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2009.06.30

民主党鳩山代表と面談(Twitterで速報)

 本日6月30日、民主党の鳩山由紀夫代表らと面談します。
 薬害肝炎原告団、日本肝臓病患者団体協議会、B型肝炎原告団が、肝炎基本法(肝炎患者救済法)の今国会での成立をあらためて求めるものです。

Twittetlko 丸1日スケジュールが詰まっておりブログ報告は翌日になりそうですので、Twitterを利用して速報してみたいと思います。
 右から「弁護士 古賀克重 のTwitter」ご覧ください。

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2009.06.29

少年院の今

 法曹時報61巻6号で、法務省矯正局の「矯正の現状」が発表されています。
 目を引いた数字を拾ってみると下記の通りです。

Kannbetu_2 少年院及び少年鑑別所における1日平均収容人員は、昭和59年に少年院4600人、少年鑑別所1386人とピークを記録したが、平成20年には少年院が対前年比242人減の3474人、少年鑑別所が対前年比50人減の986人になっています。

 少年院関係予算(平成21年)は、224億1023万7000円、少年鑑別所関係予算は、110億9247万3000円です(ちなみに、刑務所等の刑事施設関係予算は、2136億6215万9000円)。

 少年院の建物は、旧軍施設や昭和30、40年代に整備されたものが多く、52庁のうち、30庁が整備を必要とされています(平成21年度に整備を実施中なのは、西日本矯正医療センター(京都医療少年院)、沖縄少年院、沖縄女子学園の3庁)。

 少年院収容者の約8割が、過去に家庭裁判所の終局決定を受けていますから、少年の可塑性に配慮した段階的処遇が行われていることがうかがわれます。

 実父母の有無をみると、実父母がいる少年は約4割にとどまっています。特に、平成18年、19年と4割を切り、3割台に落ち込んでいるのが目を引きます。

 少年院新収容者の非行名は(平成19年)は、窃盗が36パーセントと最も多く、傷害・同致死、道路交通法違反、強盗・同致死傷、恐喝の順になっています。

 なお、例の少年院における暴行事件が発覚しましたが、苦情申立て制度が少年院にはないため、数字もありません。
 刑務所等の刑事収容施設の苦情不服申立件数は、年間1万件を越えており、平成20年は1万3756件の苦情が申し立てられています。そのうち、855件が告訴告発、352件が訴訟、苦情の申出が4052件となっています。
 少年院においても苦情申立て制度を導入して統計数字を取る必要があるようです。

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2009.06.26

Twitterの活用法(弁護士、法律事務所編)

Twitter_logo_header 日本でも数年前から徐々に広がりを見せていた、Twitter(トゥイッター)。アメリカのオバマ大統領が利用したり、イランの改革派が情報発信に利用したりということで、再度、目にすることが増えているようです。

 Twitter(トゥイッター・「さえずる」)とはアメリカで生まれたWebサービス。ブログよりもより簡単にほんの一言ずつを、まさに「さえずる」ように気軽に発言を発信するものです。

 オバマ大統領の例からも分かるように、政治家や著名人の場合は、政策の発信やその日常をさえずることが大きな反響を呼ぶことも容易に想像がつきますが、「弁護士」や「法律事務所」の場合となるとどうでしょうか。

・弁護士の日常をつぶやき続けることで親しみを覚えてもらう
・顧問先に顧問弁護士の日常を理解してもらう
・弁護士会執行部の弁護士が、弁護士会業務でつぶやき、当該弁護士会活動をアピールする
・日弁連執行部が、日弁連の活動をアピールする
・ロースクールの教員弁護士が、有益な雑誌・法律情報を生徒向けに気軽につぶやく

などでしょうか。

 私の業務からいうと、一つ考えられるのは集団訴訟の分野かもしれません。
 集団被害を政策変更によって救済していくことを目指す集団訴訟の場合、国会での要請行動、官邸前での座り込みなど支援者と連携した行動を行います。
 参加できなかった支援者にとって、迅速でリアルな情報は欲しいものです。
 弁護団や原告団もサイトやブログでその様子を報告するのですが、Twitterを利用するとより簡単に、より迅速に、よりリアルに情報を発信することが可能かもしれません。
 機会があればそんな場面で利用してみたいと思います。

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2009.06.25

付添人の「3種の神器」+1

 平成20年改正法を盛り込んだ『注釈少年法』(有斐閣)の第3版が発売されましたので、早速購入しました。
 執筆者が13人と大幅に増え、頁数も540頁から618頁に増えています(お値段も、400円上がって4800円です)。

Manyuaru_2 付添人活動を行う弁護士が手元に置くべき参考書としては、この『注釈少年法』にくわえ、『少年法実務講義案(改訂版』(司法協会)、そして付添人経験者によるマニュアル(『少年事件付添人マニュアル』(日本評論社)など)が3種の神器といえるでしょう。

 この三冊があれば大抵の事件は大丈夫。マニュアルは、執筆者の一員であった前記『少年事件付添人マニュアル』を強くお勧めするわけですが(笑)、そのほかにもありますので、それぞれ読み比べて使うとまた味わい深いものです(私も大半のマニュアルは入手して読み比べています)。

 あとは出来れば、『家庭裁判月報』(最高裁判所事務総局家庭局監修)の定期購読でしょうか。
 付添人は、「最近の調査官の判断はステレオタイプだ」とつい批判しがちですが、一方で、調査官からは、「付添人は、要保護性の見立てや事件の筋見が甘くステレオタイプだ」と言われがちです。
 家庭裁判月報の審判例に日頃から目を通すようにしておくと、ある程度の実務感覚は養われると思われます。

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2009.06.24

育児介護休業法、改正案が成立

 ねじれ国会、鳩山大臣辞任など政局に左右され、今国会でもB型、C型問わず、すべての肝炎患者に対する治療費助成などを盛り込んだ肝炎患者支援法など重要法案が先送りされています。
 その中で、育児・介護休業法の改正法案が、衆議院厚生労働委員会で共同修正さ、24日参議院本会議でも可決し、成立しました。

