国の準備書面をHPにあげたから(1)
原告本人尋問が3月23日に迫ってきました。その裏側で、被告国代理人の不誠実な態度が、原告らの怒りを買っています。本日の西日本新聞朝刊に大きく掲載されましたので、読まれた方も多いと思いますが、しばらく趣向をかえ、この問題点を通じて訟務検事のあり方などについて、意見を述べていきます。
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薬害肝炎訴訟では、第1回期日の進行協議において原告被告らで合意に至り、準備書面データについてメールに添付して交換してきました。その結果、平成15年の訴訟当初から現在に至るまで、当事者間において、準備書面等のデータ交換が実施されており、準備書面等を効率的に実施し、迅速な審理に資してきた経緯がありました。
ところが、本年2月15日に至り、被告国指定代理人である、福岡法務局の粟田真記子氏から私に対して電話連絡があり、「予期せぬ利用を防ぐため、今後は準備書面データ交換を停止したい」との一方的な申し入れがなされたのです。私が、粟田氏に対して、「予期せぬ利用」の具体的な意味を尋ねても、粟田氏は、「だから予期せぬ利用を防ぐためです!」とおうむ返しするだけであり、不誠実極まりない態度に終始しました。
そもそもこの運用は、当時の民事訴訟規則167条が大規模訴訟における準備書面の磁気ディスクとしての提出を求めうる規定を新設したことをふまえて、裁判所の示唆を受け、実施されてきたものでした。
この点、国(法務省)の訴訟担当部門が作成した手引書においても、「裁判所から準備書面等の内容を記録したフロッピーディスクの複製物を提出することを求められたときは、これに応じる」(「新民事訴訟法対応の手引き」・法務省訟務局・143頁)と明記されているのですから、被告国の今回の行為は、当事者間の合意のみならず、かかる内部的手引きの趣旨にさえ反するものです。
さらに、大規模訴訟の特則として設けられていた、この民事訴訟規則167条は、民事訴訟手続きのオンライン化を目指す法改正によって、民事訴訟規則3条の2として新設され、その対象が、大規模訴訟のみならず、民事訴訟一般にまで広げられるとともに、「磁気ディスクの複製物の提出を求めることができる」と限定されていた提出方法についても、「電磁的方法(情報通信の技術を利用する方法)であって裁判所の定めるものにより裁判所に提供することを求めることができる」とメール等も念頭に広げられたのです。
これは、行政府の情報化を目指す、被告国の平成6年12月閣議決定をふまえて、最高裁判所が、平成14年3月20日、訴訟手続きのIT化の積極的導入を計画したことの一貫として、平成16年4月1日からの施行に至ったものでした。
今回の被告国指定代理人の行為は、法律家同士の約束を一方的に破棄する意味で、信義に反するのみならず、被告国自身が目指している司法制度改革の流れにさえ著しく逆行するものであって、その意味でも到底容認できるものではないのです(以下、続く)。






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