2009.12.12

中津市講演「最近の悪質商法と法律」

Nakatu 大分県中津市が主催する「消費生活市民講座」の講師として中津市役所で講演してきました。演題は「最近の悪質商法と法律」。

 深化し続けている(?)振り込め詐欺、相変わらずなくならない投資詐欺、最近増えている未公開株式を詐欺勧誘、フィッシング詐欺や仮装土地取引詐欺などのインターネットを利用した被害、社会的トピックスを利用する詐欺集団の手口(インフルエンザ商法、地上デジタル商法)などをお話ししました。

 50名ほどの聴衆の方は女性、ご年輩の方も多かったので、インターネット被害の話は控えめにして、高齢者を狙った詐欺の話をややふくらませたり、微調整しました。皆さんとても熱心に耳を傾けてくれたのでお話ししやすかったです。

 講演前には観光商業課の課長さんと名刺交換して歓談しました。
 人口8万人弱の中津市は博多からJRで1時間弱。福沢諭吉の居宅や中津城があることでも知られる観光地ですが、最近では中津城を築いた黒田官兵衛に注目が集まっているということ。というのもNHK大河ドラマに黒田官兵衛を主役にという誘致活動があるそうです。

 中津黒田家が関ヶ原の戦功で筑前52万国を与えられて福岡黒田藩が成立したわけですから、考えてみれば福岡と中津の縁はとても濃いものですね。ご準備頂きました中津市役所のご担当の方々、ありがとうございました。

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2009.11.26

「近未来通信」元専務ら6名を逮捕

 IP電話の勧誘を称して巨額の資金を集めていた近未来通信事件。
 全国で民事の集団訴訟が提起されていましたが、代表取締役であった石井優容疑者が国外逃亡したため、近未来通信が破産手続きに入ったものの全容解明には程遠い状況が続いていました。

 ついに警視庁は11月26日、役員の逮捕に踏み切りました。逮捕されたのは元近未来通信専務の日置茂容疑者、元同社常務の建石春雄容疑者、元同社技術管理部長の前田雅晴容疑者ら6名。

 一方、九州地区の被害者は、近未来通信と代理店契約を締結して巨額の利益を得ていた代理店に対して、既に集団訴訟を提起済みです。
 福岡地裁の次回弁論準備期日は、12月14日午前10時が予定されています。今後、被害者の本人尋問、代理店の尋問など証拠調べに進行していく予定です。

 この種の詐欺事件においては、民事の集団訴訟と刑事の強制捜査が車の両輪。例えば、宗教法人法の華事件においても、やはり民事事件が先行して進行する中、強制捜査が開始して全容解明が進みました。

 近未来通信事件においても、警視庁による巨額詐欺事件の全容解明に期待したいと思います。

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2009.09.04

福岡県も消費生活相談員を養成中

 9月3日に福岡県が実施する「消費生活相談員養成研修事業」の講師として講演してきました。
 これは、国の地方消費者行政活性化交付金を活用し、県内の消費生活相談体制の強化に取り組む福岡県の施策の一環です。全国各県でも実施されています。

 座学研修20日間、実地研修30日以上とかなり充実した内容です。私が依頼された研修科目は「情報通信サービスに関わる法律と基礎知識」。
 プロバイダ責任制限法、迷惑メール規制2法とその改正内容に始まり、ツイッター・クラウドコンピューティングなど最近の情報通信サービスを説明しました。

 受講者は26名ですが、600名を越える応募の中から書類選考、面接を経て選ばれた方々だけあって、とても意欲的な雰囲気だったのが印象に残りました。

 ちなみに26名中、サイトを持っている方1名、ブログは5名、MixiなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキングサービス)は2~3名、ツイッターは0名でした。何となく各サービスの広がりを反映しているようでおもしろい数字です。

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2009.08.04

個人年金保険の銀行窓口販売に関するトラブル

 2002年10月に銀行窓口で販売開始した個人年金保険についてトラブルが増えています。
 国民生活センターの集計によれば、1398件の相談が寄せられ、特に2008年度の相談件数は477件と前年度の2・3倍に達したようです。

 被害者は70歳台が4割近くを占め平均年齢は66・8歳。被害金額で一番大きい層は、「1000万円以上」が378件、「500万円台」が217件と高額被害が特徴です。

 被害者が銀行窓口で契約するケースが61・1パーセントに達しますが、「元本は減らない」、「あなたにピッタリの新商品」、「子どもに確実に残せる上に年3パーセントの利子がつく」などと執拗な説明を長い時間受けて、高齢者が根負けして契約するケースが多いようです。

