。

 最後に、梶村太一弁護士が、元裁判官の視点から「裁判官の習性」(48頁)を前提に、弁護士への注文、裁判官への期待を論じており参考になります。

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2009.07.06

毎日新聞もTwitter(トゥイッター)

 朝日新聞に続いて毎日新聞もTwitter(トゥイッター)を開始したようです。
  毎日新聞

 朝日に比べて毎日は、題名を「つぶやき」っぽく設定するなど工夫しているようですね。

 といっても朝日も当初サッカー日本代表戦でかなりおもしろい?生中継をしてネットでも評判を呼びましたので、秋から再開する日本代表の親善試合(次は10月10日スコットランド戦?)に注目でしょうか。

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宮崎、佐賀、肝炎基本法制定を求める意見書採択

 6月の宮崎県議会、7月3日の佐賀県議会において、肝炎基本法制定を求める意見書が採択されました。
 佐賀は、薬害C型肝炎原告の藤原和子さん、予防接種B型肝炎原告の梁井さんらが精力的に動いた成果です。
 以下は佐賀県で採択された意見書です。

   肝炎対策のための基本法の制定を求める意見書

 我が国のB型およびC型ウイルス肝炎患者・感染者数は、B型が110万人~140万人、C型が200万人~240万人存在すると推定されており、国内最大の感染症として抜本的対策が求められている。多くの患者は、輸血、血液製剤の投与、及び注射針・筒の連続使用による集団予防接種等の医療行為によって肝炎ウイルスに感染した。その中には、医療・薬務・血液行政の誤りにより感染した患者も含まれており、まさに医原病といえる。

 B型、C型肝炎は、慢性肝炎から肝硬変、肝がんに移行する危険性の高い深刻な病気である。肝硬変・肝がんの年間死亡者数は4万人を超え、その9割以上がB型、C型肝炎ウイルスに起因している。また、すでに肝硬変・肝がんに進展した患者は長期の療養に苦しみ、生活基盤を失うなど経済的にも多くの困難に直面している。

 平成20年度から、国の「新しい肝炎総合対策」(7ヵ年計画)がスタートしたが、法律の裏付けがない予算措置であるため、実施主体である都道府県によって施策に格差が生じている。適切なウイルス性肝炎対策を全国的規模で推進するためには、肝炎対策に係る「基本理念」や、国や地方公共団体の責務を定めた「基本法・根拠法」の制定が必要である。

 よって、本議会は、すべてのウイルス性肝炎患者救済のため、国に対し緊急に下記の施策を講ずるよう強く要請するものである。

                            記
ウイルス性肝炎対策を全国規模で等しく推進するために、肝炎対策のための基本法を早期に成立させること。

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2009.07.03

民法(債権法改正)への福岡県弁護士会の取組

 民法(債権法)の改正論議が活発になってきました。
 経過は以下の通りです。

 まず、民法(債権法)改正検討委員会(鎌田薫委員長、内田貴事務局長)が2006年に発足。改正検討委員会は、第1準備会から第5準備会まで分かれて議論し、その結果が「債権法改正の基本方針」として2009年4月に発表されたものです(「総特集 債権法改正の基本方針」NBL904号)。

 今秋にも法制審議会において議論が開始する可能性がありますので、実務家の視点からも早めに問題提起していくことが必要です。
 福岡県弁護士会も司法制度委員会の中に「民法改正部会」を立ち上げ、私も委員に委嘱されました。

 消滅時効の検討において、民法724条の除斥期間の規定も検討する必要があるとして、第5準備会が検討を行っています(民法(債権法)改正検討委員会・全体会議(第5回)議事録)。

 集団訴訟の視点としてはやはり724条の解釈論が一つの大きな論点になりますから、消滅時効に関して積極的に検討を加えてみたいと思っています。

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2009.07.02

水俣病被害者救済法、成立へ

 半世紀に渡り争われている水俣病訴訟。第2の政治決着が行われそうです。

 1995年6月、当時の連立与党(村山総理)が、未認定患者を救済する政治解決を行ったものの、その後2004年、関西水俣病最高裁判決(最高裁平成16年10月15日判決判時1876号3頁)が、より幅広い症状を水俣病と認定した上で、水質二法の趣旨、目的について「この権限は、当該水域の水質の悪化にかかわりのある周辺住民の生命、健康の保護をその主要な目的の一つとして、適時にかつ適切に行使されるべきものである」として、国と熊本県の不作為を違法と判断しました。