 TBSニュース

 改正育児介護休業法には、以下のような制度が盛り込まれています。

・短時間勤務制度(3歳未満の子どもがいる従業員を対象にした短時間勤務制度<1日6時間程度>を導入することを義務づけるとともに、従業員の希望により残業免除も義務付け)

・育休の拡充(現行法の「子ども1歳まで」を「1歳2か月まで」でとする)

・看護休暇の拡充(現行法は、子どもの人数にかかわらず、年5日までであるのを、小学校前の子ども2人以上なら年10日とする)


 育休復帰後の解雇(いわゆる「育休切り」)を防止し、職場復帰を確実にするために、付帯決議で「事業主は育休期間を明示した書面を本人に交付するよう厚労省令に明記すること」とされました。法律から「事業主が書面を提示する義務」を導入するよう野党が求めましたが、与党が応じず、協議の末、付帯決議という処理がされたものです。

 また、育休切りを行った企業が、厚生労働大臣の勧告にも従わない場合には、企業名を公表する制度も導入されました。当初、この公表措置が法交付から1年以内とされていましたが、野党が育休切り防止の取組を強めるように要請した結果、「3か月以内」に前倒しすることで、与野党が合意したものです。

 今後、育休を取る従業員が将来の職場復帰に不安が残る場合は、「育休期間であることを明示した書面を頂けますか」と職場に申し入れておくことになるでしょう。

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セブンイレブン、弁当等廃棄分15パーセント負担ではだめ

0906711 公正取引委員会から独占禁止法違反で命令を受けたセブンイレブンは、加盟店が全額負担してきた弁当などの廃棄分の原価について15%負担すると発表しました。

 セブンイレブンは、記者会見で「廃棄することを怖がり、加盟店が萎縮した気持ちになることを懸念した」とコメントしたようです。しかし、公正取引委員会の命令の前から、加盟店は、全額廃棄分を負担してきていたのですから、「廃棄することは恐がり」というコメントは、良く意味が分かりません。

 加盟店による「見切り販売(値下げ販売)」が広がるのを押さえる意図があるのは明らかでしょう。

 しかし、本部の年間負担額が約100億円(15パーセント)見込みということは、全加盟店で約567億円(85パーセント)も廃棄損額が発生し続けることになりますから、見切り販売の動きは収まらないと思われます。

 そして、FC契約において「対等の関係の共存共栄」をうたっていること、見切り販売を抑制するのはブランドイメージを確保することが目的であると述べていることからすると、15パーセントという負担は余りにも小手先のものであって、50パーセント位は負担すべきものでしょう。

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2009.06.23

セブンイレブン、弁当見切り販売制限に排除命令

 公正取引委員会が、セブンイレブンに対して、優越的地位を濫用したとして独占禁止法違反を認定して、排除措置命令を出しました。セブンイレブンの加盟店が、消費期限の迫った弁当やおにぎりを値引き販売する、いわゆる「見切り販売」を禁止していた点に対する命令です。

 この問題の背景には、「共存共栄」を図るといいながら、フランチャイズシステムがその運用次第では、本部のみが一人勝ちする問題点があります。

 フランチャイズ契約とは、フランチャイズを運営する本部が、加盟店に対してそのノウハウを提供するかわりに、加盟店が本部に対して対価を支払う関係にあります。
 その対価の一つがロイヤルティです。
 大手コンビニでは、総売上利益に対する一定率とする方式(総売上利益方式)が採用されています。
 このロイヤルティの計算式こそが、本部の利益を生み出す道具になっているのです。

  総売上利益 = 売上高 - {売上原価 -(廃棄商品額 + 棚卸ロス商品額)}

  総売上利益 × ○○パーセント = ロイヤルティ

 ポイントは、ロイヤルティの基礎になる利益が、売上高から売上原価を控除したいわゆる粗利益ではないことです。粗利益に、売れ残った廃棄した商品額等を加えたものを基礎に計算されるわけです。
 その結果、売れ残って廃棄した商品額が大きければ大きいほど、加盟店の支払うロイヤルティが増え、本部は、「もうかる」ということになります。一方、加盟店は、1店舗あたり年平均約530万円という廃棄商品の負担にくわえて、廃棄商品額を上乗せした総売上利益に対するロイヤルティという二重の損失を被ります。

 加盟店は、廃棄商品額を少なくするためには、値引きしてでも商品を売ってしまう必要があるわけですが、セブンイレブンは、それを禁止していたというわけです。

 セブンイレブンの指導していた「値引き販売禁止」は、この加盟店の自助努力を禁止し、本部の利益を確保していたというものですから、公正取引委員会の排除命令は、遅きに失したとはいえ当然の措置といえるでしょう。

 なお、裁判例においては、ローソンの採用する「総売上方式」自体が、公序良俗に反して無効ではないかと争われたものがありますが、大阪地裁平成8年2月19日判決(判例タイムズ915号131頁)は、「直ちに私法上違法評価をもたらすものではない」と判断しています(なお、セブンイレブンの契約書の解釈として、総売上利益方式が許容されるか争われた平成19年最高裁判決もあり、不当利得返還請求を認めて加盟店の請求を認めた原審を破棄して、契約解釈上許されるとしています)。

 このローソン事件は、加盟店による見切り販売はされていたものの、計算式自体の違法性を争った事例です。
 セブンイレブンは、見切り販売を禁止していたわけですから、加盟店が本部を提訴した場合、今回の公正取引委員会の措置もふまえると、損害賠償が認められる余地があるといえるでしょう。

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2009.06.22

ストリートビューは合法と総務省

 総務省が6月22日、ストリートビューは個人情報保護法違反には当たらないとする見解をまとめました。総務省の作業部会レベルの判断のようで、今後、8月に正式の判断をとりまとめるようです。同作業部会は、住居の外観や自動車のナンバープレートが写真に写っていても「個人の識別性がなく、個人情報には該当しない」と判断するとともに、プライバシーや肖像権についても「ぼかし処理を施すなど適切な配慮がなされている限り、サービスの大部分は違法となることはない」と判断したようです。

