2017.01.17

C型慢性肝炎の治療薬ハーボニーの偽造品が奈良の薬局で発見、厚労省が注意を呼びかけ

 厚生労働省が1月17日、C型慢性肝炎治療薬の「ハーボニー」の偽造品が奈良県内の薬局チェーンで発見されたと発表しました。

 ハーボニー配合錠(一般名:ソホスブビル・レジパスビル配合剤)は2015年9月からギリアド・サイエンシズ株式会社が製造販売しているもの。

 日本人患者に一番多いジェノタイプ1型のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変の治療薬です。

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 いわゆる従来の主流であったインターフェロンを利用しないインターフェロンフリー療法。
 日本の治験段階で100%の治癒率に達するなど、C型肝炎の治療を変える画期的な新薬として導入されました。

 ・「C型慢性肝炎の新経口薬「ハーボニー」がついに承認販売、治験段階では318名が100%治癒」(2015/7/6)

 一方で画期的な新薬であるため薬価も高く、1錠5万5000円になっています(1日1錠・12週間内服)。

 そのためハーボニーの売上高は、1101億円(2015年10月から12月)、1517億円(2016年1月から3月)、698億円(2016年4月から6月)に達していました。

 今回のケースは、奈良県の薬局でハーボニーの処方を受けた患者が、たまたま以前処方された錠剤と色が異なることに気がついて発覚したもの。

 この薬局チェーンの3カ所から合計5個の偽造品が確認されました。うち4個は正規ボトルが不正利用され、1個は類似した偽造ラベルが貼られていました。そしてボトルの中には色・形状の異なる錠剤が入っていました。

 今回の事案は薬局チェーン店が、ギリアドの正規取引先以外の経路から購入して調剤していたものですから、薬局チェーンの責任も少なくありません。

 ギリアド・サイエンシズは、偽造品の見分け方を指摘しています。

 ハーボニー配合錠を現在服用されている患者様にご確認頂きたいこと

 医療機関や薬局でハーボニー配合錠を受け取られた時点で、ボトルの中にお薬が 28 錠封入されていたか、その錠剤の形状が、ひし形で、錠剤の表面には「GSI」、その反対側には「7985」の刻印があり、色がだいだい色であることをご確認ください。

 ご自身でボトルを開封された場合には、ボトル口部にアルミシールがされていたかご確認ください。また、指では容易に剥がせなかったことをご確認ください。

 ただ今後は別の偽造品が出回る可能性もありますので、今回のように患者が発見することは困難というべきでしょう。処方する薬局が正規ルートで購入するほか、処方の際にも十分に確認していく必要があります。

 一般的に薬局は薬品問屋から薬を購入しますが、時々インターネットで高い値引率で商品を販売する現金問屋があります。そのような所に飛びつくと偽造品が紛れ込む可能性がなくはありません。

 今回のケースは奈良県内の薬局チェーンがどのようなルートで購入していたかまだ分かりませんが、詳細な経緯を公表して再発防止に努める必要がありそうです。

 厚生労働省も1月17日付けで「医薬品の適正な流通の確保に関する通知」を発出して緊急に注意を呼びかけています。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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透析前の体重測定の誤りが4例、医療安全情報122号

 公益財団法人日本医療機能評価機構が、「医療安全情報」(122号・2017年1月号)を公表しました。

 今回は、透析前の体重測定を適切な方法で実施しなかったため、誤った体重をもとに透析を行った事例が4件報告されています。

 第36回報告書「個別のテーマの検討状況」で取り上げた内容になります。

 1つ目の事例は、ICUのリフト式体重計が、ストレッチャーシーツ分の重さとして、あらかじめ「-3kg」と設定して測定することになっていたにもかかわらず、「3kg」と設定されていました。そのため6kgも多い体重をもとに除水量を計算して透析を行い、過除水になっていたことが分かったというものです。

