「少年法改正」には、2本の流れがあるので、分けて考えていく必要がある。
1 5年経過見直しによる改正
(1)改正施行
「少年法等の一部を改正する法律」は、2001年4月1日に施行。
改正少年法の概要
改正少年法全文
同法付則3条では、法施行から5年が経過した際、「改正」後の規定の施行状況を国会に報告し、検討のうえで必要な措置を講ずるとする。2006年4月、その5年が経過し、改正少年法の施行状況が報告された。
改正後の少年法の施行状況に関する報告(2006年6月)
右報告の概要
(2)法務省の動き
2005年12月27日、犯罪被害者等基本計画が、閣議決定。
同計画では、5年経過後の見直しにおいて、少年審判の傍聴の可否を含めて、犯罪被害者の意見要望をふまえた施策を実施するとしている。
犯罪被害者等基本計画全文
犯罪被害者等基本計画(少年関連抜粋)
そこで、法務省は、犯罪被害者・弁護士・学者等からのヒアリングとして、「改正少年法に関する意見交換会」を開催した。意見交換会は、2006年10月17日に第1回、同年10月30日に第2回、同年11月27日に第3回、同年12月11日に第4回が開催された模様である。(法務省HPには第3回までしかアップされていない。法務省ももう少し迅速な情報発信に力を入れて欲しいものだ。この点、日弁連・最高裁の方が迅速と評価できる)。
第1回改正少年法に関する意見交換会・議事録
第2回改正少年法に関する意見交換会・議事録
第3回改正少年法に関する意見交換会・議事録
(3)現状
以上のとおり、5年経過見直しによる法改正については、閣議決定された犯罪被害者等基本計画においても言及されている以上、政府としては、いずれ改正作業には着手すると思われる。ただし、具体的な法律案が、法務省より示されている段階ではなく、タイムスケジュールは不透明。
2 「警察官の調査手続き・14歳未満の少年院送致」に関する改正
(1)改正の内容
以上の5年経過の議論とは別に、少年法改正時に触れられなかった事項についての法改正作業は、かなり進んでいる。
内容は、①警察官によるいわゆる触法少年及びぐ犯少年に係る事件の調査手続き、②14歳未満の少年の少年院送致、③保護観察に付された者が遵守すべき事項を遵守しなかった場合の措置が柱。
法律案要綱(PDF)
法律案(PDF)
新旧対象条文(PDF)
(2)現状
第164国会(2006年1月20日~6月18日まで)において、同年2月24日、少年法改正法案として提出され、衆議院において継続審議となった。今年の第166回通常国会(2007年1月25日招集)でも審議される予定。
したがって、野党の対応次第では、7月の参議院選挙前に法案成立する可能性もある。
第165回臨時国会での審議内容(2006年11月14日)
改正少年法の審議経過情報(衆議院)
日弁連の対応
3 1本化して改正との考え
一方で、1の5年後の見直しと2の改正を別々に行うのではなく、1本化して改正すべきではないかとの考え方もある。実際、2006年の第164国会時の閣議後会見において、当時の法務大臣が1本化に言及した。
法務大臣閣議後会見(2006年6月16日)
4 少年犯罪・少年非行の現状
なお、犯罪白書によっても、少年法改正を稚拙に進める状況にはないことが明らかになっているというべきである。
平成17年度犯罪白書(少年非行統計)
平成16年度犯罪白書(少年非行統計)
平成15年度犯罪白書(少年非行統計)
平成14年度犯罪白書(少年非行統計)
平成13年度犯罪白書(少年非行統計)
平成12年度犯罪白書(少年非行統計)
平成11年度犯罪白書(少年非行統計)
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