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2009.05.29

厚生労働省分割を巡る一こま

 麻生総理が、厚生労働省分割・再編を断念しました。ことの発端は、政府の肝いりで有識者を選任して開催されている安心社会実現会議。
 この会議で、読売新聞グループ会長の渡辺恒雄氏が持ち出した厚生労働省分割の提案に、麻生総理が飛びついた形で話が急浮上したものです。
 ところが、厚生労働省はもとより、政府内、野党、世論からも反発を受けて、麻生総理は、あっさりと断念を表明したという経緯です。

 28日夜開催された安心社会実現会議で、有識者として選任されていた薬害肝炎全国原告団代表の山口美智子さんが、「衆議院選挙のためのパフォーマンスだとの思惑が広がり残念」と発現すると、渡辺会長が「取り消せ。無礼だ」と反発したと各紙で取り上げられていました。
 山口さんがパフォーマンスと指摘したのは、渡辺会長の「提案」に乗って右往左往した「政治の対応」であるにもかかわらず、それに対して、渡辺会長が、「怒声」(5月29日付け毎日新聞)をあげて、「会議は一時険悪な雰囲気に包まれ」(同日日経新聞)るまで感情的に反発するのも、なんだかよく分かりません。

 厚生労働省(厚生省)の違法行為によって薬害被害にあった山口さんが、国民の目線、消費者の目線、被害者の目線で率直な思いを吐露した言葉に共感を覚える人が多かったのではないでしょうか。

 この日の会合では、委員の山口美智子・薬害肝炎全国原告団代表(福岡市)が「一委員が提言された分割再編が報道され、衆院選のためのパフォーマンスとの思惑が広まり残念」と発言。「国民は党利党略に嫌気が差している。国民の公僕としての本来の政治を取り戻してほしい」と述べた。
 これに対し、隣に座っていた渡辺氏が反論。「何か選挙目当てのうんぬんというようなね、汚いことを言われたけども、そういうこと言ってんじゃない」「党利党略も選挙もヘチマもない。取り消して頂きたい!無礼だ」などと激怒した。・・首相は無言で苦笑いを浮かべていた(西日本新聞5月29日朝刊)

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2009.05.28

磯崎新の選んだ「水俣メモリアル」

 水俣湾を見下ろす丘に、戦後最大の公害被害とも言われる水俣病の犠牲者の慰霊碑、「水俣メモリアル」が設置されています。慰霊碑といっても通常よく見受けられるような碑ではありません。ステンレスの球が108個置かれ、海との間には透明のガラス板が置かれ、水俣湾を映し出す・・・一度目にしたら忘れることのできない、そんな特徴的なモニュメントです。

 存在は知っていましたが、国際コンペが行われたこと、作者がジュセッペ・バローネという無名のイタリアの建築家であること、このコンペの審査を行ったのが磯崎新氏だったことは知りませんでした。
 日経新聞に連載中の「私の履歴書」が今磯崎氏を取り上げており、このエピソードを知ったわけです。

 磯崎氏は、丹下健三研究室を出た世界的に著名な建築家。大分出身ということもあり、福岡・北九州を含め九州各地にも様々な印象的なデザインの建築物を残しています。

 その磯崎氏は次のように述べています。

 審査を打診された時、私は二つのことを申し上げた。「モニュメント」という名称をメモリアルと呼びかえてほしい。悲惨な歴史を刻むのに、戦勝を祝い、国威を誇示するために使われる名はふさわしくない。

 いま私たちが生きる世界は、祝ったり記念したりすることができない事象であふれている。建築は社会的悲惨や受難の記憶を伝える装置となりえるのか。回答が求められている。

 日が暮れて水俣湾に夕闇が迫るころ、108個の円球は夕暮れ沈み行く太陽の光を反射して、水俣病被害者の魂のように揺れて輝きます。
 水俣メモリアルは水俣病の悲惨さ、そして今も政治に翻弄され最終解決が見通せない水俣病被害者の受難を我々に伝え続けているようです。

