2016.09.23

ワーファリンの代わりにラシックスなど外観の類似した薬剤の取り違えが4例、医療安全情報118号

 公益財団法人日本医療機能評価機構が、「医療安全情報」118号・2016年9月号を公表しました。

 今回は、アンプルや包装の色が類似していたことが薬剤取り違えの一つの要因となり、患者に誤った薬剤を投与した事例が4件報告されています。

 第45回報告書の「個別のテーマの検討状況」でも取り上げられた内容になります。

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 1つ目の事例は、医師が薬剤の色の思い込みによって違う薬剤を投与したケースです。

 手術中、患者が吐き気・気分不快感を訴えたため、術者の医師が「プリンペランiv」と口頭で指示を出します。その際、看護師が他の処置を行っていたため、別の医師が、「プリンペラン=茶色のアンプル」という自分の認識のまま、茶色の薬剤を取り出し、投与してしまいました。その後、患者の血圧は60~80mmHg台となったため、エフェドリンを投与するに至りました。
 手術終了後、看護師が確認したところ、プリンペランの空アンプルでなく、使用していないはずのペルジピンの空アンプルがあったため発覚したものです。

 2つ目の事例は、薬剤師が包装の色で薬剤を誤ったというケースです。

 外来受診し、保険薬局で内服薬を受け取って帰宅した患者が、受診後より食欲不振、倦怠感が強くなり、歩行困難となってしまいました。2日後、症状改善せず入院せざるを得ませんでしたが、入院後、「ワーファリン錠1mg3錠 1日1回夕食後」の薬袋に、ラシックス錠40mgが入っていることが発覚しました。
 薬剤師は、調剤の際、同じ棚の赤いPTP包装を見てワーファリン錠だと思い込み、鑑査でも間違いに気付かないまま患者に渡していたものです。

 ワーファリンは経口抗凝固剤で血栓塞栓症の治療に使用しますが、ラシックスは利尿降圧剤で高血圧症・うっ血性心不全などに使用するものです。

 薬剤を取り違えた背景・要因としては、アンプルや包装の色が類似していたというもの。いずれも、薬剤名を確認していなかったために発生しています。

 総合評価部会は「アンプルや包装の色が類似した薬剤が存在することを認識すること」、そして「アンプルや包装の色で判断せず、薬剤を手に取った際に薬剤名を確認する手順を決め、遵守すること」を提言しています。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.09.16

しわ取り注射で1300万円請求、60歳以上の女性の美容医療被害が急増中

 しわ取り注射数本で1000万円の請求・・・そんな被害相談が国民生活センターに多数寄せられています。

 「美容医療」とは、医師による医療のうち、専ら美容の向上を目的として行われる医療サービスを指し、医療脱毛・脂肪吸引・豊胸手術・二重まぶた手術・包茎手術・審美歯科等になります。

 国民生活センターが、過去5年間で900件の相談が寄せられていることを公表しました。
 60歳以上の相談件数は2014年度がピークですが、契約金額は年々高額化しています。例えば、2015年度の美容医療の平均額は70万8428円ですが、60歳以上に限ると126万8023円と1.8倍に達しています。

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 美容医療は健康保険ではなくて自由診療ですから、各クリニックで料金が異なること、WEBサイトなどで誇大広告が横行していることなどが背景にあります。

 最近は医療の法律相談でも美容医療に関するものが増えており、事前の説明が不十分であった、早急な施術を迫られた、費用が高額だった等に分類されます。
 ここまで来ると高齢者に対する詐欺被害に近いといえ、他の訪問販売と同様に周りの家族が注意するだけでは限界があり、何らかの規制も検討が必要でしょう。

 そのため医療問題を取り扱う弁護士だけでなく、消費者関係の弁護士も被害救済に乗り出しています。

 国民生活センターは「60歳以上の消費者トラブル110番」として、9月16日午前10時から午後4時まで相談を受け付けています(電話番号03-5793-4110)。

 顔のしわを取るなどの美容医療をめぐり高額な請求をされたなどといった、60歳以上の女性からの相談が、この5年間におよそ900件寄せられ、中には数本の注射でおよそ1300万円を請求されたケースもあるとして、国民生活センターが注意を呼びかけています。

 相談内容としては、カウンセリングを受けるつもりだったのに、十分な説明もないまま、その日のうちに顔のしわを取るための注射を数本打たれ、およそ1300万円を請求されたケースや、「今すぐに契約するつもりはない」と言っても、1時間以上にわたって勧誘され、断り切れずに注射をされたケースなどがあるということです。
 また、注射を打たれておよそ800万円を支払ったあとに相談してきたケースもあったということです(9月15日付けNHK)

