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2009.01.10

産科医療補償制度と医療過誤

 産科医療補償制度が平成21年1月からスタートしました。同制度は、出産の際に出生児が重度脳性麻痺になった場合、医療機関・医師の過失の有無を問わず、3000万円の補償金が支払われる制度です。
 制度の概要は以下の通りです。

 補償対象は、
 1 出生体重が2000グラム以上かつ在胎週数33週以上
 2 身体障害者1級か2級相当の重症児

 以下の個別審査で補償の対象になることもあります。
 1低酸素状況が持続して臍帯動脈血中の代謝性アシドーシス(酸性血症)の所見が認められる場合(pH値が7・1未満)
 2 胎児心拍数モニターにおいて特に異常のなかった症例で、通常、前兆となるような低酸素状況が、例えば前置胎盤、常位胎盤早期剥離、子宮破裂、子癇、臍帯脱出等によって起こり引き続き、次のア~ウのいずれかの胎児心拍数パターンが認められ、かつ、心拍数基線細変動の消失が認められる場合
 ア 突発性で持続する徐脈
 イ 子宮収縮の50%以上に出現する遅発一過性徐脈
 ウ 子宮収縮の50%以上に出現する変動一過性徐脈

 補償金額は、600万円の一時金と20年に渡り毎年120万円を支払うものです。
 なお、平成21年1月1日以降の出産が対象ですが、当該医療機関が制度に加入していないと支払われません。

 産科医療補償制度の導入で医療過誤訴訟の抑制になることを期待しているようです。しかし、出生児が障害者1級、2級相当の障害を負えば、その損害は3000万円を優に超えます。したがって、産科医療補償制度にて補償金を受領しても、それとは別に、医療機関側の過失を立証して、3000万円を超える損害について、賠償請求(示談・訴訟)することは当然認められますから、医療過誤訴訟の抑制になるとは思われません。

 同制度の目的としては、不幸にも重度脳性麻痺を負担した家族の救済こそ第一の目的に位置づけなければなりません。
 そのためには、同制度に加入する医療機関を増やすことにくわえ、補償対象が、1級か2級に限定されているのは見直しの余地があります。
 そして、個別審査においては、患者家族救済の視点での運用がのぞまれるといえるでしょう。

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今月(平成21年1月)からはじまった産科医療補償制度について、少し書いてみたいと思います。 新聞などで少し記事になっていますが、分娩に関連して発症した脳性麻痺について、産科医の過失の有無を問わずに、補償する制度です。 産科医の過失の有無は問いませんが、分娩に関... [Read More]

Tracked on 2009.01.18 at 18:24

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