2009.12.11

第19回検証委員会

 21年12月4日15時から第19回検証委員会(薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会)が厚生労働省内の会議室にて開催されました。議題は、堀内研究班 添付文書のありかた 厚労省に対するアンケート 論点整理、第三者組織についてワーキンググループでの状況などです。

 まず、被害調査を担当している東洋大学の片平教授から実態調査の現状について報告がなされました。
 実態調査とは、本年10月5日までに和解成立した薬害肝炎原告団1205名から薬害肝炎被害の実態をアンケート調査するものです。現在、九州をはじめ各地弁護団事務局から各地原告団にアンケート用紙が送付され、返送期限が12月20日に指定されています。来年月8日の検証会議では取りまとめた概要を説明したいということです。また堀内班では医師に対するヒアリング調査も検討しているとのことです。

 つぎに、添付文書の在り方、リスクコミュニケーション、患者からの副作用報告制度等について、活発な議論がなされました。
 事務局から配布レジュメに従い、特に英国、アメリカの制度について説明がありました。
「英国はYellow cardによって、医師・薬剤師・看護士・患者および企業からの副作用報告を受け付けている。一般消費者向けの報告制度については、2008年2月から正式な制度の開始となった。1964年の制度開始以降、これまで6万を超える副作用報告が寄せられている。2008年の報告件数は約2万5000件であった」
「また、米国では、MedWatchによって、医療従事者・患者・消費者らから報告がされている。患者からの副作用直接報告は1993年に開始された。2008年データによると、医療従事者が約27万件、消費者が22・7万件である」
「FDAは2007年8月から、早期に情報を出す制度、アーリーコミュニケーションを開始した。データの不確実性はあるものの、その時点で判明している情報を適切に提供することによって、医師患者が必要な情報を考慮して治療を決定することができる」

 質疑では、まず水口委員が口火を切ります。「患者への情報提供(資料4)で患者向けガイド作成の7名か。そうであれば兼任6名はどの程度の関与か」
 PMDA「その通りです。6名は各分野毎に少しサポートしているという運営です」
 清水委員「結構なシステムであるが、重篤という判断、決めるシステムはどのように運営されているか」
 PMDA「厚労省から事業を開始するときに通知が出ており、添付文書についてこういう項目があるときに作りましょうとなっている。当委員会の第1次提言でも指摘されているので将来的課題とは認識している」
 清水委員「英国・アメリカの運用は」
 厚労省「英国のケースは副作用2万弱で日本と同じ程度。患者さんからくるのが1割の2000件近く。患者さんから来る情報は医学的な情報は十分でないところもある。英国の事例をみると、シグナル、警告情報として患者さんに起きていることをピックアップするような使い方のよう。アメリカは20万件という情報になっており、アメリカでどのような使い方をしているかは調べ切れていない。日本にこういう仕組みを入れていく場合には必ずしも正確ではない情報をどのように安全対策に役立てているかという問題になるだろう」

 水口委員「レジュメを提出させて頂いた。現状の課題としては、医師患者にパラレルか。アクセスしやすくはない(厚生労働省のWEBまでいってもPMDAまではたどりつけていないのではないか)。患者向け医薬品ガイドを作成するのも迅速ではない。またガイドはあるけど書いていないというものも少なくない。情報が双方向ではない(患者からの副作用報告制度ないのは問題ではないか)」

 「英国の経験からしても、患者からの副作用報告制度の創設が必要ではないか。システムとして患者に情報を伝えるために人員を配置すべき。選任1名、兼任6名ではなく、専門の部門をつくって必要であれば人を配置し、予算も要求していくべきだろう」

 小野委員「PMDAでどこまでできて、できていないのか。患者からあがってくる情報をどのようにシステム化しているのか。見えやすい形で説明してほしい」
厚労省安全対策課「今まとめているので次回には説明したい」
坂田委員「FDAなどの資料は興味深かった。肝炎対策基本法が無事成立したので御礼申し上げる。薬害肝炎との闘いという本を皆さんに献本している。山口美智子さんのメッセージも入れているので読んで頂きたい」

 椿委員「医薬品、製品安全も、危なくなっている人に個人の情報を使って説明できるようなシステムを政治で実現して欲しい。」
 水口「広告見直しも最終提言にて触れるべき。何が広告なのかという点も議論して外的環境整備をしていくべきだ。イレッサの資料も配付したい」