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2009.05.27

裁判員裁判(模擬裁判)の成果と課題

 裁判員裁判が開始しました。弁護士会・裁判所・検察庁は、全国で500回以上の模擬裁判、240回以上の模擬選任手続きを行ってきました。
 しかし実際の裁判員裁判では様々な問題が噴出するでしょうし、法曹3者に対する「不満、幻滅、失望」も広がるでしょう。
 いずれにしろ確実に出る「不満・幻滅・失望」をどのように解消していくかが、裁判員制度「存続」の鍵と思われます。

 この点、最高裁判所事務総局刑事局がまとめた「模擬裁判の成果と課題」(判例タイムズ1287号8頁)が、現時点の問題点をうまくまとめており参考になります。50頁弱ですが、マスコミの方も読んでおくと報道する際のヒントになるのではないでしょうか。
 例えば下記のような感じです。
 

 弁護人において、被告人の犯人性を争う根拠として、被告人の善性格を主張しようとした例もあったが、このような主張を許容するとなれば、検察官による被告人の悪性格の立証を認めることにも繋がりかねないこともあり、相当ではない場合もあり得ると思われる(12頁)

 直接主義・口頭主義の観点からも・・立証は基本的には人証によって行われることが中心になろう・・(しかし)例えば・・被害者の受傷状況は、殺意の有無を判断するに当たって重要な事柄であるが、写真を用いないとすれば、裁判員が、的確な心証を取ることは困難と思われる。各地で行われた模擬裁判でも「被害者の傷の状況について医者の供述調書のみによる立証となったため、傷の箇所のイメージをつかむことができなかった」との報告がなされている(14頁)。

 各地で行われた模擬裁判でも、「裁判員からは、当事者の主張立証の中には判決の結論にどのように影響するのか不明なものも多かった、裁判所は判断すべき争点をもっと絞って欲しいなどの意見がでた」との報告が多くなされている(15頁)。

 裁判員にメモを含めた資料の持ち帰りを認めるかという問題もある。・・配布資料やメモ等には関係者のプライバシーに係わる事項のほか、裁判員の心証や評議の内容が記載されることも考えられるところであり、・・資料の持ち帰りについては慎重である必要があろう(20頁)。

 プレゼンテーションソフトの使用については裁判員役は、概ね、分かりやすいとの感想を述べているが、冒頭陳述はあくまで証拠に基づくものでなければならず、例えば、再現ビデオ的なアニメーションを用いることは、あたかも主張の場である冒頭陳述で立証がなされるようなイメージをもたれ易く、事後の立証との関係からして相当でない場合もあろう。・・プレゼンテーションソフトの画面と話者とが離れた位置にある場合、視点を一点に集中させにくいなどの感想が述べられることがあり・・(22頁)。

 模擬裁判において、尋問がポイントを絞ったものになっていなかった場合、裁判員役からは、「何を聴きたかったのか分からなかった。」との感想が述べられることが相当にあった(24頁)。

 模擬裁判では、裁判員役から、被告人が反省していることは有利な事情として考えるべきではないとの意見が述べられたことがある。被告人質問等に際して、このような意見を裁判員が有していることを感得した場合は、弁護人としても、そうした意見に対しては、弁論の中で特別予防の観点からの的確な説明をするなどの工夫をすることになろう(28頁)。

 左陪席については、もっと裁判員と随時会話をし、その疑問に答え、あるいは注意を喚起するという非定型的な接触を図ってもよいであろうし、それに右陪席が随時加わっても差し支えないものと思われる。なお、模擬裁判では、左陪席が評議で出された発言の内容をパソコンに入力することに専念しすぎてしまい、裁判員役から裁判官の在り方としていかがなものかとの疑問が呈されたことがある。・・左陪席をこうした「書き役」と位置づけることは相当でないと思われる(37頁)。