 国民生活センターは、消費者へのアドバイスとして、「販売員の説明だけで判断せず、必ず資料を確認すること」、2「理解・納得できなければ、書面に署名捺印しないこと」などを指摘しますが、さらに高齢者の方は、配偶者や子どもさんにまず相談すること、定期預金ではなくあくまで「リスクの伴う保険商品であること」を理解する必要があるでしょう。

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2009.07.27

消費者庁はいずこへ

 8月末から9月にかけて、「消費者行政活性化事業」の一環として、福岡県消費生活相談員の研修が開催されます。今回私に講師依頼があったのは、その中の「情報通信サービスに関わる法律と基礎知識」というコマ。「情報通信サービス分野における新たなサービスの提供と新しい消費者問題について講義してください」ということですので、Twitter(ツイッター)なども取り上げてみたいと思って準備中です。

 この事業のそもそもの出発点は、消費者庁関連予算が計上されたことです。
 「地方消費者行政活性化のための基金」などに、平成20年度補正予算で255億円が計上されていました。

 消費者庁関連予算の概要

 政局の嵐の中で「消費者庁問題」はまだまだ影が薄い感じもしますし、選挙結果次第ではどこに向かうか不透明感もつきまといます。

 しかし「消費者庁設置は、消費者が主役となる国民本位の行政へのパラダイム・シフトを実現するものともいえ、その歴史的意義は大きく、戦後の行政機関の新設の中で、環境庁設置に匹敵するもの」(宇賀克也『消費者庁関連3法の行政法上の意義と課題』(ジュリスト1382号、36頁)とも指摘されています。

 消費者庁の趨勢は、裁判員制度とともに、司法が真の意味でこの社会に根付くかを問うている試金石のように思えます。

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2009.07.17

ツークリック詐欺

 メール送信した偽サイトにアクセスさせて個人情報を盗み取る「フィッシング詐欺」、ネットオークションを利用した「オークション詐欺」、クリックすると数万円の利用料金を請求する「ワンクリック詐欺」などインターネットを利用した様々な「悪徳商法」が引きも切らず発生しています。

 国民生活センターの発表している被害事例
 警視庁の説明

 「HTAを利用した新たなワンクリック詐欺」が報告されていましたが、さらに、「ツークリック詐欺」も見受けられるとのことです(トレンドマイクロの説明会

 この発展形とも言えるツークリック詐欺では、「電子消費者契約法」などを意識してか、ユーザーに同意を求める表示が何度も繰り返し表示される。およそこの手のサイトでは、じっくり契約内容や表示を読むユーザーは少なく、ダイアログが出てきてもどんどんクリックしてしまうことが多いというが、実はここに、ぱっと見ただけでは気付かれないように「入会金X万円を支払う」旨が明示されている。

 さらに、あえてコンテンツを少しだけ見せることで、「よく確認せずにクリックした自分が悪い、対価を支払わなければならない」と思わせるように仕向けるという。

 何回もクリックさせることで支払いを拒絶しにくい心理状況に陥らせる点がキモです。構造はワンクリック詐欺と全く同様であって支払う必要はありません。

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2009.07.10

ショートメッセージ(SMS)、異なる携帯会社で相互接続へ

 現在は同じ携帯電話会社でしか利用できないショートメッセージサービス(SMS)。
 ドコモが7月8日、ソフトバンクモバイル、KDDI、イー・モバイル、ドコモの4社間で、別の携帯電話会社の加入者間でもSMSを利用できる相互接続の実現のめどがたったことを明らかにしました。
 早ければ2010年度にも利用が開始します。

 確かに弁護士同士や依頼者に連絡する際も、同じ携帯電話会社か否か確認しないで済みますから便利です。

 ただ一方的に携帯にメール連絡が入るというのも億劫といえば億劫かもしれません。

 また「電話連絡されたし。連絡ない場合は職場に訪問します。090-○○○○-△△△△」というメッセージが入る、いわゆるSMSを利用した架空請求の増加が報告されています。

   宗像市消費生活センターの報告
   北海道立消費生活センターの報告
   鹿児島市消費生活センターの報告
   国民生活センターの報告

 SMSの相互乗り入れでこのような架空請求も増えると予想されますので注意が必要です。

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2009.06.24

セブンイレブン、弁当等廃棄分15パーセント負担ではだめ

0906711 公正取引委員会から独占禁止法違反で命令を受けたセブンイレブンは、加盟店が全額負担してきた弁当などの廃棄分の原価について15%負担すると発表しました。

 セブンイレブンは、記者会見で「廃棄することを怖がり、加盟店が萎縮した気持ちになることを懸念した」とコメントしたようです。しかし、公正取引委員会の命令の前から、加盟店は、全額廃棄分を負担してきていたのですから、「廃棄することは恐がり」というコメントは、良く意味が分かりません。