 さらに、第3者評価監視機関のワーキンググループからの報告もなされました。
 「11月10日、12月3日と開催した。12月21日に3回目を予定している。考え方をまとめて1月の本委員会で議論してもらう。厚生労働省やPMDAから独立していないといけない。評価できるだけの専門性ももっていないといけない。迅速に行動できる機動性ももっていないといけない。3つの原則を前提に何をするのか。」

 一つは、医薬品安全行政の在り方に関する調査していくこと。もう一つは、個別事象を対象とする監視。その際、既に存在する厚生科学審議会や薬事・食品衛生審議会との関係を整理する必要があるが、オンブズマンなので同じ問題に対して別のことをするという考え。
 その目的のためにどうような権限・機能をもつことが適当か。実際の安全業務を行っているところに対してデータの開示を求める、きちんとやっていなければ勧告要請をするのでどうだろうかという方向で議論しているところである。また患者から直接情報が寄せられた場合に、厚労省やPMDAに対して問い合わせる、必要であれば自ら情報開示していく等も議論しているところである。
 3番目としてどのような形式・仕組みが考えられるか(例えば常勤の委員をおいて常に問題を把握していく委員も必要ではないか等の議論をしている。それには厚生労働省・PMDAから独立した事務局を配置すべきではないか、これが重要ではないか。そして内閣府におく、厚生労働省内におくときには大臣官房におく等も議論している。いずれこの検討委員会でご議論頂きたいと思っている。
 4番目に現実的に来年からスタートするとなると、法律を作るのは難しい。法律を作らずにやるためにはどのようなテクニカルな方法が良いかも議論している」

 坂田委員から、第1次提言に対する対応状況について、例えば、「適応外使用について現在のところ、新たに実態調査は行う予定はありませんと回答しているが、非常に消極的ではないか」との質問がなされました。
 これに対して、厚労省は「整理してご報告する」と答弁しました。
 
 17時ころには政府からも山井政務官が途中参加し、「法案をつくって2年3か月もかかってしまったんだなと痛感している。本日も坂田さんら薬害肝炎原告団の委員も参加しているが、どうか再発を防止してほしい、そしてすべての患者さんが治療できるようにという願いであったと思います。前者については皆様方がやってくださることに感謝を申し上げたい。もう一つご報告して頂きたいのは、本日、民主党の中に肝炎対策の議員連盟が立ち上がりました。これは基本法であって予算をすぐ取れるというものではないので、今日の議員連盟では柚木・福田議員中心に小沢幹事長に挨拶に行き、何としても治療費助成を増やして欲しいと行動したようであります」と挨拶しました。
 山井政務官は、レセプトのオンラインについては、「マニフェストで義務化ではなくなり、また事業仕分けされているので、財務省と復活折衝を行っていきたい」と、第三者機関の独立性については、「肝炎対策を進める上でいつもスピーディーにしていくことを考えている。法律を成立させるのは1年、2年、3年がかりになるので、いかにスピーディーに制度を作るかということと、独立性のある制度の兼ね合いと思うので厚生労働省内でも議論していきたい」とも述べました。

 そして、清水委員からは、「39年の閣議決定で血液製剤が問題となっている。責任の所在がないまま推移している。2002年にできた血液法でようやう対応できるようになった。血液事業の観点からうすると法律をつくっていくことが大事、多少の紆余曲折あっても最終目的としては薬害防止法のような法律を目指して頂きたい」という意見が、坂田さんからは、「薬害資料館をぜひつくって頂きたい。国民をつなぐパイプ役、教育係りとして資料館を作って頂きたい」という意見も出されました。

 検証会議も来年の最終報告書とりまとめに向けて佳境を迎えつつあります。

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2009.11.30

「肝炎対策基本法」が成立、その具体的内容と課題

 肝炎対策基本法が11月30日午前10時22分、参議院で可決され成立しました。
 賛成154、反対0の全会一致でしたが、政争のあおりで自民党が欠席する中での成立となりました。
 その後、薬害肝炎原告団は、薬害肝炎救済法、そして肝炎対策基本法の成立に尽力頂いた全政党をまわって御礼を伝えました。

 鳩山首相との面談では、総理が「本当に長い間頑張られたことが実を結んだ。しかし、その間多くの方が亡くなったのは非常に残念。予算が不十分ならば皆さんの期待には応えられない。まだ先は長いが、新政権として頑張っていきたい。人の命を大切にする政治をしなければとの思いでいる」と発言。長妻大臣も、「これを糧にB・C型患者の医療費助成をしなければと考えている」と述べました。