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.09.09

厚労省が化血研に抜き打ち検査、化血研が存続希望伝えた直後に

 厚生労働省が9月7日、化血研に立ち入り検査を行いました。

 化血研は不正製造を隠蔽し、2016年1月に医薬品医療機器法に基づく過去最長110日間の業務停止処分を受けていました。

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 今回の立入検査は、今年1月から厚労省が製薬会社36事業所に対して実施することにした抜き打ち検査の一環。
 ちなみに2017年度予算の概算要求でも4億4000万円が要求されたほか、担当職員も50人から12名増やすことになっています。

 ただタイミング的には、先日、化血研が存続を希望したこととも関係してそうです。

 化血研は厚労省の強い意向を受けて、アステラス製薬との間で事業譲渡交渉を続けてきました。ところが、最近になって厚労省に対して化血研として存続したいという要望を伝え、それに対して厚労省が難色を示しています。

 関係者によると、化血研は事業譲渡について、「交渉先が厚労省に指定され譲渡価格などで公正な交渉ができない」「患者が少ない製剤やテロに備えた天然痘ワクチンなど公共性の高い製剤供給が続く保証はない」などと疑問視。アステラス、厚労省の担当者が集まった場で5日、「現在の状況下では譲渡は難しい」とし存続を検討する考えを伝えた。

 厚労省には製薬企業の合併などを命じる法的権限はないが、同省幹部がその場で事業譲渡を化血研に改めて求めたという(9月6日付け朝日新聞)。

 アステラス製薬は、2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併した業界第3位の会社。化血研の売上高475億円(2014年度)に対してアステラスの売上高は6359億円(連結だと1兆1399億円)に達しています。

 化血研は6月に全理事が退任して、新理事長に近畿大薬学総合研究所長の早川尭夫氏が就任したばかり。
 体制を刷新したばかりの新経営陣が譲渡を回避して存続を希望する姿勢に違和感を感じます。

 隠蔽していた問題の悪質さと根深さを考えると、厚労省の進める再編の方が国民の理解を得られることは確かでしょう。

 塩崎厚生労働大臣も9日の閣議後会見において、「40年にわたって薬事制度の根幹を揺るがす極めて悪質な行為を続けてきたわけで、製造販売許可の取り消しに相当する」、「厚労省としても化血研に対する指導をきっちりと継続していく」と厳しく指摘しています。

(記者)
 化血研(一般財団法人化学及血清療法研究所)についておうかがいします。血液製剤の不正製造を受けて、他企業への事業譲渡の交渉を進めておりました化血研側に事業の存続を希望する意向があるということが明らかになりました。これについての大臣のお考えをお願いいたします。

(大臣)
 化血研が自ら何をして、このような事態になっているかをもう一度胸に手をあてて考えていただいた方がいいのではないかと思います。40年にわたって薬事制度の根幹を揺るがす極めて悪質な行為を続けてきたわけでありまして、製造販売業許可の取消に相当するということは冒頭からも言ってきたことであります。これまで化血研としての医薬品製造販売業の継続を前提としない、体制の抜本的な見直しを当初から、1月からずっと求めて、事業譲渡を行うように指導してまいりました。したがって、こういう考え方をもう一度思い出していただいて、そのとおりやっていただくことが大事だろうと思いますので、私どもも化血研に対する指導をきっちりと継続してまいりたいと思います(9月9日閣議後会見)。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.09.06

平成29年度概算要求は過去最大、肝炎対策は職域検査の取組が新たに計上

 厚生労働省が8月26日、平成29年度(2017年度)の概算要求を公表しました。

 概算要求額は31兆1217億円、2016年度予算から2・7%増えています。内閣府に移管した保育関連予算を合わせると過去最大規模の予算です。待機児童対策では保育所などの受け皿整備として712億円を計上しています。

 ちなみに全省庁の概算要求の総額(一般会計)は、101兆4707億円と2016年度の当初予算よりも4・9%増加です。
 要求額が最も大きかったのが厚労省ということになります(法務省は7731億円、環境省4212億円、警察庁3333億円、防衛省5兆1685億円など)。

 厚労省の平成29年度概算要求のうち肝炎対策は179億円(昨年度・平成28年度予算186億円)。
 平成28年度の概算要求222億円よりも減少しています。

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 ▲ 早期発見・早期治療を促進するための環境整備
 早期発見・早期治療を促進するための環境整備としては139億円(昨年度予算150億円)が計上されています。