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2009.05.26

原爆症認定集団訴訟の全面解決

 原爆症認定集団訴訟は、5月28日に予定されている東京高裁判決が注目されています。原爆症対策に関する与党プロジェクトチーム(いわゆる与党PT)が、28日の東京高裁判決を機に、原告の全員救済と認定基準の再改訂を政府に求める勧告案をまとめているからです。

 そもそも原爆症認定集団訴訟はどのような経過をたどっているのでしょうか。
 「原爆症」と認定されるためには、被爆者が厚生労働省に申請して、病気が原爆放射線の影響に基づくものであること(放射線起因性)等の要件を満たしていると認められる必要があります。認定されなかった被爆者は、却下処分の取消を求めて訴訟を提起するほかありません。

 2000年7月の長崎訴訟最高裁判決が、「機械的な運用では被爆の実態を十分に説明できない」と批判したため、従来の認定基準の変更を迫られた厚生労働省は2001年5月25日、「科学的な基準に改める」として「原爆症認定に関する審査の方針」を導入します。ところが、この「審査の方針」が導入された2001年の原爆症認定率は、30パーセントを切り、その後も、2002年19パーセント、2003年24パーセントと推移し、いわば認定申請者の4人に3人が切り捨てられる事態が発生したのです。

 そこで、認定制度を変えていくことを目指し、7名の被爆者が2003年4月、札幌、名古屋、長崎の各地方裁判所に訴訟を提起し、ここに原爆症の集団訴訟が開始しました。
 その後も全国各地で集団訴訟が提訴され、原告は、13地裁、7高裁、1最高裁、合計279名(2009年3月末現在、日本被団協調べ)となっています。

 原爆症集団訴訟初の判決となった2006年5月12日大阪地裁判決(原爆症近畿判決)は、原告9名全員について、却下処分の取消請求を認容しました。
 国は2008年4月、原爆症認定の審査基準を改め、がんや白血病など5つの疾病のいずれかを発症した場合には、原爆症と認定するようになりました。しかし一方で、肝機能障害、甲状腺機能低下症などについては、要件にしておらず、今も被爆者が訴訟を継続しているわけです。

 原爆が広島と長崎に投下されてから既に60年以上がたった今も、全国の被爆者が、厚生労働省の認定基準の見直し、被爆者援護対策の一括解決などを求め、裁判所で争わざるを得ない状況は異常というほかありません。世界唯一の被爆国である国には、原爆症問題の早期全面解決に向けた真摯な努力、迅速な対応が求められているというべきです。

 東京高裁判決の結果がどうであれば、国は、肝機能障害や甲状腺機能障害を追加するなど、幅広く被爆者を救済する枠組みを、しかも直ちに作るべきです。仮に、政府が選挙向けに「検討に着手する」と打ち上げただけで、解決を先送りするのであれば誰も納得しないでしょう。今われわれ国民が政治に求めているのは、耳障りのいい「言葉」や「キャッチフレーズ」ではなく、「行動」なのですから。

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2009.05.25

医療ADR福岡

 福岡県弁護士会は、年内にも医療ADRを設置するため、準備を進めています。
 「ADR」とは、Alternative Dispute Resolution、直訳すると、代替的な紛争解決になりますが、裁判外紛争解決と訳されています。

 ADR法が2004年11月に成立し、2007年4月1日に施行され、最近注目されているADRですが、裁判所の「調停」や交通事故紛争処理センターなどもADRですから、「古くて新しい問題」(和田仁孝「新しいADRの世界をみる」(法学セミナー631号、2007年)16頁)ということができます。

そして、医事紛争、医療事故においても、裁判以外の解決ができないか、そういう視点で注目されているのが「医療ADR」になるわけです。

「医療ADR」は、(1)裁判所主導によるパネル方式(アメリカ型)、(2)民間=医師会主導による仲裁・鑑定方式(ドイツ型)、(3)行政機関主導による仲裁・鑑定方式(フランス型)が代表的と言われています(植木哲『医療の法律学・第3版』(有斐閣、2007年)72頁)。