 2つ目の事例は、透析の際、患者の体重に義足を含めることになっていたにもかかわらず、看護師が患者の体重に義足を含めないと思い込んでいたというものです。そのため義足分1.3kg少ない体重をもとに除水量を計算して透析を行ったため、除水不足となり、翌日に追加の透析が必要となりました。

 透析前の体重測定の際に、体重計の測定や測定時の条件を確認しさえすれば防げる事故といえます。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2017.01.01

明けましておめでとうございます

 皆様よき新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 旧年中も大変お世話になりました、今年も古賀克重法律事務所をどうぞ宜しくお願いいたします。
 1995年に弁護士登録して以来、2017年は弁護士生活23年目を迎えることになります。

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 家族とともに長年過ごして来た我が家のトイプードル達「KOGA5DOGS」も、お蔭様で元気に過ごしています。今年の年賀写真には唯一の女の子のちゅきちゃんが登場。もうすぐ17歳になりますがまだまだ元気です。

 今年も顧問先の方々、依頼者の皆様に対して、様々な最新の法律情報を還元することを日々心がけ、より満足頂ける法的サービスを提供していく所存です。
 その他にも、薬害肝炎弁護団事務局長、医療過誤、医療安全など、ライフワークと位置づける分野についても研鑽を続けてまいりたいと思います。

 どうぞ本年もよろしくお願い致します。

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2016.12.28

医療事故情報第47回報告書が公表、小児用ベッドからの転落事故を分析

 日本医療機能評価機構が2016年12月26日、医療事故情報収集等事業第47回報告書を公表しました。
 
 報告書の対象期間は2016年7月から9月。
 個別のテーマとしては、「腫瘍用薬に関連した事例」がまず取り上げられました。

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 腫瘍用薬は主に複数の薬剤を使用すること、患者の体表面積や体重によって投与量が決定されること、当日の検査値から減量や投与中止の判断など薬剤の取り扱いに注意が必要なこと、患者の身体・健康への影響が大きいことから、医療事故情報およびヒヤリ・ハット事例も多数報告されています。

 そこで、医療事故情報報告書でも、事例を1年間継続的に収集することにして、第45回報告書から連続して分析がされているものです。

 また、「歯科治療中に異物を誤飲・誤嚥した事例」も取り上げられました。

 誤飲・誤嚥ケースは30例報告されており、異物としては、補綴送致、歯冠修復物、歯科用医療機器、歯科材料、歯など多岐に渡っています。
 年歴には70歳代及び80歳代が9件に達しており、事例の背景・要因には患者の高齢もうかがえ、患者の状態の把握・治療部位の状態の評価が、再発防止には必要とされています。

 さらに、「小児用ベッドからの転落に関連した事例」も特集されました。
 2011年1月から2016年9月までに報告件数は4件ですが、急性硬膜下血腫、側頭部の陥没、外傷性くも膜下出血など重大な結果が生じています。

 小児用ベッドには患者の転落防止のため四方を囲むサークル型の柵がついています。平均身長が85cm~110cmである2~5歳の幼児が、容易にベッド柵を越えられないように、柵の高さは80cm程度に設計されています。
 ところが、ベッド柵はスライド式で、2段階または3段階の高さで固定することが可能であるため、上段以外で固定されている場合は、ベッドからの転落の危険性が高まるものです。

 裁判例においても、入院中の3歳児がベッドから転落死したケースについて、宇都宮地裁平成6年9月28日判決は、看護師がベッドの安全柵を完全にセットしたか否か確認することなく病室を離れた点に注意義務違反を認めて医療機関の責任を認めています。

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2016.12.14

子宮頸がんワクチン被害者20名が福岡地裁に提訴、全国原告数は119名に

 子宮頸がんワクチン訴訟の全国一斉提訴が12月14日、行われました。

 東京地裁、大阪地裁、名古屋地裁、福岡地裁の全国4地裁に合計57名の被害者が追加提訴したもの。2016年7月に続く2次提訴になります。

 内訳は東京25名、大阪7名、名古屋5名、福岡20名の合計57名(年齢は15歳から22歳)になります。

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 この結果、全国の原告は119名に達しました(東京原告53名、大阪原告23名、名古屋原告11名、福岡原告32名)。