 個人的には違法とは考えませんし、サービスの中止までの必要性はないでしょう(サービスの中止を求める福岡県弁護士会の声明はこちら)。

 ただし、総務省の作業部会の見解の「適切な配慮がなされている限り、大部分は違法となることはない」はその通りですが、「適切な配慮がなされていなければ、違法」となる場合もありえるわけですから、適切な配慮を自主的に行うようグーグルに強く求めていくべきではないかと思います。

 ネットを利用している人は、自分の生活圏付近のストリートビューを確認して改善申し入れをすることも可能ですが、ネットを利用していない人は、確認することもできず放置されてしまいますし、そもそも自分の生活圏以外の場所でたまたま顔などが撮影された場合、改善申し入れをしようにもできないからです。

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2009.06.19

「B型肝炎原告団」と舛添大臣の面会

 B型肝炎札幌訴訟で、17年間の闘いにおいて国に勝訴した元原告の方々が、ようやく舛添厚生労働大臣と面会を果たしました。
  「厚労相、B型肝炎元原告に初めて謝罪」 TBSの動画tv

 全国原告団弁護団は合わせて声明を発表しました。

 「声明」
 B型肝炎訴訟・最高裁判決3周年および厚生労働大臣謝罪について

  2009年6月16日 全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団
    原告団代表 高橋朋己・坂岡佳子・佐藤美好 / 弁護団代表 弁護士佐藤哲之

 2006年6月16日,最高裁判所は,B型肝炎に罹患した北海道の原告5名全員について,幼少時に行われた集団予防接種の際の注射器の回し打ちが感染の原因であると認定し,国の責任を断罪する判決を言い渡した。
 その直後より,最高裁原告及び弁護団・支援者は,厚生労働省に対して,厚生労働大臣の謝罪とともに最高裁原告と同様な全国の被害者に対する救済措置をとるように繰り返し求めてきた。
しかし,厚生労働大臣の謝罪は実現せず,厚生労働省は最高裁判決は5人の原告だけの問題であるとして,それ以外の被害者に対する救済を拒否し,実態調査にさえ着手しなかった。

 本日,最高裁判決から丸3年を迎えるにあたり,やっと舛添要一厚生労働大臣が最高裁原告に面談し謝罪した。
 遅きに失しながらも厚生労働大臣が最高裁原告に面談して謝罪したことは一定の前進であったが,面談において最高裁原告が同様な全国の被害者に対する救済を求めたにもかかわらず,大臣が前向きの発言をしなかったことは極めて遺憾であり,謝罪の意義を没却させるものであったと言わざるを得ない。
 そもそも最高裁判決が5名の原告全員を救済したのは,全国の同様な被害者に対する救済に国が乗り出すべきことを求めたものであったことは明かである。また,最高裁原告が17年にも及ぶ裁判闘争の末に最高裁判決を勝ち取ったのも,自分たちだけの救済を求めたものではなく,全国の代表として同様な被害者の救済を実現させるためのものであった。にもかかわらず最高裁判決から3年も経過したにかかわらず,被害者の救済どころか実態調査さえしない国の怠慢は犯罪的ですらあると言わざるを得ない。

 このような国の怠慢をただし,B型肝炎被害者の救済とウィルス性肝炎患者すべての恒久対策の実現を求めて,現在,最高裁原告と同様な全国の285名の原告が新たに全国訴訟を提起しており,本日も全国一斉に追加提訴を行い原告数は300名を超えた。
 すでに肝硬変や肝ガンを発症し、余命がわずかと宣告されている被害者が多数おり,また解決を見ることなく死亡した被害者が多数いる。
 国が,一刻も早く、すべての被害者を救済すべきことは誰の目にも明らかである。

 以上より,私たちは,国に対して以下の事項を要求し,もって肝炎問題の全面解決を求めるとともに,要求実現のためにあらゆる活動を展開することをここに誓う。
 (1) 国は,直ちに,集団予防接種によりB型肝炎ウィルスに感染したすべての被害者に対し,謝罪するとともに完全な被害回復措置をとること。
 (2) 国は,直ちに,「肝炎患者支援法(肝炎対策基本法)」を制定し,すべてのウィルス性肝炎患者が安心して治療を受けられる恒久対策を確立すること。

 以上

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2009.06.17

福岡県弁護士会テレビCM、ラジオCM

 福岡県弁護士会が、多重債務無料相談、交通事故無料相談のCMを開始して3年目になります。今月はTVCM(5局)を流し、来月7月からはラジオCM(KBCラジオ)も再開します。
 TVCMの内容は、以下からご覧になれます。
  多重債務CM tv   交通事故CM tv

 ラジオは、午前中の「中村もときの通勤ラジオ」で「まずは、弁護士に聞いてみよう(仮)」というコーナー、そして午後の「パオーン」でも「教えて!弁護士さん(仮)」というコーナーもできます。

 東京の某法律事務所が盛んに福岡でもTVCMを流していますが、弁護士は身近にいていつでもすぐに相談できてこそ、その役割を発揮できるというものでしょう。

 ところで個人的には、今年からNTTの電話帳広告を辞めることにしました。事務所開設以来やや大きめの広告を打っていましたが、値段が高額の割に効果がはっきりしないからです。
 福岡県弁護士会の電話帳広告も、1頁全面広告を利用していましたが、昨年から2分の1の大きさにしました。ですが、電話帳広告から法律相談センターに来られる数に変化はありません。むしろ弁護士会サイトから来る数が同数前後に迫っています。
 NTTもそろそろ電話帳広告の料金体制を見直さないと、ネット社会に対応できないのではないでしょうか。

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2009.06.16

福岡県弁護士会、裁判員制度に関する市民モニター制度導入

 福岡県弁護士会は、裁判員制度に関して「市民モニター制度」を導入します。全国で初めての試みです。
 一般市民に裁判員裁判を傍聴してもらい、検証してくことを目的にするものです。

