薬害肝炎名古屋訴訟
本日7月31日(火)14時、名古屋地方裁判所において、薬害肝炎訴訟「名古屋判決」が言い渡されました。
昨年6月21日の大阪判決、8月30日の福岡判決、そして今年3月23日の東京判決に続いて4地裁目です。言い渡し前の名古屋地方裁判所にも多数の支援者・学生さんが駆けつけました。
初めて線引きなしの全面勝訴判決です(9名中1名が棄却されましたが線引きではなく、輸血の先行投与によって既に肝炎に感染していたとして因果関係が認められなかったレアケース)。
クリスマシンについても初めて国の責任を認めました。さらに日本製薬の製造販売していたPPSBニチヤクについても初めての責任が認められました。しかも、名古屋判決は、1976年12月のクリスマシン製造承認時の違法を認めたので、同製剤による被害者に対する責任は全面的に認められることとなります。
例えば、福岡判決では責任を否定された九州原告福田衣里子さんは1980年投与。名古屋判決の枠組ですと福田さんに対する投与についても国の法的責任が認められます。
フィブリノゲンについて名古屋判決は、1976年の「フィブリノゲン-ミドリ」の承認(名称変更)時において、違法と判断。この判断は、1964年の承認時点より重大な副作用があったこと、適応範囲を超えて使用される危険性が高いことを認めたうえ、承認にあたっては、危険性を添付文書に明確に記載しなければならないことを理由としたものです。
この名古屋判決の論理では、同判決が1964年時点で既に重大な副作用が存することも認定している以上、1964年の承認時から国の責任が認められると考えられます。
名古屋判決は、必要不可欠な場合以外には使用すべきではないことを添付文書等で警告すべきとした上で、原告らはいずれも必要不可欠でないにもかかわらず使用されたと認定しました。
この点、厚生労働省は、原告らは本件製剤(特にフィブリノゲン製剤)は原告らの命を救うために必要であったと主張していますが、名古屋判決はこの厚生労働省の主張を明確に否定したものです。
なお、名古屋判決は、厚生省の体質について、「ミドリ十字が、・・・患者の安全確保をおろそかにする行動に出た背景には、厚生省薬務局のミドリ十字に対する上記の不適正な対応(旧ミドリ十字がウイルス不活化処理法を変更したにもかかわらず、必要な承認等の手続をとるように指導しなかったこと)があったものとみるべきであり、これがミドリ十字の上記行動を誘発ないし助長した面があることは否定できないというべきであって、上記厚生省の対応は、医薬品を使用する患者の安全確保を図るという厚生行政の基本的責務に反したものとして、非難を免れることはできない」と、厳しく糾弾しています(判決文・295頁)。
九州原告の山口さん・福田さん他、全国の原告の皆さんも満面の笑み。
15時からは桜華会館4階松の間で、「名古屋判決」報告集会が行われています。支援者・学生さんで満員の会場で、名古屋訴訟の実名公表原告・金田さんが「本当にうれしい。初めての線引きなしに国・企業の責任を認めてくれました。この判決が出た以上、国は速やかに話し合いのテーブルに座って欲しい。」と訴え、大きな拍手を受けました。
そして、福岡でも16時から、実名公表原告の小林邦丘さん・4番さん・5番さんが記者会見を行いました。
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本判決は、投与製剤の種類・時期を問わず、国と企業の法的加害責任を認め、全員救済への道を開いた画期的判決である。 |






Comments
懸命かつ献身的な活動に感じ入っています。
鈴木弁護団代表からは、大筋の情報をうかがってきていますが、このブログを通じて情報の詳細が入手できています。
現在、東京訴訟判決についての解説を判例時報に掲載すべく、原稿執筆中です。
なお、名古屋地裁判決の判示部分がアップ・ロードされていますが、ファイルが潰れているようで、ダウン・ロードできません。修繕していただくと幸いです。
全面解決が早期に成るよう期待しています。
明治大学 新美育文
Posted by: 新美 育文 | 2007.08.13 at 11:55
明治大学 新美育文先生
お世話になります。名古屋判決の判示部分ですが、確認しましたところダウンロードできるようです(かなりファイルが重たいため、通信速度によってはなかなかダウンロードしにくいこともあるようです)。
なお、本サイトのメールフォームからメールを頂きましたら、当方から先生宛にファイル添付して送信することも可能です。
よろしくお願い致します。
Posted by: 古賀 | 2007.08.13 at 13:07