第19回検証委員会
21年12月4日15時から第19回検証委員会(薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会)が厚生労働省内の会議室にて開催されました。議題は、堀内研究班 添付文書のありかた 厚労省に対するアンケート 論点整理、第三者組織についてワーキンググループでの状況などです。
まず、被害調査を担当している東洋大学の片平教授から実態調査の現状について報告がなされました。
実態調査とは、本年10月5日までに和解成立した薬害肝炎原告団1205名から薬害肝炎被害の実態をアンケート調査するものです。現在、九州をはじめ各地弁護団事務局から各地原告団にアンケート用紙が送付され、返送期限が12月20日に指定されています。来年月8日の検証会議では取りまとめた概要を説明したいということです。また堀内班では医師に対するヒアリング調査も検討しているとのことです。
つぎに、添付文書の在り方、リスクコミュニケーション、患者からの副作用報告制度等について、活発な議論がなされました。
事務局から配布レジュメに従い、特に英国、アメリカの制度について説明がありました。
「英国はYellow cardによって、医師・薬剤師・看護士・患者および企業からの副作用報告を受け付けている。一般消費者向けの報告制度については、2008年2月から正式な制度の開始となった。1964年の制度開始以降、これまで6万を超える副作用報告が寄せられている。2008年の報告件数は約2万5000件であった」
「また、米国では、MedWatchによって、医療従事者・患者・消費者らから報告がされている。患者からの副作用直接報告は1993年に開始された。2008年データによると、医療従事者が約27万件、消費者が22・7万件である」
「FDAは2007年8月から、早期に情報を出す制度、アーリーコミュニケーションを開始した。データの不確実性はあるものの、その時点で判明している情報を適切に提供することによって、医師患者が必要な情報を考慮して治療を決定することができる」
質疑では、まず水口委員が口火を切ります。「患者への情報提供(資料4)で患者向けガイド作成の7名か。そうであれば兼任6名はどの程度の関与か」
PMDA「その通りです。6名は各分野毎に少しサポートしているという運営です」
清水委員「結構なシステムであるが、重篤という判断、決めるシステムはどのように運営されているか」
PMDA「厚労省から事業を開始するときに通知が出ており、添付文書についてこういう項目があるときに作りましょうとなっている。当委員会の第1次提言でも指摘されているので将来的課題とは認識している」
清水委員「英国・アメリカの運用は」
厚労省「英国のケースは副作用2万弱で日本と同じ程度。患者さんからくるのが1割の2000件近く。患者さんから来る情報は医学的な情報は十分でないところもある。英国の事例をみると、シグナル、警告情報として患者さんに起きていることをピックアップするような使い方のよう。アメリカは20万件という情報になっており、アメリカでどのような使い方をしているかは調べ切れていない。日本にこういう仕組みを入れていく場合には必ずしも正確ではない情報をどのように安全対策に役立てているかという問題になるだろう」
水口委員「レジュメを提出させて頂いた。現状の課題としては、医師患者にパラレルか。アクセスしやすくはない(厚生労働省のWEBまでいってもPMDAまではたどりつけていないのではないか)。患者向け医薬品ガイドを作成するのも迅速ではない。またガイドはあるけど書いていないというものも少なくない。情報が双方向ではない(患者からの副作用報告制度ないのは問題ではないか)」
「英国の経験からしても、患者からの副作用報告制度の創設が必要ではないか。システムとして患者に情報を伝えるために人員を配置すべき。選任1名、兼任6名ではなく、専門の部門をつくって必要であれば人を配置し、予算も要求していくべきだろう」
小野委員「PMDAでどこまでできて、できていないのか。患者からあがってくる情報をどのようにシステム化しているのか。見えやすい形で説明してほしい」
厚労省安全対策課「今まとめているので次回には説明したい」
坂田委員「FDAなどの資料は興味深かった。肝炎対策基本法が無事成立したので御礼申し上げる。薬害肝炎との闘いという本を皆さんに献本している。山口美智子さんのメッセージも入れているので読んで頂きたい」
椿委員「医薬品、製品安全も、危なくなっている人に個人の情報を使って説明できるようなシステムを政治で実現して欲しい。」