 これは、肝炎患者の早期発見・早期治療を促進するため、肝炎に対する正しい知識の普及啓発、肝炎ウイルス検査、肝炎患者への医療費の助成及び医療提供体制の確保等を推進するための項目。
 特に、肝炎ウイルス検査で陽性と判定されながら医療機関を受診しない患者が少なからずみられることから、適切な受診して治療してもらうための方策を進めるものです。

 この項目の中には、「肝炎ウイルス陽性者のフォローアップによる重症化予防の推進 31億円(昨年度予算18億円)」と「ウイルス性肝炎に係る医療の推進 71億円(昨年度予算104億円)」、「肝疾患診療地域連携体制の強化 6・2億円(昨年度予算6・2億円)」も含まれています。

 新規として、「職域検査への取組の推進」(8・7億円)が計上されました。
 これは職域における肝炎ウイルス検査の実施の促進のため、検診機関及び事業者等との連携が図られるよう、都道府県等に対して必要な支援を行うものです。

 ▲ 肝炎治療研究などの強化
 肝炎治療研究などの強化としては40億円(昨年度予算37億円)が計上されています。

 今年度、中間見直しが行われる「肝炎研究 10 カ年戦略」の方向性を踏まえ、B型肝炎の画期的な新規治療薬の開発を目指した創薬研究や肝硬変の病態解明と新規治療法の開発を目指した研究等を推進するものです。

 ▲ 肝炎対策以外
 肝炎対策以外としては、新規として、「化血研事案を踏まえた医薬品等の安全・信頼性の確保」(4・4億円)が計上されています。

 化血研事案のような組織的隠蔽による不正行為を発見するため、国内製造所への抜き打ちによる立入検査及び海外製造所への立入検査が効果的に実施できるように、GMP査察体制の抜本的強化を図るものです。

 またハンセン病対策の推進として375億円(昨年度予算362億円)が計上されました。

 これは偏見・差別の解消に向けて、ハンセン病問題に関する正しい知識の一層の普及啓発等を進めるため、国立ハンセン病資料館等の学芸員を増員するとともに、収蔵庫を新たに整備し、資料館活動の充実を図ることも含まれています。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.09.01

日本医療機能評価機構が平成27年年報を公表、訪問調査で得られた知見も

 日本医療機能評価機構が2016年8月29日、医療事故情報収集等事業の平成27年度年報を公表しました。

 年報は平成17年度より公表されているもので、この平成27年度年報で11年目になります。
 平成27年1月から12月までに1426医療機関から報告を受けた3654件について分析したものです。

  ・「平成27年度年報

 ヒヤリ・ハット事例の1年分の集計、個別テーマの分析、共有すべき医療事故情報の概要がまとめられています。
 例えば個別のテーマ分析としては、「インスリンに関連した医療事故」144頁、「手術中の砕石位に関連した事例」149頁が取り上げられています。

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 前回の平成26年度年報は600頁もの情報量になっていましたが、かえって分かりにくいという反省から今回は210頁とコンパクトになりました。
 そのため「個別のテーマの検討状況」や「再発・類似事例の発生状況」は概要としてまとめられ見やすくなっています。

 また医療事故情報を報告した9医療機関に対しては訪問調査を行っています。訪問して得られた知見、訪問での主な意見も含めて、その概要も分かりやすくまとめています(114頁以下)。

 訪問調査した事案は、「MRI検査の造影剤を投与する際、注射器に薬剤名等の記載のない薬剤を投与したところ、鎮静剤を誤って投与した事例」「血液製剤の依頼を受けた際、画面に表示された同姓類似名の違う患者の血液製剤を払い出した事例」「右膝の手術の際、誤って左膝用の手術室の準備を行ったが、タイムアウトでも気付かず、左右を取り違えて手術した事例」「中心静脈カテーテルのヘパリンロックを行う際、座位で誤った接続部位を外したため、血管内に空気が混入した可能性がある事例」などです。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.08.24

肝炎研究10カ年戦略の中間見直し、C型慢性肝炎のSVR率95~100%など数値目標を設定へ

 肝炎治療戦略会議(座長:林紀夫関西労災病院院長)が8月22日、開催され、肝炎研究10カ年戦略の中間見直しについて議論されました。

 肝炎研究10カ年戦略とは、平成24年度からの10年間の戦略目標の達成を目指し、重点課題について集中的に研究を進めていくもの。

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 今回の議論は、現在の進捗状況を評価して、戦略の見直しを行うものです。
 中間見直しを経て、平成33年度には目標の達成状況を評価して必要な措置を講ずることになっています。