 事前登録した18歳以上のモニターから選ばれた市民1人が、福岡地裁等で行われる裁判員裁判を初公判から判決まですべて傍聴して、数十項目のアンケートに答えてもらいます。また、モニターの目から判決も予想して頂きます。
 6月29日に福岡県弁護士会館において希望者向けの説明会を開催します。

 「裁判員制度」市民モニターへのご協力のお願い   
                 福岡県弁護士会会長 池永 満
           
 このたび福岡県弁護士会では,下記の要領で裁判員制度に関する市民モニター制度を導入することとなりました。

 裁判員制度という新しい制度について市民の皆様から意見を頂くためには,実際に裁判を第1回から判決まで通して見て頂き,その率直な感想を伝えて頂くことが最も有意義だと考え,この度の市民モニター制度の創設に至りました。是非,多くの市民の方々にご参加頂きたく,ご案内申しあげている次第です。
 当会にて予定している市民モニターは,福岡県内在住の18歳以上の方で,年齢以外の要件については裁判員法に定める裁判員の資格を有する方を予定しております。

 市民モニター制度に興味を持たれた方がおられましたら,ご足労をおかけいたしまして誠に恐縮ではございますが,平成21年6月29日(月)午後3時から午後5時まで,福岡県弁護士会館にて開催される説明会にお越し頂けますようよろしくお願いいたします。

 なお,市民モニターとしての裁判傍聴は,原則として1つの事件について1人以上を予定していますが,福岡における想定事件数と名簿登録者の人数の関係等から,市民モニターとしてご登録を頂いた後,実際にモニターとしての傍聴機会を準備できない可能性もございます。その点については予めご了承下さい。


*定員に達した場合は、お断りする可能性もございます。(予約不要・先着順)
*説明会当日は、30分前より開場致します。
*駐車場はございませんので、公共交通機関を使って起こし下さいますようお願いします。

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「加藤一郎先生の人と業績」~集団訴訟の視点から

 最新号のジュリスト(1380号)が、「加藤一郎先生の人と業績」という特集を組んでいます。

 加藤一郎氏は東大教授として不法行為論などを研究するとともに、法務省の法制審議会の委員、民法部会長なども務めて、1983年に東大を定年退職した後は、母校の成城学園の理事長に就任するとともに、法律事務所を開設し、「様々な団体の役員、政府の委員を務められ、一時はその肩書きは130を越えた」(ジュリスト1380号11頁)そうです。

 一方、集団訴訟を扱う弁護士にとっての「加藤一郎氏」というと、なんと言っても水俣病訴訟を巡っての「加藤・松野論争」を思い浮かべます。

 ジュリストの特集号では一切触れられていませんので、若干長くなりますが触れてみたいと思います。

 事の発端は、加藤氏が、判例タイムズ782号2頁(1992年6月20日)にのせた「司法と行政-水俣病をめぐって-」という論文でした。

 当時、水俣病訴訟は、東京地裁、熊本地裁、福岡高裁、福岡地裁の順に相次いで和解勧告が出されてて、福岡高裁でも和解協議が開始された時期でした。しかし、福岡高裁における和解協議に国は加わらず、結局、東京地裁が平成4年2月判決を下し、国と熊本県の責任を否定するに至ります。
 この東京地裁判決を特集した判例タイムズに、加藤氏は論文をのせます。

 その論文の内容は、裁判所による和解の強要は不適切であるとした上で、国に和解勧告を強く勧めた裁判所を非難するといっていい内容でした。

 水俣病訴訟で、裁判所が、和解に入ることを当事者、特に国に強く求めたことは、その点で、法的に司法の枠を越えたものであり、実質的に見ても、和解の見通しの立たないまま和解勧告をしたことについて、裁判官の見識が疑われるものであった。

 そして、論文の最後を次のように締めくくり、司法消極主義を高らかに宣言しました。

 要するに、司法、すなわち裁判官は、法による救済を与えるのが困難ならば請求を棄却するほかはないし、そうすればよいのである。あとの被害者救済が必要かどうか、必要だとすればどういう方策をとるかは、行政や立法の仕事だと割り切って考えるほかはない。

 当時は、福岡高裁で和解協議中でしたから、高名な研究者のこの論文が、訴訟当事者にどのような思いで迎えられたかは想像に難くありません。

 この論文の4か月後の判例タイムズ792号52頁(1992年10月15日)で、水俣病訴訟弁護団の松野信夫弁護士(現在、衆議院議員)が、「加藤論文は・・・そのまま容認できないような問題点も存すると思われるので、加藤論文に反論を加えつつあわせて判決と和解をめぐる司法の役割について触れてみたい」として、反論の論文を掲載しました。

 加藤論文は、要するに水俣病訴訟などは裁判所で解決することはできないのであり、一応和解勧告するにしても、国が拒否した以上、さっさと和解を打ち切って判決をすれば良いし、全体的な解決はあとの行政や立法に任せておけば良いのである、ということのようである。司法はその限界をわきまえて、あとは高みの見物に徹せよとでも言うのであろうが、これは現場の裁判官の悩みや痛みをまったく考えていないと言わざるを得ない。

 加藤論文はこの点、伝統的司法消極主義的な観点にとらわれすぎているようであり、しかもいくら加藤氏が法務省の顧問をしているとはいえ、これは国の代理人が書かれたのかと一瞬疑ったほど国の側に立って国の意図を見事に代弁している。加藤氏自身、・・・利益衡量論を標榜し、一方的な姿勢をとることを極力避けてきたと主張されておられることからすると、いささか不可解な感がぬぐえない

 

 福岡高裁の裁判長として加藤氏の批判を受けた友納治夫氏も、その後、次のように反論しました(水俣病訴訟弁護団編『水俣病救済における司法の役割』(2006年、花伝社)95頁)。
 