水口「広告見直しも最終提言にて触れるべき。何が広告なのかという点も議論して外的環境整備をしていくべきだ。イレッサの資料も配付したい」
さらに、第3者評価監視機関のワーキンググループからの報告もなされました。
「11月10日、12月3日と開催した。12月21日に3回目を予定している。考え方をまとめて1月の本委員会で議論してもらう。厚生労働省やPMDAから独立していないといけない。評価できるだけの専門性ももっていないといけない。迅速に行動できる機動性ももっていないといけない。3つの原則を前提に何をするのか。」
一つは、医薬品安全行政の在り方に関する調査していくこと。もう一つは、個別事象を対象とする監視。その際、既に存在する厚生科学審議会や薬事・食品衛生審議会との関係を整理する必要があるが、オンブズマンなので同じ問題に対して別のことをするという考え。
その目的のためにどうような権限・機能をもつことが適当か。実際の安全業務を行っているところに対してデータの開示を求める、きちんとやっていなければ勧告要請をするのでどうだろうかという方向で議論しているところである。また患者から直接情報が寄せられた場合に、厚労省やPMDAに対して問い合わせる、必要であれば自ら情報開示していく等も議論しているところである。
3番目としてどのような形式・仕組みが考えられるか(例えば常勤の委員をおいて常に問題を把握していく委員も必要ではないか等の議論をしている。それには厚生労働省・PMDAから独立した事務局を配置すべきではないか、これが重要ではないか。そして内閣府におく、厚生労働省内におくときには大臣官房におく等も議論している。いずれこの検討委員会でご議論頂きたいと思っている。
4番目に現実的に来年からスタートするとなると、法律を作るのは難しい。法律を作らずにやるためにはどのようなテクニカルな方法が良いかも議論している」
坂田委員から、第1次提言に対する対応状況について、例えば、「適応外使用について現在のところ、新たに実態調査は行う予定はありませんと回答しているが、非常に消極的ではないか」との質問がなされました。
これに対して、厚労省は「整理してご報告する」と答弁しました。
17時ころには政府からも山井政務官が途中参加し、「法案をつくって2年3か月もかかってしまったんだなと痛感している。本日も坂田さんら薬害肝炎原告団の委員も参加しているが、どうか再発を防止してほしい、そしてすべての患者さんが治療できるようにという願いであったと思います。前者については皆様方がやってくださることに感謝を申し上げたい。もう一つご報告して頂きたいのは、本日、民主党の中に肝炎対策の議員連盟が立ち上がりました。これは基本法であって予算をすぐ取れるというものではないので、今日の議員連盟では柚木・福田議員中心に小沢幹事長に挨拶に行き、何としても治療費助成を増やして欲しいと行動したようであります」と挨拶しました。
山井政務官は、レセプトのオンラインについては、「マニフェストで義務化ではなくなり、また事業仕分けされているので、財務省と復活折衝を行っていきたい」と、第三者機関の独立性については、「肝炎対策を進める上でいつもスピーディーにしていくことを考えている。法律を成立させるのは1年、2年、3年がかりになるので、いかにスピーディーに制度を作るかということと、独立性のある制度の兼ね合いと思うので厚生労働省内でも議論していきたい」とも述べました。
そして、清水委員からは、「39年の閣議決定で血液製剤が問題となっている。責任の所在がないまま推移している。2002年にできた血液法でようやう対応できるようになった。血液事業の観点からうすると法律をつくっていくことが大事、多少の紆余曲折あっても最終目的としては薬害防止法のような法律を目指して頂きたい」という意見が、坂田さんからは、「薬害資料館をぜひつくって頂きたい。国民をつなぐパイプ役、教育係りとして資料館を作って頂きたい」という意見も出されました。
検証会議も来年の最終報告書とりまとめに向けて佳境を迎えつつあります。





11月26日の衆議院可決を経て、本日30日参議院にて全会一致で可決し、肝炎対策基本法が制定しました。2年越し3度目の国会で、ようやく肝炎問題全面解決への大黒柱が立ちました。
予防接種によるB型肝炎感染被害について、最高裁が国の責任を認めたにもかかわらず、厚生労働省が積極的な対策を取ることもないまま集団訴訟が全国で継続しています。

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