 解決していない紛争中、しかも開始したばかりの集団訴訟のペースとしてはかなりのハイペース。
 いかに子宮頸がんワクチンによって苦しんでいる被害者が多いかを物語っているでしょう。

 福岡は先日の第1回期日に続いて雨に降られましたが、20名もの被害者が無事、福岡地裁に提訴。
 提訴後、福岡県の被害者(20歳)が自ら被害を訴えました。

 「将来がんにならないためと思い接種をしたら、急に体調が悪くなり、発作も起きるようになりました」

 「高校を中退し、今は1人で歩くこともできず、話しをするのも難しいです。」

 「体はもう戻せないですが、これから生きていくためにきちんと賠償をしてもらいたいし、私のような人を2度と出して欲しくない」

 来年1月11日(水)には福岡地裁で第2回期日が予定されており、法廷でも被害者及び弁護団が意見陳述予定です。

 「私は今、1日のほとんどを家のベッドで横になって過ごしています。家から出るときはこうして車いすを使わなければなりません」(原告 女子高校生)

 原告の1人、千葉県に住む女子高校生(17)は、中学1年のときに3回ワクチンを接種しましたが、その後、激しい頭痛や下痢、記憶障害などに悩まされるようになりました。さらに、学校にも通えない状態となり、高校は通信制を選ばざるを得なくなりました。

 「ワクチン1本で、たった1本でどうしてこんなにボロボロな体になってしまったんだろう。普通の生活がしたい。私は今、このことを強く願います」(12月14日付TBSニュース)

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2016.12.08

日本肝臓学会がC型肝炎治療ガイドライン改訂第5版を公表

 日本肝臓学会が12月7日、C型肝炎治療ガイドラインの改訂第5版(5・2版)を公表しました。

 ゲノタイプ1型に対するエルバスビル+グラゾプレビル併用療法臨床試験の結果が追加されています(48頁)。

 これによると、ゲノタイプ 1 型の C 型慢性肝炎・代償性肝硬変に対するエルバスビル+グラゾプレビル12週併用療法の SVR 率は高く、国内第3相試験では、96・5~97・1%と報告されています。

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 副作用としては、国内第3相試験でグレード3以上の AST・ALT 増加が6例発生しています。6例中5例は投与開始8週以降で発現していました。
 なお非代償性肝硬変を対象とした臨床試験は行われておらず、安全性も確認されていないため、非代償性肝硬変症例では投与を行うべきではないと指摘されています。

 また、腎機能障害・透析例に対する記載・治療推奨が変更しています。

 さらに、ソホスブビル・リバビリン併用療法、ソホスブビル・レジパスビルの市販後の成績が追記されています。

 これによると、ゲノタイプ2型の C 型慢性肝炎・代償性肝硬変に対するソホスブビル+リバビリン12週併用療法の市販後における SVR12 率は94・1%と報告されています(33頁)。
 
 ゲノタイプ1型の C 型慢性肝炎・代償性肝硬変に対するソホスブビル/レジパスビル12週併用療法の市販後における SVR12 率は概ね95~100%と報告されています(38頁)。

 その他には、「DAA併用によるIFNフリー治療歴のある症例の再治療」の変更、代償性肝硬変症例に対する治療について、安全性の記載を追加、「資料3 併用禁忌・併用注意薬」にEBR+GZRを追加が、主な改訂点です。

 ちなみにモバイル端末のアプリでは薬剤相互作用の検索機能があり、C型肝炎患者が服用している薬剤の相互作用を簡便に検索することが可能になっています。

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2016.12.06

肝硬変診療ガイドラインがマインズ公開、99問で分かりやすく解説

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 肝硬変診療ガイドラインが、Minds(マインズ)で公開されました。