弁護士会に設置する医療ADRは、(2)の民間型に含まれると言えるでしょう。
 この民間型医療ADRの取組としては、茨城県医療問題中立処理委員会の活動があげられますが、医師会内部における斡旋・調停機関としての制約(批判)は払拭されていないとの指摘もあります(植木哲「医療ADR機関設立の試み-千葉県の場合」(判例タイムズ1271号、2008年)47頁)。

つまり、医療ADRがその機能を果たすためには、「中立性」をいかに実現するかがまず問題になるわけです。弁護士会に設置する医療ADRにおいても、患者側で医療過誤を扱う弁護士、医療機関側で医療過誤を扱う弁護士、さらに、裁判官・学者経験者の弁護士を仲裁人に選任するなど、その中立性の確保に力を注いでいます。

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2009.05.22

新型インフルエンザ報道・対策に関する緊急アピール

 新型インフルエンザに関する報道が紙面、画面に流れないことはない昨今です。新型インフルエンザが現時点で弱毒性であると指摘されていることからすると、各県で患者が出るたびに右往左往する報道は、首を傾げざるを得なく思っている方も少なくないのではないでしょうか。
 九州薬害HIV原告団・弁護団が5月21日、緊急アピールを発表しました。

 「新型インフルエンザ対策 及び 報道に関する 緊急アピール」

 4月末にメキシコでの豚インフルエンザ発生が報じられて以来、厚生労働省及び自治体はインフルエンザ対策に奔走し、マス・メディアは連日のようにこのニュースを大々的に取り上げています。5月9日には、日本における最初の感染者が確認され、18日には兵庫、大阪の2府県で計2664校の休校が決定されたと報じられています。

 私たちは、このような行政やマス・メディアの対応をみるにつけ、1980年代後半のエイズ・パニックを思い起こさざるを得ません。
 感染の恐怖を煽ることを感染症対策の柱とした行政と、それに無批判に乗ったマスコミの過剰報道により、感染者たちは、職場や学校から排除され、医療からさえも拒まれました。1989年にはエイズ予防法が成立し、圧倒的多数の感染者は、感染の事実を誰にも告げることができず、社会からの孤立を強いられました。この状況は、いまもなお続いています。この時期に社会を席巻したHIV感染者に対する差別・偏見は、いまもなお日本社会に根深く残っているのです。
 同様のことは、ハンセン病問題にも言えるはずです。
 1996年に成立した感染症予防法が、その前文で、「我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。/このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている」と謳っているのは、このような過去の感染症対策に対する反省があったはずです。

 ところが、今回の新型インフルエンザに対する行政、マスコミの対応には、そのような過去の感染症対策に対する反省が全く活かされていません。
 感染者は、何よりもまず「治療を必要としている患者」として扱われるべきであり、「社会防衛の対象となる感染源」として扱われるべきではありません。感染源としての扱いは、感染者が医療にアクセスすることを妨げ、結果的には感染者の潜伏に繋がります。感染者の人権に配慮しない感染症対策は、感染症予防策としても拙劣です。
 私たちは、行政担当者及びマス・メディアの方々に、過去の感染症対策の反省と、新型インフルエンザの感染力・毒力の正確な評価に基づいた冷静な対応を強く求めるものです。

 九州薬害HIV訴訟原告団 / 九州薬害HIV訴訟弁護団
 連絡先: ちくし法律事務所 092-925-4119

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2009.05.21

公文書管理法が今国会成立へ

 公文書の保存・公開のルールを定める公文書管理法について、自民・民主両党が5月20日、今国会で成立させることで合意したようです。
 薬害肝炎問題でフィブリノゲン投与によって非A非B型肝炎ないし急性肝炎に感染した患者418名のリストを、厚生省(厚生労働省)は20年以上も公開せず放置していました。皮肉にもこの418リスト問題が、薬害肝炎問題の全面解決への機運を作ったわけですが、公文書管理法はこのような事態の再発防止を図れるものでなければ意味がありません。