 22日の戦略会議では、肝疾患の治療成績の数値目標を上げる中間見直し案が示され、方向性について了承されました。
 今後、厚労省は9月から10月にかけて中間見直しに関するパブリックコメントの募集を行うことになります。

 具体的な戦略の目標のうち、C型肝炎に関する数値は下記の通りです。

C型慢性肝炎、代償性肝硬変におけるSVR率を現状の約90%以上から約95~100%まで改善

非代償性肝硬変(Child-Pugh C)における50%生存期間を現状の約18ヶ月から約24ヶ月まで改善

肝硬変からの肝発がん率をC型肝硬変では現状の年率約5~8%から3~5%まで改善

 またB型肝炎に関する数値目標は下記の通りです。

抗ウイルス療法による5年後のB型肝炎のHBs抗原陰性化率を、現状の約6%から約8%まで改善

肝硬変からの肝発がん率を、B型肝硬変では現状の年率約3%から約2%まで改善

 以上の数値目標を達成するために、C型肝炎の臨床研究としては、「薬剤耐性ウイルスに効果のある治療法を開発する」、B型肝炎の臨床研究としては、「新規治療薬を開発し、臨床試験に導入する」とされています。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.08.23

前医療機関からの食種情報の確認不足による医療事故が3例、医療安全情報117号

 公益財団法人日本医療機能評価機構が、「医療安全情報」117号・2016年8月号を公表しました。

 今回は、他施設からの食種の情報を確認しなかったため、患者に適さない食事を提供した事例が3例報告されています。

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 第26回報告書の「個別のテーマの検討状況」で取り上げた内容になります。

 1つ目の事例は、医師が入院時の食事を指示する際、診療情報提供書に記載された食種を確認しないまま、「常食」と入力してしまったケースです。看護師も患者の咀嚼・嚥下状態を観察しませんでした。
 そのため15分後、患者がむせて、SpO2は80%に低下。その後、米飯を大量に吸引してSpO297%に改善しましたが、その後、看護師が転入前の食種を確認すると、前医では「全粥・粗刻み食」を提供していたことが分かったというものです。

 2つ目の事例は、医師が入院時の食事を指示する際、前施設からの食種に関する情報がなかったため、とりあえず「常食」をオーダ。看護師が夕食のセッティングをして、食事の摂取を3口ほど見守り退室しました。その後、食事摂取状況の確認のため訪室すると、患者がベッド上でぐったりしており、呼名に反応せず、口腔内にはミカンや米飯などが多量にあったというものです。
 実は、入院時に患者が持参した看護サマリには「全粥・軟菜・刻み食」と記載されていたにもかかわらず、看護師が確認していなかったものでした。

 いずれも医師ないし看護師が慎重に対応し、他施設からの診療情報提供書や看護サマリーの確認を徹底していれば避けられた事案です。

 2つの事例は幸いに患者の体調は回復したようですが、死亡等の重大な結果になっていれば、注意義務違反のそしりは免れなかったでしょう。
 高齢者や入院患者の誤嚥による医療事故は、医療機関の責任が認められることも少なくありませんから、基本に戻り徹底した確認が求められています。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.08.10

医療機関のHPを規制へ、美容医療トラブルをうけ厚生労働省が方針

 厚生労働省が美容医療に限らず全ての医療機関のホームページにおける虚偽、誇大な表現を規制する新たなガイドラインを作成する方針を決めました。
 
 ガイドラインでは、虚偽や誇大な表現、不適切な表示の掲載を禁止する予定です。医療法を改正し、違反した場合には罰則を設けることも視野に入っています。

 今回の方針は「美容医療」を巡るトラブルが相次いでいることが背景にあります。

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 国民生活センターのPIO-NETに寄せられた美容医療サービスに関する相談は、2011年の1559件から2013年には2156件、2014年には2622件に達しています。
 そのうち広告に問題のありそうな相談は、2013年1195件、2014年1479件になっています。

 そもそも「HPは利用者が自ら検索して閲覧するため、医療法上の広告ではない」という理屈でこれまで規制してこなかったこと自体が問題でしょう。

 非常に法律相談も多い分野ですが、費用対効果から弁護士に依頼できずに泣き寝入りする相談者も少なくありません。
 また弁護士に依頼しても、なかなかカルテ開示に応じないことも経験しましたし、複数のカルテが発覚するなど偽造が疑われるケースもありました。
 さらに訴訟に至っても、細かな点から争い、なかなか早期には解決に結びつかないこともあります。