 ・肝硬変診療ガイドライン2015(改定第2版)

 日本消化器学会は既に、胃食道逆流症(GERD)、消化性潰瘍、肝硬変、クローン病、胆石症、慢性膵炎の6疾患ガイドラインを刊行しています。

 うち肝硬変診療ガイドラインは2010年4月に刊行していました。
 今回、2014年度までのエビデンスをもとに、「肝硬変の複雑な病態に応じた多彩な診療手段を評価し直すという大きな課題があり、全編を新たに執筆するつもりで改定に臨んだ」(ガイドライン作成の手順)ものです。

 その結果、クリニカルクエスチョン(CQ)を徹底して再検討し、99問のうちそのまま継続したのは44問にとどまり、過半数のCQに変更を加えることになったものです。

 章としては、第1章概念(病因、病態)、第2章診断、第3章治療、第4章肝硬変合併症の診断・治療、第5章予後予測、第6章肝移植となっています。

 肝硬変は長期にわたる肝組織の傷害に基づく変化で、慢性肝炎あるいは慢性肝障害に起因します(CQ1)。

 低栄養状態の肝硬変患者の死亡率は高く、栄養状態の改善が必要とされます(CQ3ー1)。

 C型代償性肝硬変に対するインターフェロン治療は、ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法が標準的です。 
 ジェノタイプ1b型代償性肝硬変に対するSVR率は慢性肝炎に比べて低いものの、ジェノタイプ2型は慢性肝炎と同等のSVR率が報告されています(CQ3-11)。

 またC型代償性肝硬変において、インターフェロン治療によってSVRが得られると、長期の経過で肝線維化が改善します(CQ3-12)。

 その他、CQが分かりやすく簡潔に記載されており、C型肝炎患者・家族にも参考になるでしょう。

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2016.11.15

卵巣がん診療ガイドラインがマインズで公開

161115ransou 卵巣がん診療ガイドラインが、Minds(マインズ)で公開されました。

 ・卵巣がん診療ガイドライン

 日本婦人科腫瘍学会は既に、卵巣がん診療ガイドラインを2004年版、2007年版、2010年版と公表していました。
 今回は2012年12月までに国内外で報告された文献やデータについてエビデンスとして収集・集積したものです。

 卵巣癌患者は増加傾向にあり、2007年には8631人、死亡者数は2011年に4705人に達しています。
 このように卵巣癌は女性性器悪性腫瘍の中で最も死亡者数の多い疾患とされています。

 シスプラチンの登場によって卵巣癌の治療成績は向上していますが、進行卵巣癌(Ⅲ、Ⅳ期)の5年生存率は20%台にとどまっており、予後不良です。

 卵巣がん診療ガイドラインの章としては、第1章ガイドライン総説、第2章卵巣癌、第3章上皮性境界悪性腫瘍、第4章再発卵巣癌、第5章腹膜癌・卵管癌、第6章胚細胞腫瘍、第7章性素間質性腫瘍、第8章資料集となっています。

 卵巣癌に関する医療過誤裁判例としては、婦人科医の診察を受けた患者が卵巣癌に起因する心不全で死亡したことについて、担当医師に経過観察義務違反があるとした東京地裁平成21年3月30日判決などがあります。

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2016.11.09

ERCP後膵炎ガイドライン2015がマインズで公開 

 ERCP後膵炎ガイドライン2015が11月8日、Minds(マインズ)で公開されました。

 ・ERCP後膵炎ガイドライン2015

 厚生労働省難治性膵疾患調査研究班・日本膵臓学会が編集したものです。

 既に急性膵炎診療ガイドライン2015(第4版)が発行されており、ERCP後膵炎についても、第Ⅷ章「消化器内視鏡関連手技後の膵炎」としてまとめられていました。

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 今回のガイドラインは専門医を対象にして、ERCP後膵炎に限定してまとめたもの。

