公正取引委員会が、セブンイレブンに対して、優越的地位を濫用したとして独占禁止法違反を認定して、排除措置命令を出しました。セブンイレブンの加盟店が、消費期限の迫った弁当やおにぎりを値引き販売する、いわゆる「見切り販売」を禁止していた点に対する命令です。
この問題の背景には、「共存共栄」を図るといいながら、フランチャイズシステムがその運用次第では、本部のみが一人勝ちする問題点があります。
フランチャイズ契約とは、フランチャイズを運営する本部が、加盟店に対してそのノウハウを提供するかわりに、加盟店が本部に対して対価を支払う関係にあります。
その対価の一つがロイヤルティです。
大手コンビニでは、総売上利益に対する一定率とする方式(総売上利益方式)が採用されています。
このロイヤルティの計算式こそが、本部の利益を生み出す道具になっているのです。
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総売上利益 = 売上高 - {売上原価 -(廃棄商品額 + 棚卸ロス商品額)}
総売上利益 × ○○パーセント = ロイヤルティ
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ポイントは、ロイヤルティの基礎になる利益が、売上高から売上原価を控除したいわゆる粗利益ではないことです。粗利益に、売れ残った廃棄した商品額等を加えたものを基礎に計算されるわけです。
その結果、売れ残って廃棄した商品額が大きければ大きいほど、加盟店の支払うロイヤルティが増え、本部は、「もうかる」ということになります。一方、加盟店は、1店舗あたり年平均約530万円という廃棄商品の負担にくわえて、廃棄商品額を上乗せした総売上利益に対するロイヤルティという二重の損失を被ります。
加盟店は、廃棄商品額を少なくするためには、値引きしてでも商品を売ってしまう必要があるわけですが、セブンイレブンは、それを禁止していたというわけです。
セブンイレブンの指導していた「値引き販売禁止」は、この加盟店の自助努力を禁止し、本部の利益を確保していたというものですから、公正取引委員会の排除命令は、遅きに失したとはいえ当然の措置といえるでしょう。
なお、裁判例においては、ローソンの採用する「総売上方式」自体が、公序良俗に反して無効ではないかと争われたものがありますが、大阪地裁平成8年2月19日判決(判例タイムズ915号131頁)は、「直ちに私法上違法評価をもたらすものではない」と判断しています(なお、セブンイレブンの契約書の解釈として、総売上利益方式が許容されるか争われた平成19年最高裁判決もあり、不当利得返還請求を認めて加盟店の請求を認めた原審を破棄して、契約解釈上許されるとしています)。
このローソン事件は、加盟店による見切り販売はされていたものの、計算式自体の違法性を争った事例です。
セブンイレブンは、見切り販売を禁止していたわけですから、加盟店が本部を提訴した場合、今回の公正取引委員会の措置もふまえると、損害賠償が認められる余地があるといえるでしょう。
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