 被害に合わないように医療ホームページの規制が不可欠と思っていましたので妥当で方針でしょう。
 一方美容医療の利用者も飛びつかないように慎重に意思決定していくことが逆に求められることになります。

 美容医療サービスに関する相談(国民生活センター)

 包茎手術について説明を受けたが、十分に考える時間を与えられず承諾させられてしまい、手術を受けた。不要な施術があったので一部返金を望む。

 クレジット会社から督促通知が来て、20代の学生の娘が美容クリニックで130万円もの高額な顔のたるみ手術を受けたことが分かった。学生に契約させるなど、納得いかない。

 インターネットの広告をきっかけに、美容クリニックの植毛の無料カウンセリングに行った。アドバイザーの女性から、「今日、今週末のキャンセルが出た。今契約すれば料金が安くなる」と4時間以上も勧誘され契約した。契約書面にはキャンセル料が10万円かかると書いてあるのに、アドバイザーは「格安なのでキャンセルできない」と言う。解約したい。

 美容外科で、「約300万円が半額になる」と値引きを強調して勧誘され、リフトアップやしみ取りの契約をした。しかし、高額なので未施術分を解約したい。

 エステ店から紹介された美容外科で、全身脱毛の契約を50万円でした。一切解約しないと記載がある同意書にサインをしたが、高額で支払うことが難しく、施術前なので解約したい。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.08.01

群馬大学病院が患者18名死亡について調査報告書、「患者中心の医療から乖離」と指摘

 群馬大学附属病院で腹腔鏡手術などを受けた患者18名が死亡した問題で、第三者委員会が調査報告書をまとめました。

 実は当初死亡8例について前調査委員会が調査し、2015年3月に公表していました。
 ところが、その後、第三者のみで構成された再調査が必要ということで改めて2015年7月に医療事故調査委員会が設置されていたものになります。

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 2009年度に第1、第2外科で術後早期に死亡したのは男性医師の開腹手術の患者8人だけでした。2009年10月、上司の診療科長が男性医師に対して、高難度の肝切除術を控えるよう助言します。

 ところが男性医師は同年12月に手術を再開した結果、3例の死亡事例が発生。
 上司が男性医師に対して、2010年3月に再び手術を休むよう要請したものの、やはり改善策がとられないまま男性医師は手術を再開していました。

 この点、報告書は「適切に対応していれば死亡事例は防ぐことが出来た可能性がある」と指摘しています。

 その他にも、男性医師の医療記録は、「記載が極めて乏しく、患者がどのような状態なのかを読み取ることができず、不適切なものであった」。この点についても教授が何度か注意をしたということですが、改善見られないまま放置されていました。

 男性医師の医師としての技量・倫理はもちろんですが、改善を放置して見過ごした教授の対応、病院としてのガバナンスに著しい問題があったことが浮かび上がる調査報告書になっています。

 「何があったのか知りたい」。群馬大病院の患者死亡問題で、父親(当時61)を亡くしたさいたま市の40代女性は訴え続けてきた。

 父親の肝臓にがんが見つかり、開腹手術を受けたのは2009年4月。執刀した同病院の男性医師から「腫瘍はとれた」と言われ、成功したと思っていた。
 しかし容体は次第に悪化。女性と母親は「他の医師にも診てもらえないか」と尋ねたが、男性医師は「できない」と言うのみだった。
 父親は手術の約2カ月後に亡くなった。敗血症という死因以外、男性医師から具体的な説明はなかった。「すぐに手術は必要だったのか」。女性は数カ月後、疑問点を記した手紙を送ったが、返信はなかった。

 事態が動いたのは14年末。男性医師による腹腔(ふくくう)鏡や開腹の手術を受けた18人が術後に死亡していたことが発覚し、病院の担当者からの連絡で父親も調査対象に含まれていることを知った。死亡から5年以上。「やっぱりかと……」

 家庭菜園が趣味で、アウトドアが大好きだった父親。入院中も「またキャンプに行きたいね」と話していた。今年6月、同じ思いを共有する遺族が会を結成し、女性も加わった。「父は病院を信頼していた。組織を立て直してもらいたい」(7月30日付け日経新聞)

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.07.27

子宮頸がんワクチン被害者13名が福岡地裁に提訴、九州原告団を結成

 ◆ 福岡地裁提訴の概要 
 子宮頸がんワクチンによる被害者63名が7月27日、東京、大阪、名古屋、福岡の各地方裁判所に集団訴訟を提起しました。

 原告数63名の内訳は、東京地裁28名、大阪地裁16名、名古屋地裁6名、福岡地裁13名です。
 慰謝料として一人当たり1500万円の請求です。

 福岡地裁に提訴した原告13名は、福岡県5名、山口県1名、熊本県2名、長崎県2名、沖縄県3名。
 年齢は10代10名、20代3名(16歳から22歳)。1回目のワクチン接種時の年齢は全員10代です(12歳から17歳)。

