水俣病被害者救済法、成立へ
半世紀に渡り争われている水俣病訴訟。第2の政治決着が行われそうです。
1995年6月、当時の連立与党(村山総理)が、未認定患者を救済する政治解決を行ったものの、その後2004年、関西水俣病最高裁判決(最高裁平成16年10月15日判決判時1876号3頁)が、より幅広い症状を水俣病と認定した上で、水質二法の趣旨、目的について「この権限は、当該水域の水質の悪化にかかわりのある周辺住民の生命、健康の保護をその主要な目的の一つとして、適時にかつ適切に行使されるべきものである」として、国と熊本県の不作為を違法と判断しました。
そのため、2004年以降も新たな被害者が追加提訴を行うなど、紛争が継続していたものです。
与党は、民主党が求めていた5症状のうち、「大脳皮質障害による知的、精神、運動障害」を除く4症状を水俣病として法律に明記する方向で歩み寄る見込みです。
法律に明記される4症状は、「全身性の感覚障害」、「口の周囲の触覚もしくは痛覚の感覚障害」、「舌の二点識別覚の障害」、「求心性視野狭さく」。
なぜこの時期に合意に至ったかという背景には、選挙前に少しでも懸案を解決して得点を稼ぎたい与党、政権交代後に懸案を抱えたくない民主党のそれぞれの思惑がありました。
民主党は、水俣病訴訟弁護団事務局長であった松野信夫参議院議員を与野党協議の窓口責任者にしていました。しかし、「チッソの分社化の是非」を巡り平行線をたどるため、与党の申し入れを受けて、山岡賢次国会対策委員長が引き取り、一気に政治決着に突き進んでいるものです。
法律の対象となる被害者は3万人前後とも言われること、そして当初与党が法案に盛り込んでいた「地域指定の解除」が削除されること、申請期間を3年に限定する案を撤回したことなど、被害救済の側面からいえば一定に評価は下せるでしょう。
しかし一部被害者団体が強く反対している「チッソの分社化」が容認される見込みであるため、今後に禍根を残しかねません。
先日6月30日、薬害肝炎原告団弁護団が民主党鳩山代表と面談した際も、患者会の方々や弁護団が雨の中、衆議院議員会館の前で抗議の座り込みを行っていました。
水俣病発生の原因企業であるチッソの分社化によって、責任の所在が曖昧にならないように、そして被害者救済を貫徹する枠組み作りが求められています。






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