 肝炎対策基本法の具体的内容、そして何が達成できて、何が今後の課題かをまとめました。全国原告団代表の山口美智子さんの声明とともにご覧下さい。
 なお、本日夜11時30分からのニュースジャパンに薬害肝炎九州原告団元代表の福田衣里子議員が生出演します。

Q1 肝炎対策基本法はどうして成立したのですか?
A1 日本にはB型肝炎・C型肝炎に感染している人が350万人、患者が60万人いると推計され、国内最大の感染症となっています。肝炎が放置すると肝硬変・肝がんに進行する恐れがあります。現在においても経済的負担の重さから治療を断念せざるを得ない人がいるなど適切な治療を受けられず苦しんでいます。
 このような状況にかんがみ、感染者・患者の人権を尊重しつつ、肝炎対策を国民的な課題として位置づけ、肝炎克服に向けた取組を強力に推進していくことが求められているからです(国会における法案趣旨説明より)。

Q2 肝炎対策基本法の内容は?
A2 肝炎対策基本法は、肝炎対策の基本理念を定めるとともに、国・地方公共団体の責務を明らかにした上で、肝炎の予防・早期発見・療養に係る経済的支援等の施策を総合的に推進するものです(国会における法案趣旨説明より)。

Q3 肝炎対策基本法の対象患者は?
A3 すべての感染者及び患者の方々を対象にしています。

Q4 肝炎対策基本法の具体的・主たる内容は?
A4 以下の9つが具体的・主たる内容です(国会における法案趣旨説明より)。
 まず一つが国の責任を明記した前文を設けることです。つまり、「薬害肝炎事件では、感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止し得なかったことについて国が責任を認め、集団予防接種の際の注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスの感染被害を出した予防接種禍事件では、最終の司法判断において国の責任が確定していること等を踏まえて制定した」旨の前文を設けました。
 第2に、肝炎対策の基本理念として、肝炎研究の推進・成果の普及、居住地にかかわず肝炎の検査・適切な治療を受けられること、施策の実施にあたって差別されないよう配慮することを掲げました。
 第3に、国・地方公共団体・医療保険者・国民・医師の責務を明らかにするとともに、政府は、肝炎対策を実施するための財政上の措置を講じなければならないと定めました。
 第4に、厚生労働大臣は、肝炎対策推進協議会(下記第8番目の内容参照)の意見を聴いた上で、肝炎対策基本指針を策定するものとされました。
 第5に、国および地方公共団体は、肝炎検査の質の向上を図るための必要な施策を講ずるものとされました。
 第6に、国および地方公共団体は、医師の育成、専門的な肝炎医療を行う医療機関の整備、連携協力体制の整備を図るための施策を講ずるものとされました。
 第7に、国および地方公共団体は、肝炎患者が適切な医療を受けることができるよう経済的な負担を軽減するために必要な施策を講ずるものとされました。
 第8に、厚生労働省に肝炎対策推進協議会を設置することを定めました。協議会は、肝炎患者、家族、遺族を代表する者、医療従事者、学識経験者から構成されます。
 第9に、肝硬変および肝がんの患者に対する支援の在り方については、今後必要に応じ、検討が加えられるものとすることが定められました。

Q5 いつから施行されますか
A5 来年(平成22年)1月1日から施行されます。

Q6 課題はないのでしょうか?
A6 肝炎が国民病になったことについての国の責任を明記するとともに、国・地方公共団体・医療従事者等の責務を定めた点は評価できる一方、具体的な予算措置は記載されていません。年末の予算編成にむけて実際に「肉付け」していくことが課題になります。

Q7 まずどのような予算措置がとられそうですか?
A7 肝炎の唯一の根治治療であるインターフェロン治療は、現在、収入に応じて、月1万円、3万円、5万円の自己負担になっています。これを原則月1万円にするのが、従来の民主党の主張です。
 また、B型肝炎の抗ウイルス療法についても負担軽減策が講じられると予測されます。

Q8 インターフェロンや抗ウイルス療法の医療費助成は本当に実現されますか?
A8 肝炎対策基本法はその成立にあたり、付帯決議も行われ、「肝炎患者が適切な治療を行えるよう、インターフェロン治療の医療費助成を適切に講ずるとともに、B型肝炎の治療に有効な他の抗ウイルス療法等に対する医療費助成についても早期実現を図ること」と定められました。医療費助成の早期実現は、政府の責任であり、政治の責任というべきです。