 臨床課題を1から10まで挙げて詳細に検討が加えられています。

 例えば臨床課題4「ERCP後膵炎の危険因子」では、「女性・膵炎の既往はERCP後膵炎の患者側危険因子として十分注意すべきである」(推奨度2・エビデンスB)と指摘されています。

 また臨床課題5「ERCPのインフォームドコンセントでは、「ERCP後膵炎の重症化による死亡について、事前に説明することは必須である」(推奨度1、エビデンスC)とされています。

 そして「本邦の報告では判例データベースからの検索で ERCP 関連の訴訟は9件あり(昭和60年~平成19年)、そのうち6例が重症膵炎を併発して死亡したもので、4例は医療者側の過失と認定され敗訴となった」と指摘しています。

 ERCP後膵炎とは、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)施行後より新たに急性膵炎の臨床徴候を呈し、膵酵素の上昇を伴うものと考えられていますが、統一された診断基準があるわけではありません。

 発生頻度は数%。軽症で数日で軽快しますが稀に重篤化することもあります。
 医療相談でも少なくないケースですから、医療機関としても十分なインフォームドコンセントが必要と思われます。

 裁判例としてはガイドラインが指摘している時期の後にも、ERCP後膵炎発症に対する重症度判定の遅れ等によって患者が死亡したとして損害賠償を求めたケースについて、約2324万円の損害賠償を認めた大阪地裁平成27年2月24日判決などがあります。

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2016.10.27

九州肝臓友の会が「医療講演会~肝臓病の治療の現状」を開催

 九州肝臓友の会による恒例の医療講演会が11月20日に開催されます。

 九州肝臓友の会は福岡・佐賀など北部九州にお住まいの患者さんによる患者会。設立35年を迎え地道な活動を継続しています。

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 例えば、九州肝臓友の会の方は、薬害C型肝炎訴訟が福岡地裁で佳境を迎えている頃には、毎回傍聴支援にも駆けつけて頂きました。

 その九州肝臓友の会の恒例行事が専門医による医療講演会です。

 また私自身、薬害肝炎九州弁護団の事務局長として、九州肝臓友の会の医療講演会には何度も出席して、肝炎の医学的知見を学ぶ機会になりました。

 昨年は福岡大学医学部の向坂彰太郎教授の講演「B型・C型肝炎の最新治療」でしたが、今年は、産業医科大学第3内科学教授の原田大教授による講演「肝臓病の治療の現状」が行われます。

 毎回の講演後、活発な質疑応答も行われますので、患者・御家族にとってはまたとない機会になると思います。

 産業医科大学第3内科学教授の原田大氏による講演
   「肝臓病の治療の現状」

 11月20日(日) 午前11時~午後5時
  あいれふ10階 (福岡市中央区舞鶴2丁目)

  定員 先着120名    
 参加費 無料
 主催  九州肝臓友の会

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2016.10.26

化血研の事業の今後についての緊急要望書を提出、薬害エイズ原告団が厚生労働大臣に

 東京HIV訴訟原告団・大阪HIV訴訟原告団が10月21日、厚生労働大臣に対して「化血研の事業の今後についての緊急要望」を提出しました。

 厚生労働省が化血研の事業譲渡を求めていますが、一方において化血研は経営陣を刷新した後、事業継続を求めるなど混乱しています。

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 これに対して、厚生労働省と化血研はいずれも薬害エイズ事件の被告であることから、被害者である原告団に対する情報開示などを求めるものです。

 具体的には、両原告団は、「化血研の事業の将来について、厚生労働省として何らかの見解・計画があるのであれば、まず原告団に周知のうえ、協議の場を設けられたい」、「化血研の事業が適切に進められるべく、原告団の意見をも聴取しつつ、厚生労働省として調整に当たられたい」という2点を求めています。

 そもそも血漿分画製剤をふくむ血液製剤、さらには血液事業の問題については、薬害HIV事件発生の主要因として、原告団が非常に強い関心を持ってきた。平成13年の「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」制定の際にも、われわれは強く働きかけを行い、その後も薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会の委員として積極的に発言、関与してきたところである。