 ワクチンとしてはガーダシル2名、サーバリックス11名になっています。

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 ◆ 入廷行動
 福岡では14時に集合して、15時から原告団弁護団による入廷行動を行いました。
 原告13名のうち3家族が実際に入廷行動に参加し、6家族はその様子を見守ります。

 福岡の午後の気温は30度を超える猛暑となり、原告の皆さんの体調も心配でしたが、梅本美有さんを先頭にゆっくりと、しかし力強く歩を進めました。

 ◆ 記者会見
 無事提訴を終えた後、裁判所近くの会場に移動して記者会見を行いました。
 記者会見には梅本さん親子と福岡県在住の被害者のお母さんの3名が臨みました。
 多数のテレビカメラを前にして3人ともかなり緊張されていましたが、きっちりと自分の言葉で被害を伝えておられました。

 まず「裁判に踏み切った思いを教えて下さい」という質問に対して、美有さんは、「今まで解決を求めてきましたが、このままでは十分な救済のメドが立たないと思って裁判が必要だと感じました」、「被害者である自分が動かないと解決しないという思いから裁判に参加したのです」と力強く思いを述べました。

 また梅本さんのお母さんも、「子宮頸がんワクチンの副作用ではないかと病院に訴えると、病院の態度が急変してとても冷たくなったので、その病院に行くのは辞めた」、「娘にこの苦しみをいつまで強いれば良いのでしょうか」「治療法を確立して頂きたい」と訴えました。

 さらに匿名原告のお母さんは、次のように訴訟に参加した思いを切実に語りました。

 「娘は中2まで元気でプログラマーになるのが夢でした。ところがワクチン接種後、自宅近くの中学にさえ登校できなくなりました。何とか中学卒業して高校に進学しましたが2年生で退学せざるを得ませんでした」、「娘は痛みに加えて短期記憶にも支障が出ています。何ら治療法が確立されていません。国・製薬企業の責任を明確化することが、元気な娘を取り戻す一番の方法だと考えて原告に参加しました」

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 ◆ 九州原告団の立ち上げ
 1時間近い記者会見が終了した後、非公開で、原告弁護団のみの会議を開催しました。
 この会議で九州原告団の規約を定めた上、正式にHPVワクチン薬害訴訟九州原告団が立ち上がりました。

 その後、参加した家族全員が一言ずつ今日の感想を述べていきます。

 「同年代の被害者と出会えて良かった」
 「未成年なので出来ることが限られているけど、皆さんと力を合わせてやっていきたい」
 「被害者が集まり裁判をすると知ってほっとしました」
 「参加するつもりはなかったけど、今日の提訴行動に参加できて本当に良かったです」
 「今日の行動に参加し、たくさんの仲間・弁護士さんに支えられているとわかり、勇気をもらいました」

 原告の皆さんの思い・被害・これまでの家族の苦しみを聞き、弁護団としても最終解決への思いを新たにした1日になりました。
 既に追加提訴に参加希望の方も多数おられますので、準備が整い次第、追加提訴していく予定です。

 HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)薬害訴訟提訴にあたっての声明

 本日、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の接種によって深刻な副反応被害を受けた63名の被害者が、国及び製薬会社(グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社)に対して、損害賠償請求訴訟を東京、名古屋、大阪及び福岡の各地裁に提訴しました。
 この裁判の目的は、被告らの法的責任を明らかにすることによって、一日も早く被害者の健康を回復させ、将来にわたって安心して暮らせるようにすることであり、その真相を明らかにして、二度とこのような薬害が起こらないようにすることです。

 HPVワクチンは、子宮頸がんそのものを予防する効果は証明されていません。一方で、その接種による重篤な副反応(免疫系の異常による神経障害等)が多数報告されています。
 そもそも子宮頸がんは、原因ウイルスであるHPVに感染しても発症に至る確率は極めて低く、また、子宮頸がん検診によって、がんになる前の病変を発見し、負担の少ない治療で予防できる疾病です。にもかかわらず、有効性にも安全性にも問題のあるHPVワクチンの製造販売が承認されました。製薬会社は、接種推進を謳う専門家団体に巨額の寄付金を提供するなどして大々的なマーケティング活動を行い、承認から異例の短期間で公費助成、定期接種が実現しました。そして、公権力による接種勧奨によって300万人を超える中学生・高校生の女子に接種されたのです。