 福岡高裁での和解協議の進行中に、元東大総長の加藤一郎先生が・・水俣病訴訟のように広くかつ根深い事件を和解で解決するのは無理なのであり、国が拒否しているのに裁判所が和解に入ることを強くもとめたのは司法の枠を超えたもので、和解の強要は憲法の精神に反する、という趣旨の批判をされました。
 水俣病訴訟が広く根深い大事件であることは私も同感ですが、だからといって、この事件を和解で解決しようと試みたことが間違っていたとは考えておりませんし、先ほど述べたような経緯から、裁判所が国に対して和解への参加を何度も呼び掛けたことが和解の強要で司法の枠を超えたものであったとは全く考えておりません。

 また、元仙台高裁長官で大学教授の田尾桃二先生も、全国裁判所書記官協議会の総会で、・・この事件の和解の勧試も国への参加のすすめも悪いこととは思えないと語っておられます・・そういうようなことも励みになって、私共としては最後まで和解の協議を続けさせていただいた・・

 その後、関西水俣病最高裁判決が、国の責任をそもそも認めたこと、司法改革が進み裁判所への期待がより高まっていること、薬害HIV、薬害やコブなど裁判所がイニシアチブをとって国を説得して和解を成立させる集団訴訟が相次いでいること等からして、加藤一郎氏の論文は、残念ながらその内容、発表した時期、そしてその後の司法の流れからしても、正鵠を得ていないものであったと評価せざるをえないでしょう。
 

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2009.06.15

B型肝炎訴訟、最高裁判決3周年の厚生労働省前集会

 厚生労働大臣は、訴訟中は「裁判が係争中なのでお会いできない」と面会を拒絶する一方で、最高裁判決で責任が認められた後も、結局は面会を拒絶して現在に至っています。

 今年に入り舛添大臣は次のようにコメントしましたが(4月3日ぶら下がり)、それからでさえ既に2か月以上経過してしまいました。

 B型肝炎訴訟原告団弁護団は、16日、「最高裁判決3周年厚労省前集会」を開催し、早期全面解決を訴え原告のリレートークと支援団体からの訴え等を行います。

(記者)B型肝炎訴訟で、札幌の原告に大臣が会われるという意向を示されていましたが、それについて。

(大臣)今、こういう国会日程で大変タイトなんですが、時間が許せばお会いしたいと思っております。訴訟中の方にお会いすることは裁判に影響を与えますが、訴訟が終わって最高裁の判決が確定していれば三権分立の立場からも問題ありません。時間が許す限り、難病の患者の方であれ、どんな方であれ会えるだけお会いしていますから、それはお会いしてちゃんとお話するのは時間が許せばお会いしたい思っています。

(記者)B型肝炎の方も国の責任等が焦点になっていますが、それについてやはり本格的に取り組むということでしょうか。

(大臣)これは、今、与野党の皆さん方でも議論をしてもらってます。与野党の議論も踏まえた上で、何ができるか、また、何ができないか色々な問題点もあると思いますから検討させていただきます。

 

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2009.06.12

模擬医療ADR 岡山

 東京三会を皮切りに全国の単位会でも検討が進みつつある「医療ADR」。岡山弁護士会が模擬医療ADRを実施します。

 事案は、「女性(60歳)が脳ドックの検査を受けたところ、脳動脈瘤が見つかる。担当医は、破裂の危険があるということで、開頭手術を実施したが、翌日、女性はスムーズに言葉が出なくなり、その左手足には麻痺症状が出る。病院と女性は話し合いをしたが、前に進まない。
 そこで、このトラブルが、岡山弁護士会の医療仲裁センターに持ち込まれた・・」というもののようです。

 医療ADRの意義
 医療ADR福岡県弁護士会の取組

 6月14日(日) 午後2時~5時  参加費 無料
 場所 岡山衛生会館三木記念ホール(岡山市中区古京町1-1ー10)
 主催 岡山弁護士会   共催 岡山大学大学院法務研究科

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2009.06.11

「少年院4教官逮捕」の深層と対策

 広島少年院の4名の教官(田原克剛43歳、野畑勝也32歳、松本大輔29歳、菅原陽26歳)が、2008年3月から2009年3月にかけて、16歳から17歳の少年4名に対して、暴行を加えていたとして逮捕されました。
 暴行の内容は、殴る、蹴る、首を絞める、紙おむつをはくように強要し拒絶すると顔を殴る、トイレに行かせずに失禁させるというものです。

 調査の結果、2008年度の1年間にわたり、収容されている少年の約半数50名に暴行を加えていたことも判明しているようです。しかも、「少年院の秩序維持に都合がいい」ということで、他の教官達も事実上、黙認していた疑いも持たれています。

 注意すべきは、逮捕した4教官の前任地でしょう。少年院教官は、転勤で他の少年院を歴任します。田原容疑者が43歳、野畑容疑者が32歳ということは、ある程度の経験があると思われ、他の少年院でも暴行を行っていた疑いも捨て切れません(全国の少年院一覧)。

Manyuaru_2 平成11年から平成12年にかけて九州管区の少年院(佐世保学園、福岡少年院、大分少年院、人吉農芸学院、中津少年学院、)を視察訪問しました(詳しくは、『少年事件付添人マニュアル第2版』(日本評論社)241頁参照)。
 その時印象的だった佐世保学園の教官の言葉は次のようなものでした。
 「ここに来た少年は必ず今よりよくなります。その自負は私たち少年院も持っています。しかし問題は少年院を出たあとなんです。身につけた自尊心、習慣、前向きな心、人を思いやる気持ち・・それが社会でも継続できるか。そこは自信がありません」

 そのほかにも私が個人的に知り合った少年院の教官は、いずれも能力が高く、少年に寄り添う姿勢が顕著な方ばかりでしたが、今回のような事件が起きると、少年院の教官や制度そのものに対する疑念が生まれかねません。

