肝炎、インターフェロン治療費助成が開始
薬害肝炎全国原告団弁護団が求め続けてきた肝炎インターフェロン治療の助成が本日平成20年4月1日から開始します。対象者は、B型肝炎C型肝炎の患者一般であり、薬害被害者であることを問いません。
手続きは、まず、患者さんが最寄りの保健所に必要書類とともに申請書を提出することから始まります。申請書は保健所に備え付けられるとともに医療機関にも配布されます。「必要書類」としては、医師の診断書、住民票、課税証明書等があります。住民票、課税証明書は原本を提出する必要がありますのでご注意ください。
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申請書を受領した保健所は、県に資料を提出します。県は認定のための審査を行い「受給者証」を交付します。
患者さんは、この「受給者証」と「自己負担上限額管理表」(これも交付されます)を医療機関に持参の上、受診して定められた自己負担額のみを支払うことになります。
当該治療を行うために必要な初診料、再診料、検査料、入院料等が助成の対象です(保険対象外の差額ベッド代などは対象ではありません)。
受給者証の交付には時間がかかることが予想されます(県によっては2か月から3か月)が、申請日の月に遡って助成がありますので、治療を開始する月に申請しておくことが大事です。ただし、申請月から受給者証が手元に届くまでの治療費は患者さんの立て替え払いとなり、後日払い戻しの手続きが必要です。領収書等は必ず保管しておいてください。
今回の助成内容は、助成内容、年収の算定方法、対象となる医療、助成期間など問題が山積みです。
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従来月7~8万円(年額約80万円)だったインターフェロン治療の自己負担額を若干軽減しているとはいえ、まだまだ重たい負担です。民主党が求めていた自己負担額(0円~2万円)にはほど遠く、与党・民主党で協議するとしながら、実質的な議論は何も行われませんでした。ねじれ国会のひずみは、世情騒がしている暫定税率だけではなく肝炎治療にも大きな影響を与えています。
しかもこの収入は世帯毎に審査します。例えば、年金生活をしている肝炎患者のお父さんが、会社員の息子夫婦と同居している場合を考えてみましょう。お父さんの収入だけですと自己負担額は1万円になりそうです。ところが会社員の息子夫婦の収入まで審査対象とされますから、結局自己負担額は3万、5万と上がりかねません。実際の家庭では、息子さんも生活に追われ、お父さんの治療費援助までなかなか手が回りません。お父さんとしても、息子夫婦の生活や孫のことを考えると治療費援助まで言い出せません。このように、申請者と同一世帯に属する者の収入まで審査する方法は、治療費援助を骨抜きにするものであり極めて問題です。九州沖縄山口の全県で実施した薬害肝炎救済法の説明会でも、「これじゃあ、助成の意味がないよ」と大きな疑問の声が既に出ています。
なお、当初の国の案は、年収450万円以下が自己負担1万、450万から750万が自己負担3万、750万を超える場合に5万とされていました。ところが、最終的には市県民税の課税額を基準とすることになったため、分かりにくくなっています。また、税源委譲で市県民税の課税額が上がっていますから、その意味でも自己負担額は増えるのではないかと予想されます。
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さらに問題なのは、肝がんがある方には助成しない点とインターフェロンの少量長期投与を対象としない点です。インターフェロンの少量長期投与は、ウイルス除去を目的とせずに肝炎の進行を抑えること等を目的に行われます。この少量長期投与を対象としないことによって、助成を受けられない患者さんはかなりの数にのぼります。やはり各地の説明会で、少量長期投与を勧められている重篤な肝炎患者さんから「私は見殺しでしょうか」と悲痛な訴えが出されました。
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しかもこの助成は1患者につき1年だけです。例えば、7か月間インターフェロン治療を行ったものの、副作用でやめざるを得なかったとします。あらためてインターフェロン治療に挑戦しても、助成されるのは残りの5か月(12か月-既に治療している7か月)のみとされてしまいます。しかも受給者証の有効期間は申請した月の初日から1年間のみです。これでは事実上1回のみの助成ということになりそうです。
このように今回の肝炎治療費助成は様々な問題点を抱えています。さらに使い勝手の良い助成制度にするためには、患者さんお一人お一人が不満の声を上げ、その声を国に届けていくことが必要です。薬害肝炎全国原告団弁護団も、全国の患者会の皆さんと連携しながら、国との基本合意で勝ち取った「定期協議」の場において肝炎の治療体制の問題点を追及していきます。
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Comments
初めまして。わかりやすいご説明ありがとうございます。
福田さんのブログより来ました。
私は福田さんの母校の後輩でありまして、自身、2ヶ月前にC型肝炎と診断されたばかりの肝炎新米のものです。
医療費助成のことも何も知らず、福田さんから教えていただきました。
肝炎の原因は不明ですが、インターフェロン治療をするかどうかもまだ決まっておらず、今は経過観察中です。
しかし、医療費助成のことに関してはすごく気になっていたので、本当に勉強になりました。
ありがとうございました。
Posted by: 新米です | 2008.04.03 at 20:49