 加盟店による「見切り販売(値下げ販売)」が広がるのを押さえる意図があるのは明らかでしょう。

 しかし、本部の年間負担額が約100億円(15パーセント)見込みということは、全加盟店で約567億円(85パーセント)も廃棄損額が発生し続けることになりますから、見切り販売の動きは収まらないと思われます。

 そして、FC契約において「対等の関係の共存共栄」をうたっていること、見切り販売を抑制するのはブランドイメージを確保することが目的であると述べていることからすると、15パーセントという負担は余りにも小手先のものであって、50パーセント位は負担すべきものでしょう。

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2009.06.23

セブンイレブン、弁当見切り販売制限に排除命令

 公正取引委員会が、セブンイレブンに対して、優越的地位を濫用したとして独占禁止法違反を認定して、排除措置命令を出しました。セブンイレブンの加盟店が、消費期限の迫った弁当やおにぎりを値引き販売する、いわゆる「見切り販売」を禁止していた点に対する命令です。

 この問題の背景には、「共存共栄」を図るといいながら、フランチャイズシステムがその運用次第では、本部のみが一人勝ちする問題点があります。

 フランチャイズ契約とは、フランチャイズを運営する本部が、加盟店に対してそのノウハウを提供するかわりに、加盟店が本部に対して対価を支払う関係にあります。
 その対価の一つがロイヤルティです。
 大手コンビニでは、総売上利益に対する一定率とする方式(総売上利益方式)が採用されています。
 このロイヤルティの計算式こそが、本部の利益を生み出す道具になっているのです。

  総売上利益 = 売上高 - {売上原価 -(廃棄商品額 + 棚卸ロス商品額)}

  総売上利益 × ○○パーセント = ロイヤルティ

 ポイントは、ロイヤルティの基礎になる利益が、売上高から売上原価を控除したいわゆる粗利益ではないことです。粗利益に、売れ残った廃棄した商品額等を加えたものを基礎に計算されるわけです。
 その結果、売れ残って廃棄した商品額が大きければ大きいほど、加盟店の支払うロイヤルティが増え、本部は、「もうかる」ということになります。一方、加盟店は、1店舗あたり年平均約530万円という廃棄商品の負担にくわえて、廃棄商品額を上乗せした総売上利益に対するロイヤルティという二重の損失を被ります。

 加盟店は、廃棄商品額を少なくするためには、値引きしてでも商品を売ってしまう必要があるわけですが、セブンイレブンは、それを禁止していたというわけです。

 セブンイレブンの指導していた「値引き販売禁止」は、この加盟店の自助努力を禁止し、本部の利益を確保していたというものですから、公正取引委員会の排除命令は、遅きに失したとはいえ当然の措置といえるでしょう。

 なお、裁判例においては、ローソンの採用する「総売上方式」自体が、公序良俗に反して無効ではないかと争われたものがありますが、大阪地裁平成8年2月19日判決(判例タイムズ915号131頁)は、「直ちに私法上違法評価をもたらすものではない」と判断しています(なお、セブンイレブンの契約書の解釈として、総売上利益方式が許容されるか争われた平成19年最高裁判決もあり、不当利得返還請求を認めて加盟店の請求を認めた原審を破棄して、契約解釈上許されるとしています)。

 このローソン事件は、加盟店による見切り販売はされていたものの、計算式自体の違法性を争った事例です。
 セブンイレブンは、見切り販売を禁止していたわけですから、加盟店が本部を提訴した場合、今回の公正取引委員会の措置もふまえると、損害賠償が認められる余地があるといえるでしょう。

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2008.12.13

特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律

 訪問販売等によって不必要な商品を大量に購入させる被害が増加しています。そこで、特定商取引に関する法律等を一部改正する法律が、平成20年12月1日から施行されています。
 施行にあわせて改められた通達が公表されました。

 通信販売業者等が送信するメール広告について、承諾していない消費者に対するメール広告の提供の禁止の規定(オプトイン規制)が盛り込まれています。それに関連する法律等の条文解釈についてです。
 例えば、法第12条の3第4項は、通信販売のメール広告に、「通信販売電子メール広告の提供を受けない旨の意思を表示するために必要な事項」の表示を義務付けています。そして、省令第11条の6に規定されているオプトアウト(送信を希望しない旨の意思表示)の表示も「容易に認識できるように表示」することを義務付けています。
 公表されたガイドラインでは、「容易に認識できるように表示していない」の具体的例についてわかりやすく説明がなされています。

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