 動機の解明、黙認していた他の教官の処分、そして他の少年院時代の同種暴行歴の有無など徹底的に捜査して頂きたいと思います。

 なお、法務省は、少年院に収容されている少年が処遇上の苦情や不服を申告できる制度を導入する方向で、少年院法の改正検討を開始したようです。

 付添人が就任していたケースについては、付添人が少年院を訪問して面会してあげたり、そこまで難しくとも、退院した後、状況を尋ねたりしていれば、本事件も、より早く発覚していたかもしれません。私もそこまでできていませんので、今後担当した少年で収容された子については、何らかのアプローチをしてみようかなと自省をこめて思ったりしました。

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2009.06.10

薬害肝炎、福岡地裁和解(2009年6月)

 本日6月10日、福岡地裁において和解協議が行われ、原告17名の和解が成立しました(第3民事部6名、第2民事部7名、第6民事部4名)。本日で、九州原告300名のうち235名(78パーセント)の和解が成立したことになります。

 本日和解成立した17名のうち2名は、医療記録(カルテ等)がないものの、医師の証言で和解成立した方です。1名は大分、1名は鹿児島です。
 
 薬害肝炎救済法が成立して1年半が経過しましたが、薬害肝炎全国弁護団は、出来うる限り早期の和解成立を実現すべく和解協議をすすめていきたいと思います。

  今後の福岡地裁における和解期日
    9月16日(水)
   11月 9日(月)

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「日本弁護士連合会」の60周年

Building  日本弁護士連合会が2009年9月に創立60周年を迎えるようです。日弁連から全国の弁護士会に「日弁連創立60周年記念無料法律相談を実施してほしい」という要望がありました。
 福岡県弁護士会も法律相談センター委員会でこの要望について議論した結果、無料法律相談を実施することにしました。

 ですが、「日弁連60周年無料相談会を開催!」とうたっても、ニュース価値がなく、広報手段が限られるため、相談者はあまり来ません。

 結局、弁護士会が設置している法律相談センターに相談申込みのあった相談者に対して、「○日は無料でやっていますからいかがですか」と誘導して、その日の枠をうめる、しかも担当弁護士の日当は各地弁護士会の負担なので、弁護士財政としては赤字になるという具合です。

 そもそも「50周年」とか「100周年」なら多少は意味があるかもしれませんが、「60」という数字もまた中途半端。日弁連は、「60周年記念オリジナル切手」を発売したり、ホテルオークラで記念式典をするようですが、無駄な費用という気がします。

 弁護士には「弁護士自治」があり監督官庁がありません。だからこそ、刑事弁護や集団訴訟で国相手に徹底的に争ったり、その他あらゆる分野で弁護士が、独自の見解を述べ、独自の活動を取ることができます。
 日弁連の存在意義は、究極的には、この「弁護士自治」を継続するために社会的理解を得る活動といっても過言ではないでしょう。

 高い費用をかけて(監督官庁がないということは、予算も自弁ということです。日弁連の会計も、全国の弁護士の会費によってまかなわれます)、ホテルでわざわざ記念式典をするのであれば、このような「弁護士自治の意義」をアピールできるような、対外的にも工夫した式典にして頂きたいものです。

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2009.06.09

臓器移植法改正案の成立

 今国会で成立するか大きな注目を集めているのが、臓器移植法改正案です。

 A案(提出者中山太郎・自民党、福島豊・公明党)、B案(石井啓一・公明党、阿部俊子・自民党)、C案(阿部知子・社民党、枝野幸男・民主党)、D案(根本匠・自民党、笠浩史・民主党)と4つの法案が提出されるという異例な展開をたどっています。この「異例な展開」を招いたのは、やはり、「人の死」についての社会的合意が得られておらず、かつ、議論が余りにも性急だからといえるでしょう。

Card_softbank 最初に提出されたA案は、移植学会などが支持しているようです。ところが、A案は、脳死を「人の死」とするため反発を受け、その後の3法案提出という事態を招きました。
 A案を支持する議員は、「本人が拒否できるのだから、一般的に脳死を人の死と考えるものではない」と主張したり、一方で、別の議員は、「脳死は一般に人の死と社会的にほぼ合意できている」、「脳死を人の死と認めていないのは日本だけ」(5月27日付け毎日新聞・冨岡勉議員発言)と主張するなど、主張の論拠がぶれています。

 いずれにしろ、A案は、原則として脳死を「人の死」とした上で、本人が拒否することもできるとする「例外」を認めるもので、脳死を人の死とする根本的な考え方であることは間違いありません。
 そして、「人の死」をどのように考えるのか、という死生観にかかる根元的な重要論点について、「拒否することもできる」という例外を設ける技巧的な方法をもって、批判をかわそうとしているにすぎません。
 人の死をどのようにとらえるか国民的合意がまだあるとはいえず、脳死を人の死とする「立法事実」はないというほかありませんから、個人的には大いに疑問符がつく案です。

 一方で、臓器移植を待つ患者さんからは、現在の臓器移植法による「15歳以上」という提供年齢では、日本内での臓器移植が不可能で海外渡航するほかない、という切実な訴えがあるのもまた事実です。

 B案(提供可能年齢を引き下げ12歳以上とする)・C案(現行法と同じ)では、その訴えにこたえているとはいえないでしょう。

 この点、D案は、脳死の位置づけについては現行法と同様にとらえつつ、提供可能年齢は、A案と同じく制限なしとして大きく広げます。
 そして、「15歳未満」の場合は、「本人の意思表示」が有効とはいえませんから、家族の同意とともに第三者機関の了承を条件とするところが特色です。

 脳死を一般的に「人の死」とすることは避けつつ、臓器移植提供の条件について、「第三者機関の了承」という技巧的な手当をするものです。
 「技巧的な手当」をする点は、A案と同じですが、それが、「脳死が人の死か」という根元的な論点ではなく、「提供の条件」という論点についてですので、D案なら現行臓器移植法の「改正」として受け入れる余地があるのではないかと思います(もっとも、D案に対しては、子どもが死亡しているかを「親の判断」に委ねるものであって、酷であるという有力な批判もあります)。

