「勝訴!」 判決要旨
本日6月21日午後1時15分、大阪地方裁判所は、薬害肝炎訴訟の大阪第一次原告に対し、被告三菱ウェルファーマ株式会社および被告国の責任を、一部認める判決を言い渡しました。
C型肝炎は、血液を介して感染する感染症であり、現在、日本におけるC型肝炎感染者数は250万人とも推定されています。そのほとんどは、血液行政・医療行政の誤りによってもたらされた医原性の被害に他なりません。
大阪訴訟判決は、この血液行政・医療行政の誤りについて国の責任を認めた事になります。
報告集会・記者会見終了後、早速三菱ウエルファーマへの要請行動を行いました。
「大阪判決を受けて」
薬害肝炎訴訟全国原告団代表 山口美智子
本日、大阪地方裁判所は原告側勝訴の判決を言い渡しました。
厚生労働大臣には、自らの判断で是正すべきを是正し、謝罪とともに原告が受けた被害の回復に努められますよう求めます。
解決の先送りは、原告を含む全ての肝炎患者の命をいたずらに脅かし、奪うこととなることに思いをいたされ、早急な解決をなされますようお願い申し上げます。 以上
薬害肝炎九州訴訟弁護団代表 八尋光秀
判決については、なお検討を要するが、国の責任を明確にした点で評価できる。
先のB型肝炎訴訟最高裁判決によれば、九州訴訟において、国の責任について、より踏み込んだ判断が期待できる。 以上
|
「判決に対する声明」
本日、全国5地裁に係属している薬害肝炎訴訟の初めての判決が大阪地方裁判所において言い渡された。薬害肝炎訴訟は、血液製剤の投与によりC型肝炎ウイルスに感染させられた原告らが国と製薬企業を被告として、有用性のない血液製剤の製造・販売を承認し、製造・販売を続けことが違法であるとしてその損害賠償を求めた訴訟である。
本判決においては、被告企業については、昭和60年8月、フィブリノゲン製剤の不活化処理方法の変更を行った行為を、被告国については、昭和62年4月、青森県での肝炎集団感染事例報告等がなされたにもかかわらず、非加熱フィブリノゲン製剤の適応から後天性低フィブリノゲン血症を除外せず、そればかりか加熱フィブリノゲン製剤の製造を極めて杜撰な手続で承認した点を、違法と認め断罪した。
他方、昭和39年、非加熱フィブリノゲン製剤の製造を承認した行為及び、昭和53年までに後天性低フィブリノゲン血症の適応を除外すべきであった点については、これを国家賠償法上の違法とまでは認めなかった。また、血液凝固第Ⅸ因子製剤については、判決は、一切の法的責任を認めなかった。
その理由は、損害賠償請求権の成立要件を極めて狭く解した結果であり、不当であるというほかない。
しかしながら、この被告国の責任を否定した部分についても、裁判所は、被告国の行政責任を厳しく断罪している。
昭和39年の承認時に関しては、「フィブリノゲン製剤の製造承認申請に当たり提出された臨床実験資料は、医薬品製造指針の要求する症例数の不足の疑いがあること、粗雑な資料があることなどから,ずさんと評価すべき点が多々含まれていたことは否定できない。」(判決書716頁)と断じている。
また、血液凝固第Ⅸ因子製剤についても、輸入承認申請資料には多々の問題点があり、杜撰といえるとも述べている(同1215頁)。
昭和53年までの被告国の対応についても、被告国がフィブリノゲン製剤を第1次再評価手続において再評価指定しなかったことを、「遅くとも昭和53年10月16日の再評価指定が行われるべきであったものであり、これを行わなかったことについて、合理的な理由があったとはいえない。」(同1038頁)とする。
さらに、アメリカFDAの承認取消し情報に際し、何の対応も取らなかったことについては、「厚生省は、海外情報を収集する手段があったにもかかわらず、上記FDAに関する貴重な情報を収集、検討しなかったものであり、医薬品の安全性を確保するという立場からは、ほど遠い、お粗末な面が認められ、その意識の欠如ぶりは非難されるべきである。」(同1040頁)とまで断罪している。
このような判決を前提とすれば、損害賠償責任を肯定した部分のみならず、責任を否定した判示部分からも、国は、医薬品評価の在り方について、重大な反省を迫られている。
被告国と被告製薬企業は、本判決で指弾された法的責任に基づき薬害によってC型肝炎に罹患した患者を救済しなければならないことはもちろん,全国に300万人とも350万人ともいわれるウイルス性肝炎患者の被害回復のために治療体制の確立等の恒久対策の拡充を一刻も早く実現すべきである。 以上
薬害肝炎訴訟全国原告団/薬害肝炎訴訟全国弁護団
|
「薬害肝炎訴訟大阪地裁判決についての日弁連会長談話」
本日、大阪地方裁判所において、全国5地裁(仙台、東京、名古屋、大阪、福岡)に係属している「薬害肝炎訴訟」の初めての判決が下された。
本日の判決は、厚生大臣(当時)の行為の違法性について、血液製剤であるフィブリノゲン製剤の1987(昭和62)年の製造承認につき、「厚生大臣は、より一層の慎重な調査、検討をするどころか、非加熱製剤を加熱製剤に切り替えさせるという方針を立て、あらかじめ申請及び承認時期を定めた上で、極めて短期間に、いわば結論ありきの製造承認を行ったものであるから、安全確保に対する意識や配慮に著しく欠けていたといわなければならない」などと指摘して、原告5人の国に対する損害賠償請求を認容した。
当連合会は、サリドマイド、スモン、薬害エイズなど、わが国において間断なく続く医薬品による被害の発生をふまえ、医薬品の安全に関する行政に対して繰り返し意見を表明してきており、1998(平成10)年の第41回人権擁護大会においては、「医薬品被害の防止と被害者救済のための制度の確立を求める決議」を採択したところである。
同決議においては、国が、医薬品安全性確保義務を怠り、市場に出回った医薬品の危険性に関する情報を軽視してきたことなど、国による医薬品被害防止システムに構造的な欠陥が存在することを指摘したうえ、医薬品の安全性・有用性に関する情報を知る権利を具体化させるためのシステムを整備することなどを提言している。
本日の判決は、国がフィブリノゲン製剤の危険性に関する情報を軽視した結果、原告らが「何らの落ち度がないにもかかわらず、C型肝炎ウイルスに感染し、その結果、深刻な被害を受けるに至った」ことを認めるとともに、治療を受けることの困難性や、社会の理解が不十分であることによる不利益を被っていることをも指摘している。
当連合会は、本日の判決を契機として、国が、上記の当連合会の提言を実現するよう改めて強く求めるとともに、より広く被害者が救済されるような施策を速やかに実施するよう要望するものである。 以上
日本弁護士連合会 会長 平山正剛
|
2006/06/21付 西日本新聞夕刊より
・判決に明暗 笑顔なく 静まり返る法廷 ・「九州で全面勝訴を」 福岡の原告団
・国に責任 原告13人中5人 4人は企業のみ
Comments
迅速な対応をありがとうございます。
仕事をしながら気になってソワソワしていましたが、
判決要旨も併せて載せていただき、本当にありがたいです。
Posted by: 東京原告家族 | 2006.06.21 at 14:49