 化血研の事業は、特に血漿分画製剤の開発、製造、販売において、日本の血液事業の大原則である献血による血液の国内自給達成に向け、極めて大きな役割を担っている。原告団としては、それが今後いかなる事業体のもと、いかなる血液事業への意識で行われるかを注視しているところである。

 化血研の事業の将来については、密室での指示、規定ではなく、第一に原告団と対応を協議し、そのもとに関係者の意見も踏まえ、厚生労働省が調整役となり、血液事業をはじめ様々な国策にかなうような形での解決を強く望むものである。

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2016.10.24

シリンジポンプの薬剤量等の設定間違いが3例、医療安全情報119号

 公益財団法人日本医療機能評価機構が、「医療安全情報」119号・2016年10月号を公表しました。

 薬剤量や溶液量などを入力すると流量が自動で換算されるシリンジポンプの設定を間違えたため、誤った流量で薬剤を投与した事例が3件報告されています(集計期間:2013年1月1日~2016年8月31日)。

 第12回報告書「個別のテーマの検討状況」でも取り上げられた内容になります。

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 1つ目の事例は、シリンジポンプでプロポフォールを投与する際、薬剤量「10mg」、溶液量「1mL」と設定しようとしたところ、薬剤量を「1mg」と誤って入力したというものです。
 その結果、実際の10分の1の濃度に設定され、投与予定の10倍もの流量で投与してしまいました。なお投与開始3分後、シリンジポンプの設定の誤りに気づき投与を中止しています。

 2つ目の事例は、医師が、アルチバを溶解しシリンジポンプにセット後、体重「60kg」、薬剤量「0.1mg」、溶液量「1mL」、投与量「0.5μg/kg/min」と設定したつもりでした。
 ところが、投与開始直後に血圧が低下したため、溶液量を「5mL」と誤って入力していたことに気付いたというものです。その結果、実際の5分の1の濃度に設定され、投与予定の5倍もの流量で投与してしまいました。

 当該医療機関の再発防止の取り組みとしては、シリンジポンプに設定した薬剤量や溶液量を投与開始直前に確認することが指摘されています。

 例えば、前述の2つ目の事例では、医師が表示された流量を投与前に確認していなかったようです。

 各薬剤の添付文書や基本書でも、看護・介護のポイントとして「シリンジポンプの取扱には日頃より習熟しておく」等の指摘がされています。

 換算された流量が正しいか確認するという極めて基本的なことが守られれば回避できるヒヤリハット事案といえそうです。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.10.12

統合失調症薬物治療ガイドラインがマインズで公開

 統合失調症薬物治療ガイドラインがMinds(マインズ)で公開されました。
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  ・「統合失調症薬物治療ガイドライン

 日本神経精神薬理学会が作成していたものですが、今回改訂されたものです。
 改訂のポイントしては、各章の前文をわかりやすい表現に修正したこと、引用文献番号の整合性を修正したことなどです。

 本ガイドラインは、統合失調症の診断がはっきりしている患者に対して、薬物治療の選択基準を示したもの。統合失調症の治療として薬物療法だけで進めることを示しているものではありません。
 統合失調症の治療としては、薬物療法と心理社会的療法の組み合わせが大前提となるとされていることには留意が必要です。

 また統合失調症の患者の状態は様々ですから、多様性を平均してまとめたのがこのガイドラインということになります。

 序章で面白かったのは、ガイドライン作成者の利益相反情報について、個人毎に関係する製薬会社名まで開示している点です。他のガイドラインではここまできちんと情報開示している例はまだまだ少ないでしょう。

 全体の章としては、「第1章 初発精神病性障害」「第2章 再発・再燃時」「第3章 維持治療」「第4章 治療抵抗性」「第5章 その他」という構成になっています。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.10.03