 副反応による被害はとても深刻です。多様な症状があり、それらが併発、重層化するため、身体的に多大な負担をもたらします。また、これらの症状は改善と悪化を繰り返す特徴があり、今後も発症の可能性があります。加えて、病院や学校などにおいて詐病であると言われるなど、無理解な対応によって苦しんでいる被害者も多数います。治療法も確立されておらず、将来に対する不安は計り知れません。多くの被害者の未来が奪われようとしています。

 私たちは、この裁判を通じて、被害者が接種前の健康を取り戻し、その未来が再び開かれるように裁判所そして社会に訴えかけます。そして、被告らに対し、その法的責任に基づく必要かつ十分な救済策を実施することを要求します。
 私たちの裁判に対する皆様の温かいご支援をお願い致します。

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.07.26

子宮頸がんワクチン被害、明日全国で集団提訴へ

 子宮頸がんワクチンによる被害者が明日7月27日、東京、大阪、名古屋、福岡の各地裁に集団訴訟を提起します。

 原告数は63名(東京地裁28名、大阪地裁16名、名古屋地裁6名、福岡地裁13名)。慰謝料として一人当たり1500万円を請求します。

 福岡でも事前に会見して被害を訴えました。

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 7月27日は15時から福岡地裁の正門前で提訴のための入廷行動を行った上、15時30分から記者会見を予定しています。
 記者会見には被害者の2家族が記者会見に臨みます。

 福岡県大川市の女性(18)はワクチン接種から数ヶ月後の中学3年の夏、激しい頭痛に襲われるようになった。症状は全身の痛みや倦怠感にも広がり、高校は2年で退学。今は自宅で療養生活を送る。痛みで失神したり、体が思うように動かずに転倒してあばら骨にひびが入ったりしたこともあったといい、「プログラマーの夢は諦めるしかない。普通に生活できる体に戻してほしい」と話す。

 北九州市の梅本美有さん(18)も接種後に生活が一変した。高校1年で接種を受けた3日後から足が激しく痛むなどの不調が起こり、症状は深刻化。3年の時にやむなく単位制高校に転校した。保育士を目指して大学進学を考えていたが、「このままでは一人でも生活できない」という。

 医療機関での検査では異常はないが、もともとは年に一度、風邪をひくかどうかの丈夫な体で、ワクチン接種以外に心当たりはないといい「国と企業は許せない」と訴える。

 九州弁護団の前田牧事務局長は「訴訟を通し、多くの人に当事者の苦境を知って欲しい」と話している(7月26日付け西日本新聞)

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.07.21

子宮頸がんワクチン被害者が佐賀県へ被害救済の申入書を提出

 7月27日に全国で集団訴訟を提起することになった子宮頸がんワクチン問題。

 全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会福岡県支部長の梅本邦子さんらが佐賀県庁を訪問し、被害救済の申し入れを行いました。

 梅本さんの長女の美有さんは子宮頸がんワクチン接種による副作用で学校を止めざるをえないなど深刻な被害に合い、今も苦しんでいます。
 福岡地裁への訴訟にも参加を決めています。

160721sagasinbun              (写真は7月19日佐賀新聞より)

 佐賀県に対する申入書では、被害者の思いを聞く場を設けること、就労や進学の支援など8項目を要望しています。
 佐賀県では2016年3月までに1万8530人が子宮頸がんワクチンを接種しました。少なくとも4人に副作用が出て、うち1人は回復していないことが判明してます。

 この日は、被害者連絡会の梅本邦子福岡県支部長らが、県庁で山口祥義知事と古谷宏教育長宛の申し入れ書を担当部局に手渡し、文書での回答を求めた。要望では、独自に被害者へのヒアリングをし実態調査などを求めている。

 18歳の娘が副作用で苦しんでいるという梅本さんは「頭痛や吐き気など体に変調をきたした状態で生活している。ワクチンを打って数カ月や数年たって体調不良になることも多い。被害の実態を少しでも知ってもらえれば」と語った。(7月19日付け佐賀新聞)

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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2016.07.20

2016年のがん統計予測が公表、がん罹患数は101万人・死亡数は37万4000人に

 日本のがん統計については、罹患データは4~5年、死亡データは1~2年遅れて公表されています。
 一方海外では、これらの遅れを数学的な手法で補正して、現時点でのがん統計を予測する試み(短期予測)が実施されています。

 そこで日本のデータに基づいてこの短期予測を行う試みがなされ、2016年のがん罹患数予測および死亡数予測が公表されました。

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 それによると、2016年のがん罹患数予測は101万0200例(男性57万6100例、女性43万4100例)になっています。2015年よりも2万8000例増加したことになります。