 まず、この法案の目的として、公文書が「国民共有の知的資源」であると明記し、「主権者である国民が主体的に利用すべきもの」とする点、つまり、総論部分は評価できると思います。

 しかし、大事な各論、例えば、対象となる「公文書」の範囲について、「参考資料、打ち合わせメモ、覚書なども極力保存する方向」といいますが、法案の表現・運用次第では骨抜きになりかねません。政策決定過程にかかわるこれら文書の保存・公開こそ、重要になるわけです。

 例えば、薬害肝炎では、1987年、非加熱フィブリノゲン製剤による集団感染が発覚・報道された後、厚生省担当者は、「フィブリノーゲン製剤の取扱について(案)」と題して、厚生省の名前の入ったメモ用紙に手書きで、「フィブリノーゲン製剤については、肝炎ウイルスに対して完全な安全性が確保されているとは言い難く」、「加熱製剤の承認申請は4月20日を予定しており・・4月30日に審議を行い同日付けで承認する」、「FDAでアウトになっている、有効性に問題あり」、「本剤については外国ではほとんど使用されていないことから、医療上の必要性をミドリに再検討させ将来的には使用の縮小の方向に持っていく」など記載していました。
 このようなメモこそ、当時の厚生省の政策決定にかかる重要な資料として保存・公開の必要が高いわけです。
 今後、議論される具体的な修正法案の中身を注視したいと思います。

  公文書管理法案の概要、要綱、法律案及び理由など

  公文書管理の在り方等に関する有識者会議(中間報告、最終報告)

  公文書管理法案の修正等を求める意見書(日弁連)

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2009.05.20

平成21年度検証会議

 平成21年度初回の検証会議が、以下の日程で行われます。傍聴希望者は、厚生労働省の告知に従い、25日(月)までに事前の傍聴申込みが必要です。

「平成21年度検証会議」
 5月27日(水) 16時~18時 厚生労働省省議室にて

 なお、第1回から第12回までの会議資料及び議事録、第一次提言は、厚生労働省サイトからダウンロードできます。
 次次回の検証会議は、6月25日午後3時~5時の予定です。

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2009.05.19

医療事故・医療安全に関するシンポジウム一覧

 5月は、医療事故・医療安全に関するシンポジウムが目白押しです。

[東京]
 ・5月19日(火) 午後4~6時
 日本医療機能評価機構大会議室
 産科医療補償制度原因分析委員会 仮想事例に基づく模擬原因分析
 仮想事例における原因分析報告書について(傍聴申込みは締め切られています)

 ・5月23日(土) 午後1時~4時半
 日本記者クラブ(東京内幸町)10階大会議室
 NPO日本医学ジャーナリスト協会主催公開シンポジウム
 「医学ジャーナリストを問う-衰退する検証力と発信力-」
 参加費:無料(定員250人)
 パネリスト ・秋元秀俊(ジャーナリスト,編集者)
 ・阿部文彦(読売新聞社会保障部記者) ・瀬尾隆(翻訳・医療ジャーナリスト)
 ・田中秀一(読売新聞医療情報部部長) ・田辺功(医療ジャーナリスト,元朝日新聞編集委員)
 ・鳥集徹(ジャーナリスト) ・中村雅美(日経新聞編集委員)
 ・松村満美子(ジャーナリスト,腎臓サポート協会理事長)
 モデレーター ・水巻中正(国際医療福祉大学大学院教授,元読売新聞社会保障部長)