医療事故情報第46回報告書が公表、腫瘍用薬に関連した医療事故を分析

 日本医療機能評価機構が2016年9月29日、医療事故情報収集等事業第46回報告書を公表しました。
 
 報告書の対象期間は2016年4月から6月。
 医療事故の概要としては、「療養上の世話」が292件(35.9%)、「治療・処置」が261件(32.1%)、「薬剤」が58件(7.1%)、「ドレーン、チューブ」が53件(6.5%)、「検査」が36件(4.4%)と続きます。療養上の世話が従来から多いのですが、治療・処置の割合も増加傾向にあるようです。

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 事故の程度としては、「死亡」が65件(8%)、「障害残存の可能性がある(高い)」が88件(10.8%)、「障害残存の可能性がある(低い)」が225件(27.7%)。

 医療事故の当事者職種としては、医師490件、看護師436件となっています。なお当事者とは、医療機関が医療事故に関係したと判断した者をいいます。

 一方ヒヤリ・ハット事例の報告件数は、4月3758件、5月1500件、6月1535件に達しました。
 ヒヤリ・ハットの当事者職種としては、看護師5986件、医師360件、薬剤師330件、助産師139件、臨床検査技師113件になっています。

 個別のテーマとしては「腫瘍用薬に関連した事例」「レジメン登録、治療計画、処方の事例」が取り上げられています。

 腫瘍用薬に関して2010年1月から2016年6月まで250件を分析。
 その結果、「薬剤の血管外漏出・血管炎」が最も多く73件、「腫瘍用薬投与中の状態の悪化(副作用等)」が57件、「薬剤量間違い・過剰」が37件となっています。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.09.23

ワーファリンの代わりにラシックスなど外観の類似した薬剤の取り違えが4例、医療安全情報118号

 公益財団法人日本医療機能評価機構が、「医療安全情報」118号・2016年9月号を公表しました。

 今回は、アンプルや包装の色が類似していたことが薬剤取り違えの一つの要因となり、患者に誤った薬剤を投与した事例が4件報告されています。

 第45回報告書の「個別のテーマの検討状況」でも取り上げられた内容になります。

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 1つ目の事例は、医師が薬剤の色の思い込みによって違う薬剤を投与したケースです。

 手術中、患者が吐き気・気分不快感を訴えたため、術者の医師が「プリンペランiv」と口頭で指示を出します。その際、看護師が他の処置を行っていたため、別の医師が、「プリンペラン=茶色のアンプル」という自分の認識のまま、茶色の薬剤を取り出し、投与してしまいました。その後、患者の血圧は60~80mmHg台となったため、エフェドリンを投与するに至りました。
 手術終了後、看護師が確認したところ、プリンペランの空アンプルでなく、使用していないはずのペルジピンの空アンプルがあったため発覚したものです。

 2つ目の事例は、薬剤師が包装の色で薬剤を誤ったというケースです。

 外来受診し、保険薬局で内服薬を受け取って帰宅した患者が、受診後より食欲不振、倦怠感が強くなり、歩行困難となってしまいました。2日後、症状改善せず入院せざるを得ませんでしたが、入院後、「ワーファリン錠1mg3錠 1日1回夕食後」の薬袋に、ラシックス錠40mgが入っていることが発覚しました。
 薬剤師は、調剤の際、同じ棚の赤いPTP包装を見てワーファリン錠だと思い込み、鑑査でも間違いに気付かないまま患者に渡していたものです。

 ワーファリンは経口抗凝固剤で血栓塞栓症の治療に使用しますが、ラシックスは利尿降圧剤で高血圧症・うっ血性心不全などに使用するものです。

 薬剤を取り違えた背景・要因としては、アンプルや包装の色が類似していたというもの。いずれも、薬剤名を確認していなかったために発生しています。

 総合評価部会は「アンプルや包装の色が類似した薬剤が存在することを認識すること」、そして「アンプルや包装の色で判断せず、薬剤を手に取った際に薬剤名を確認する手順を決め、遵守すること」を提言しています。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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