 またそもそも、脳死移植件数が1999年以降わずか81例にとどまっており、日本人の国民性からして、法改正でも移植が劇的に増えるとは言えないとも指摘されています。今国会での実質議論がわずか「9時間」であることもふまえると、4案ともに廃案として議論を継続して、国会内合意、国民的合意を模索することも一つではないでしょうか。

 皆さんはどの案を支持されるでしょうか?いずれにしろ今月中旬にも採決が行われる見通しです。

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2009.06.08

福岡少年鑑別所と新型インフルエンザ

 福岡少年鑑別所に来ています。福岡市南部の静謐な住宅街の片隅に遠慮がちにたたずむ、かなり老朽化した平屋建ての建物ですが、非行を犯し審判を待つ少年がじっくりと自分自身を振り返るには良い環境かもしれません。Kannbetu_2

 そんな福岡少年鑑別所の受付で「マスクを持参されてますか?」といきなり尋ねられました。「?」という顔をしていると、「新型インフルエンザの対策として、弁護士さんにはマスク持参をお願いしてます」ということです。次からは持参してくださいと言われて、鑑別所の用意したマスクを渡されました。

 マスクをしたまま別棟の四畳半ほどの狭い面接室で少年と向き合います。面接室に入って来るなり少年は、私のマスク姿をみてくすくす笑い出しました。
 「マスクしていると話しにくいよね」と言うと、少年も「そうですよね」ということで、マスクをはずして1時間ほどの面接を終えました。「マスク」のつかみ(?)のおかげか、幼い少年もいつもよりスムーズに色んな話をしてくれた気がします。

 新型インフルエンザの過剰反応もここまで来たかという感じですが、なぜか鑑別所内を行き交う職員は皆さんマスクをしていませんでした。

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2009.06.05

楽天が顧客情報売却

W107 6月5日読売新聞夕刊が、「楽天が顧客情報売却」とトップで報じました。
 記事によると、楽天は、東証1部の上新電機を含む9社の出店企業に対して、商品購入者などのクレジットカード番号とメールアドレスを1件10円で提供していたようです。
 上新電機によれば、「自社でカード決済をした方が手数料などの面で有利なため購入している」ということですから、楽天は、取引先の便宜のために、個人情報を売却し、かつ、利益を得ていたことになります。

 これに対して、楽天は、サイトの中で、読売新聞記者の実名をあえて指摘した上で次のように反論してます。

 読売新聞の記事に関しまして

 本日の読売新聞に、「楽天が顧客情報提供」という記事が掲載されました。
 上新電機様をはじめ9社の企業様に対しては、お客様が購入されます買い物かごのステップで、「例外的にクレジット番号の開示を受け、独自に決済処理を行っております。(http://www.rakuten.co.jp/com/faq/information/20050916.html)」というお断りをさせて頂いた上で、店舗様において独自に決済を行っております。
 尚、例外となっている取引先9社に関しては、上場企業などでやむを得ない事情のある企業と当該情報の取り扱い等に関し、覚書を交わした上で、非常に限定的かつ厳格に行っており、セキュリティーに関しては細心の注意を払っております。

 読売新聞社の東京本社社会部の河村武志記者には繰り返し、上述のようなご説明をさせて頂きましたが、このような消費者の不安を煽るようなミスリーディングな記事を掲載されたことは大変残念であり、誠に遺憾です。

 個人情報の保護に関する法律は、「個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」(23条1項本文)と定めています。
 「本人の同意」は、経済産業省ガイドラインによれば、本人から口頭または書面で同意する旨を確認することのみならず、本人による同意する旨の確認欄へのチェック、本人による同意する旨のウエッブ画面上のボタンのクリックも含まれます。

 楽天のコメントによれば、当該業者の商品を購入しようとする顧客に対しては、買い物かごのステップで「例外的にクレジット番号の開示を受け、独自に決済処理を行っております」という「お断りをさせて頂いている」と主張するようです。
 実際に上新電機の商品購入画面まで行ってみたところ、以下の記載を前提に、配送日などを指定して、「次へ」のボタンで進んでいくことになっています。

 ※クレジットカード番号がショップに渡ることはありません。
 ※ご本人様名義のカードをご利用ください。
 備考:当店は楽天株式会社より例外的にクレジットカード番号の開示を受け、独自に決済処理を行っております。詳しくはこちら

 つまり、「お断りの表記」はしているものの非常に分かりにくく、しかも、経済産業省ガイドラインによる「同意する旨の確認欄へのチェック」はなく、個人情報保護法23条1項の同意を得ているといえるか疑わしいと考えられます。

 この点、堀部政男一橋大学名誉教授(情報法)は、読売新聞で次のようにコメントしてます。

 規約に断り書きがあるとはいえ、楽天は一度は店舗へ提供しないと発表しており、利用者への十分な説明努力を求める個人情報保護法のガイドラインに反する。

 楽天が、2005年に顧客情報を大量に流出させた事件を受けて、カード番号とメールアドレスを企業に提供しない旨発表していた方針は、下記の通りです。

 今まで楽天市場でご注文いただいた際に、お客様が入力された以下の個人情報がありました。

 ・名前  ・住所  ・電話番号
 ・メールアドレス  ・クレジットカード番号

 名前、住所、電話番号は「商品の発送」に、メールアドレスは「注文後の連絡」に、クレジットカード番号は「決済」に必要でした。

 しかしながら、個人情報の流出の可能性を出来る限り低減させるために「商品の配送」に必要のない個人情報(メールアドレスおよびクレジットカード番号)を各店舗に提供しないサービスに切り換えます。

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医療裁判と医療ADRについて考えるシンポジウム

 医療ADRに関するシンポジウムが増えてきました。
 医療裁判と医療ADRについて考えるシンポジウム「医療事故と被害者の思いから学ぶ」が、大阪で開催されます。

 6月27日(土) 午後13時30分~16時45分
  エル大阪6階大会議室  参加費 1000円(資料代込)