 ・5月30日(土) 9:30~16:15
 日本教育会館(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)
 医療安全全国フォーラム 「医療安全の実現をめざす8つの行動目標を達成しましょう」
 主催 ・医療安全全国共同行動推進会議、
 ・医療の質・安全学会 ・日本病院団体協議会
 ・日本医師会 ・日本歯科医師会 ・日本看護協会 ・日本臨床工学技士会
 参加費:3000円(学生500円)

 ・5月31日(日) 1:00~4:30
 港区高輪区民センター区民ホール
 安全を考えるシンポジウム 独立した事故調査機関の設立を求めて・・
    ~事故の原因究明なくして,真の再発防止なし~
 参加費:500円(資料代)
 主催:赤とんぼの会
 予定者 ・ノンフィクション作家(柳田邦男) ・明治大学理工学部教授(向殿政男)
 ・鉄道安全推進会議事務局長(佐藤健宗) ・元東京大学法学部COE特任研究員(中島貴子)
 ・医療問題弁護団(木下正一郎) ・エレベーター事件弁護団(前川雄司)
 コーディネーター ・中村雅人

[名古屋]
 ・5月30日(土)
 医療事故情報センター総会シンポジウム
 「院内メディエーターのあり方について考える」
 厚労省が医療機関と患者双方の対話をサポートする「院内相談員」の養成研修に補助金を支給する事業を開始し、対話自立型ADRと連動して「医療メディエーター」を養成する動きが広がっていることから、とのテーマでシンポジウムを行うこととなりました。
 シンポジスト ・稲葉一人(中京大) ・岡本左和子(東京医科歯科大)
 ・豊田郁子(新葛飾病院) ・和田仁孝(早大) ・佐原康之(厚労省)

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2009.05.14

B型肝炎訴訟・最高裁判決勝利3周年集会

 最高裁平成18年6月16日判決(判例時報1941号28頁)が、札幌B型肝炎原告5名を全員救済する判断を示してから、既に3年が経過しようとしています。札幌B型肝炎訴訟が一審から17年の闘いでしたから、20年目を迎えることになります。
 原審札幌高裁は、予防接種と原告らのB型肝炎感染の因果関係を認めたものの、2名については、提訴時に除斥期間が経過しているとして、原告の請求を棄却していました。
 因果関係について国が上告を、除斥期間について原告が上告をしていたものです。
 これに対して、最高裁は、集団予防接種とB型肝炎ウイルス感染との間の因果関係を認め国の上告を棄却しました。そして、除斥期間については、筑豊じん肺最高裁判決の理論に従い、遅発性の損害であることを理由に起算点として損害発生時説を採用して、「損害の性質上、加害行為が終了してから相当期間が経過した後に損害が発生する場合には、当該損害の全部又は一部が発生した時が除斥期間の起算点となる」と判断して原審を破棄し、原告全員を救済したものです。

 このように、最高裁が明確な判断を示しているにもかかわらず、厚生労働省は、予防接種によるB型肝炎被害者の全面救済に踏み出しません。
 その現状をふまえて、「すべての被害者に対する被害回復を!すべての患者に対する治療体制の確立を!もう待てない!」とのキャッチフレーズで集会が開催されるものです。

B型肝炎訴訟・最高裁判決勝利3周年集会

日時:5月27日(水)午後6時30分
場所:日本教育会館8階 第一会議室(地下鉄神保町駅A1出口徒歩3分 地下鉄竹橋駅徒歩5分)
内容:歌手でB型肝炎でもある石川ひとみさんの記念講演他
主催:全国B型肝炎訴訟全国原告団・弁護団

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2009.05.13

公文書管理フォーラム

 政府が国会に提出した公文書管理法案は、行政裁量による文書廃棄がかえって認められる余地があるなど、疑問が呈されています(原科幸彦東京工業大学教授「公文書管理法案 行政裁量の文書廃棄許すな」(2009年5月13日付け朝日新聞『私の視点』))。