 そのため、2004年以降も新たな被害者が追加提訴を行うなど、紛争が継続していたものです。

 与党は、民主党が求めていた5症状のうち、「大脳皮質障害による知的、精神、運動障害」を除く4症状を水俣病として法律に明記する方向で歩み寄る見込みです。
 法律に明記される4症状は、「全身性の感覚障害」、「口の周囲の触覚もしくは痛覚の感覚障害」、「舌の二点識別覚の障害」、「求心性視野狭さく」。

 なぜこの時期に合意に至ったかという背景には、選挙前に少しでも懸案を解決して得点を稼ぎたい与党、政権交代後に懸案を抱えたくない民主党のそれぞれの思惑がありました。

 民主党は、水俣病訴訟弁護団事務局長であった松野信夫参議院議員を与野党協議の窓口責任者にしていました。しかし、「チッソの分社化の是非」を巡り平行線をたどるため、与党の申し入れを受けて、山岡賢次国会対策委員長が引き取り、一気に政治決着に突き進んでいるものです。

 法律の対象となる被害者は3万人前後とも言われること、そして当初与党が法案に盛り込んでいた「地域指定の解除」が削除されること、申請期間を3年に限定する案を撤回したことなど、被害救済の側面からいえば一定に評価は下せるでしょう。

 しかし一部被害者団体が強く反対している「チッソの分社化」が容認される見込みであるため、今後に禍根を残しかねません。
 先日6月30日、薬害肝炎原告団弁護団が民主党鳩山代表と面談した際も、患者会の方々や弁護団が雨の中、衆議院議員会館の前で抗議の座り込みを行っていました。
 水俣病発生の原因企業であるチッソの分社化によって、責任の所在が曖昧にならないように、そして被害者救済を貫徹する枠組み作りが求められています。

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2009.07.01

鳩山民主党代表に要請

 薬害肝炎原告団10名、日肝協2名、B型肝炎原告団2名、薬害肝炎弁護団が6月30日、民主党本部において鳩山代表と面談して、肝炎患者支援法の今国会での成立を改めて要請しました。
 民主党側は鳩山由紀夫代表にくわえ、藤村修ネクスト厚生労働大臣、仙石由人議員、山井和則議員、菊田真紀子議員。

 まず山口美智子薬害肝炎原告団代表からこれまでの肝炎患者支援法の全国キャンペーンの状況、各自治会決議が続々とあがっている状況などを説明しました。Hatoyama_mendan
 続いて日肝協の幹事の方も、「肝炎患者はもう待ったなしの状況です。インターフェロン治療の助成も6万人の予算が使われずに終わりそうです。8割の国民が肝炎ウイルス検査を受けていません。法律でガードして頂き、治療体制の整備を勧めて欲しい」と訴えました。
 B型肝炎原告さんも、「提訴準備中や裁判中に亡くなる方も出てきています。最高裁判決にもかかわらず、国は何も動かなかった。B型肝炎の大半の患者は抗ウイルス薬を一生飲み続けないといけないんです。その累積医療費はIF治療をしのぐほど高額になります。是非とも法律を作って頂きたい」と述べました。


 これら3団体の訴えを受けて鳩山代表は、「本日来てくださったことに感謝しております。皆さんの話をうかがいながら、1人1人の気持ちを大事にする政治をしていかないといけないと痛感しました。民主党政権を取った暁には国の責任を明記した法律を成立させます。ただ、まだ時間は残っていますので、藤村議員・山井議員に粘って頂いて、民主党の法律に従わせる形でも成立するように、努力を惜しまずにやっていきたい」、「これを機会に自分自身も勉強して先頭にたってやっていきたい。治療体制の整備などお約束していきたい」とこたえました。

 藤村議員も、「明日も理事懇談会が予定されている。最後まで諦めずに明日も民主党としては、自民党に対して今国会での成立を提案したい」と述べました。

 国民の命と健康にかかわる問題を放置せずに最後まで全力を尽くす気概があるのか。
 「政権を取れたらする」「政権を取れないとしない」では国民の理解は得られません。
 民主党の対応を注視したいと思います。

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