 第1部 被害の実情を知る当事者からの発言
 ~ 私たちはなぜ提訴したのか、しなかったのか~

 第2部 有識者による講演
 岡本佐和子さん(元ジョンズ・ホプキンス病院 ペイシェント・アドボケイト) / 石川寛俊さん(弁護士) / 加部一彦さん(愛育病院新生児科部長) / 稲葉一人さん(元裁判官)

 第3部 質疑応答とパネルディスカッション

 会場定員:200名 主催:医療情報の公開・開示を求める市民の会

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2009.06.04

原爆症認定集団訴訟、原告が座り込みへ

 原爆症認定集団訴訟・東京高裁は5月28日、9人の原告を原爆症と認める原告勝訴判決を下しました。

 翌5月29日、与党PTは、官邸・厚労省・法務省に対し、懸案だった肝機能障害や甲状腺機能障害を認定の対象に拡大すること、がんを幅広く原爆症と認定することなど認定基準の改訂と訴訟の一括解決を勧告。与党PTの南野知恵子座長(元法務大臣、自民党、衆議院比例、当選3回、元看護師)は、「今回の判決は世界の手本。被爆国という観点からも政治的判断をふまえ解決すると思う」とまで述べました。

 これに対して、河村健夫官房長官(元与党PT座長、自民党、衆議院山口3区、当選6回)は、「早期解決に向けて加速させる必要がある。総合的解決を考える時期にきた」とコメントしつつも、参議院予算委員会では「(原告の求める一括救済は)政治的に難しい面もある」と述べるにとどまっています。

 官僚主導といわれる麻生内閣が、厚生労働省官僚の抵抗を乗り越えて、政治主導で政策決定できるかが今問われています。

 被爆者の皆さんは今回の東京高裁判決を全面解決につなげるため、日比谷公園で座り込みを開始する予定です。

 原爆症認定集団訴訟・全面解決を求めて第2次座り込み

 厚生労働省は、被爆者・原告との約束を反故にし、今週の大臣面談を拒絶しました。こうした状態を打開するため、原告・被爆者は、6月9日からふたたび座り込みに入ることを決断しました。
 舛添厚生労働大臣は、東京判決直後、「原告のみなさんとお話をして要望をお聞きしたい」と述べていましたが、6月2日になって、会うのは「上告期限の11日以降に」と言い出しました。被爆者はそんなに待てません。舛添厚生労働大臣は、まず、被爆者・原告と面談してその声を聴くことを要求します。

 厚労省は、東京高裁判決に対して上告の可否を検討するだけで、全面解決について何も考えていません。
 6月2日の厚生労働省と原告らの交渉で、厚生労働省の担当者は、「上告もありうる」と発言し被爆者の怒りをかいました。全面解決の中身については、何一つ発言がありませんでした。厚労省に任せていては訴訟は解決しません。

 座り込みは以下の日程でおこないます。
 (当面9日~12日までの4日間、日比谷公園のかもめ広場、厚労省側にて。)

 6月9日(火) 11時座り込み開始
 6月10日(水)・11日(木) 10時~17時
 6月12日(金) 10時~16時
              
 日本原水爆被害者団体協議会/原爆症認定集団訴訟全国原告団
 原爆症認定集団訴訟全国弁護団/原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク

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検証会議(5月27日資料)

 平成21年度初回の検証会議が開始しました。
 5月27日の検証会議における配布資料がアップされました。「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて(第一次提言)の概要」、「厚生労働行政の在り方に関する懇談会 最終報告」や坂田さんが要求した「水俣病問題に係る懇談会の提言書」などです。

 なお、第1回から第12回までの会議資料及び議事録、第一次提言は、厚生労働省サイトからダウンロードできます。
 次次回の検証会議は、6月25日午後3時~5時の予定です。

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2009.06.03

医療ADR福岡 その2

 福岡県弁護士会が検討している医療ADR(Alternative Dispute Resolution)は、既に平成19年9月から東京三弁護士会の仲裁センター(東京第一弁護士会、東京第二弁護士会)、紛争解決センター(東京弁護士会)の中に設置されて運営されています。

 平成19年9月から平成20年8月まで1年間の申立件数は51件、相手方応諾率は63パーセント、終了件数は24件、うち和解成立数は16件(67パーセント)になっており、和解金額は、20万円台から500万円台です。

 この医療ADRのメリットは、当事者の負担する費用が訴訟より安く済み、かつ、審理回数が1回から数回と比較的短い期間で済むことと指摘されています。そして、医療機関側が過失を激しく争うなど紛争性が高い事案は、医療ADRには適していないと言われています。
 しかしながら、過失を認めているケースだけの処理であれば、現在の調停でも解決可能です。過失に争いがあるものの双方が歩みよる余地があるような事例について解決できるかが、医療ADRの一つの意義でしょう。

 また、厚生労働省が現在議論を進めている医療関連死モデル事業とのリンクも指摘されています。
 すなわち、診療中の患者の予期せぬ死亡(診療関連死)の死因究明と再発防止を目的に、医師と法律家による事案検討がなされていますが、この事業は、2010年度に「医療版の事故調査委員会(医療版事故調)」としての開始を目指しています。
 この医療版事故調は、医療的判断まで行いますが、一方で損害額の認定など法的判断までは行いません。医療版事故調が明確にした事実関係・医療的判断をベースに、当事者が医療ADRを申し立てることもあるでしょう。このように、医療ADRの意義としては、医療版事故調の受け皿ということも考えられるところです。

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2009.06.02

福岡県弁護士会ほか弁護士会によるTVCM

 福岡県弁護士会が、全国に先駆けて「多重債務のTVCM」を開始して3年目になります。昨年度は、多重債務だけではなく「交通事故無料相談のTVCM」も放映しました。
 九州弁護士連合会所属の各県弁護士会では、福岡のTVCMを利用して多重債務相談のCMを一斉に流す企画も検討しています。

Cmbanner

 そのほか、山形・大阪・仙台等の弁護士会でもTVCMを放映しています。福岡県弁護士会山形県弁護士会大阪弁護士会の各CMは、それぞれサイトから閲覧できます。

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