 部位別には、大腸、胃、肺、前立腺、乳房(女性)の順になっています。
 2015年と比較すると、胃が第3位から第2位に、肺が第2位から第3位になりました。

 2016年のがん死亡数予測は3万4000人(男性22万0300人、女性15万3700人)になっています。2015年よりも3000人増加したことになります。

 部位別には、肺、大腸、胃、膵臓、肝臓の順になっています。

 「医療過誤ではないか?」という法律相談でも、3件に1件は癌に関する内容になっています。

 部位別では肺がん、胃がん、肝臓がんの相談が比較的多く、内容としては「見落としによる治療遅れではないか」「治療内容の妥当性」が多くなっている印象です。

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2016.07.19

与薬時の患者取り違えが6例、医療安全情報116号

 公益財団法人日本医療機能評価機構が、「医療安全情報」116号・2016年7月号を公表しました。
 今回は与薬時、患者氏名の確認が不十分であったため、患者を取り違えた事例が6例報告されています。

 第42回報告書の「個別のテーマの検討状況」でも取り上げられた内容になります。

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 1つ目の事例は、患者Bの氏名が記載してある薬を持った看護師が、患者Aを患者Bと思い込みました。
 そして患者Bの薬を見せながら「Bさんですね」とフルネームで声をかけました。患者Aが「はい」と返答したため、患者Bのフロセミド錠40mg1錠を内服させてしまったというものです。
 看護師はその直後、患者Aのネームバンドに記載した名前を見て、間違いに気づいたというものです。

 2つ目の事例は、看護師が、患者Bに睡眠薬を投与する際、患者Aを患者Bと思い込み、同性で同年代の患者Aの病室に行きました。
 看護師は、薬包の患者氏名とネームバンドの照合を行わず、患者Bの薬を患者Aの胃管より投与しました。
 その後、患者Aが舌根沈下を起こした際、看護師が患者Aのゴミ箱を見ると患者Bの氏名が記載された空の薬包があり、間違いに気付いたものです。

 医療機関の再発防止の取り組みとして、与薬時、薬包などの氏名とネームバンドを照合する、そして口頭で患者を確認する際も、患者に氏名を名乗ってもらうことが指摘されています。

 医療過誤訴訟でも与薬時だけでなく、手術時の患者取り違えによる深刻な事故が見受けられます。基本中の基本ですが徹底が必要な注意事項となります。

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2016.07.12

子宮頸がんワクチン被害者64人が集団訴訟へ、福岡地裁にも14人

 子宮頸がんワクチンによる被害者が東京、大阪、名古屋、福岡の各地裁に集団訴訟を提起することになりました。

 大阪・東京で弁護団が会見して情報を公開しました。

 提訴日は7月27日、原告数は64名(東京地裁28名、大阪地裁16名、名古屋地裁6名、福岡地裁14名)。
 慰謝料として一人当たり1500万円を請求します。

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 薬害C型肝炎訴訟の集団訴訟提起時は16名(東京地裁13名、大阪地裁3名)でしたし、ハンセン病違憲国賠訴訟も13名からのスタートでした。

 それに比較すると子宮頸がんワクチン問題は、非常に多くの原告が1次原告に加わったと言えます。

 「64名」という人数は、被害者連絡会によるこれまでの地道な活動の成果と言えますし、解決に向けた被害者の思いの強さがうかがえます。

 なお今後訴訟を継続しながら、随時、追加提訴を行っていくことになります。

 これに対して、厚生労働省は、「現段階では詳細を把握していないのでコメントできない。症状を訴える人たちに対しては引き続き寄り添った支援をしていきたい」とコメントしました。

 また子宮頸がんワクチンを製造販売する製薬企業のグラクソ・スミスクラインは「訴状の内容が分からない段階でコメントは差し控えたい」、MSDは「提訴が行われた場合、法廷で証拠を提出する」とそれぞれコメントしています(7月13日付けNHK)。

 東京訴訟の原告28人の平均年齢は18歳。11~16歳の時にワクチンを接種した後、車イスでの生活を余儀なくされるなどしたという。

 全国弁護団共同代表の水口真寿美弁護士は「裁判を通じて国と製薬企業の責任を明確にし、原告が安心して生活できるようにしたい」と話した。(7月12日付け共同通信)

 福岡 古賀克重法律事務所 弁護士 古賀克重

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«子宮頸がんワクチン推進意見に反論、被害者らが会見で訴え