 公文書管理法案の概要、要綱、法律案及び理由など

 第2回 公文書管理フォーラム
 「市民のための公文書管理 ―国会審議に向けて―」

 市民の知る権利を確保し、国の機関や地方公共団体等の透明性を実現するためには、情報公開法が機能する上での前提となる公文書管理法の制定が必要不可欠であると考えています。そして、国等から市民への説明責任を保障し、情報公開を実質的に促進することから、民主主義の基盤となるものです。年金記録の紛失やC型肝炎感染被害者リストの放置、海上自衛艦航泊日誌の廃棄など公文書の杜撰な管理実態を踏まえ、政府は「公文書管理法案」を3月3日に閣議決定し、国会に提出しました。
 まもなく、衆参内閣委員会での審議がなされる予定ですが、その前に今一度実際に機能する制度に向けて、その課題等を整理・共有化したく、本フォーラムを開催します。
 ぜひ多くの方々にご参加いただければと思います。

 5月14日(木)12:30~14:00(無料)
 衆議院第2議員会館 第1会議室
 プログラム 政府案の課題整理/各党(・懇談会)等の主張/参加者からの意見
 主催 市民のための公文書管理法の制定を求めるネットワーク(公文書市民ネット)

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2009.05.12

薬害肝炎検証会議・議事録(第12回)

 平成21年3月30日実施の・第12回検証会議の議事録が厚労省HPにアップされました。

   第12回検証会議議事録

 それぞれの立場から興味深い意見交換が行われるほか、薬害肝炎原告団の検証委員メンバー坂田さん、泉さんも積極的に発言しています。

高橋委員
 業界代表というわけではないんですけれども、この場はなかな
か厳しい立場に置かれている状況で、発言というのもまた難しいんですが、この内容としては確かに一企業、一部の企業がやったことというところで、かなりそれを代表して製薬企業は云々という形になってしまっていて、それがすべての製薬企業に当てはまるような文章になっているように、私は被害者意識的にそういうふうにとらえてしまっています。
 具体的には、31ページの(6)の適正広告のところについても、これでいくと過度にこういう場合があるということは10年、15年前は確かにこういうものもあったかもしれませんけれども、最近は例えば概要審査会をつくって第三者の意見を求めて、そういった審査会で製品概要のチェックをしたり、各薬剤師の方とか病院の施設の方に意見をもらって直したりというようなことで、かなりこういう点について業界としては改善されていると考えています。
 こういう記載にすると、実際上すべての企業が同じようにやっているようにとられてしまうので、そこら辺の書きぶりを御検討いただければと思います。ちょっと愚痴になってしまいましたけれども、そういうことです。

水口委員
 私は、むしろ最近の問題意識としてここの適正広告について提案させていただいているわけです。マーケティングの戦略の一環として、広告なのか、啓発なのかよくわからない文章だけれども、実情は広告であるといったものはむしろ多くなっているのではないでしょうか。
 実際に具体的な例を挙げさせていただけば、タミフルについて厚生労働省が10代についての投与を原則禁止したわけですけれども、その禁止の通知があるにもかかわらず、中外製薬は子どもを表紙に使って、異常行動についての因果関係はよくわかっていません。インフルエンザのときはちゃんとお薬を使いましょうと、こういうパンフレットをすべての医療機関、すべての医師に配っているわけです。
 そういう現状があったり、イレッサのときには非常に責任ある立場の方が、承認前から、製薬企業の広告記事に出て、対談という形式をとりながら非常に効果が高い。副作用が少ない、毒性が少ないと言い切るということをしているわけです。
 その例を挙げてくれと言えば、私はたくさん挙げることができます。そういう問題意識で提案させていただいているんです。ですから、昔のことだとおっしゃられると、それは私は違うと思います。業界のすべての企業がそうではないとおっしゃるということは受け止めますけれども、この記述が何か不当なものであるというふうには私としては思っておりませんし、
 この場を借りて申し上げれば、業界団体の方には業界全体の信用性に関わることですから、もうちょっと内部での自主規制というものを強化していただきたいと思っております。

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