Q9 そのほかの付帯決議の内容を教えてください。
A9 肝炎対策基本法の制定にあたり、以下の8項目の付帯決議がなされています。
 1つは、施行にあたり肝炎患者等であることを理由に差別されないよう人権尊重に最大限の配慮を行うこと、2つめはA7の医療費助成、3つめは、治療と社会生活を両立できるよう、地域における診療体制の整備や勤務時間等について企業等に柔軟な対応を求めること、4つめは、肝炎治療のための休職・休業を余儀なくされた患者に対する支援について早急に検討を行うこと、5つめは、地域の拠点病院の整備を図るとともに専門知識及び技能を有する医療スタッフ育成のために必要な措置を検討すること、6つめは、肝炎医療を行う上で必要が高い医薬品等について治験を迅速かつ確実に行うための体制の整備等を講ずること、7つめは、肝炎以外の慢性疾患についても必要な財政支援のありかたについて検討すること、8つめは、肝炎対策推進協議会の人選にあたっては、肝炎患者等をはじめとした幅広い理解を得られるよう公正中立を旨とすること等です。

Q10 薬害肝炎救済法と肝炎対策基本法はどういう関係ですか?
A10 2008年1月に成立した薬害肝炎救済法は、2002年10月に提訴してその後、東京・大阪・福岡・名古屋・仙台の5地裁で争われ一審判決が出された薬害肝炎訴訟事件の解決のために成立された法律です。つまり、対象は、フィブリノゲン、クリスマシン、PPSBニチヤク等の特定の血液凝固因子製剤投与によって感染した被害者を対象とした法律でした。
 一方、本日成立した肝炎対策基本法は、薬害か否か、そして感染原因を問わず、すべての肝炎患者を対象とした法律という関係になります。

Q11 薬害肝炎原告団弁護団の活動目標と肝炎対策基本法の関係は?
A11 薬害肝炎原弁は、提訴直前の2002年8月夏合宿で、大きな二つの活動目標を掲げました。1つ目は、薬害肝炎被害者の救済、2つ目は、全肝炎患者の救済でした。前者は薬害肝炎救済法で、後者は肝炎対策基本法で一定の道筋がたち、薬害肝炎原弁の活動も一つの大きな区切りの日を迎えました。

Q12 そうすると薬害肝炎原弁の活動も終了ですか?
A12 いえ、「道筋がたった」と言ってもその実現はこれからです。つまり、薬害肝炎被害者の救済(追加提訴による和解)も各地裁で継続中です。そして薬害肝炎救済法は平成20年1月16日の施行から5年間の救済を明記しており(同法5条「給付金の請求期限」参照)、少なくとも平成25年1月16日まで救済活動が継続します。
 また、肝炎対策基本法についても、Q6Q7のとおり、これからの肉付けが大事になり、それをこれからも求めていくことになります。

Q13 具体的な薬害肝炎原弁のこれからの活動はどのようになりますか?
A13 大きく4つになるでしょう。1つは、訴訟を通じた薬害被害者の救済、2つは、国との基本合意に基づいて実施されている検証会議を通じた再発防止の実現、3つは、肝炎対策基本法を実現する恒久対策の実現、そして、以上を実現するために障害となる特定の課題を取り上げ、解決を求める年に一度の大臣協議の開催です。

 「肝炎対策基本法成立に際しての声明」  薬害肝炎全国原告団代表 山口美智子

071204yama 11月26日の衆議院可決を経て、本日30日参議院にて全会一致で可決し、肝炎対策基本法が制定しました。2年越し3度目の国会で、ようやく肝炎問題全面解決への大黒柱が立ちました。

 2002年10月の薬害肝炎訴訟の初提訴以来、5年の闘いを経て昨年1月の薬害肝炎救済特別措置法が制定しました。その際、薬害肝炎原告団は、やっと全面解決への土台ができただけなので早急に350万人の患者に対する支援策の実現をと、当時の福田首相や舛添厚労相に訴えました。全ての政党も超党派でウィルス性肝炎患者の支援策の実現に向けてさらに取り組むと約束してくださいました。

 ところが、国会も世論も、まるで肝炎問題は完結したかのような風潮でした。それからの1年半、薬害肝炎原告団は、あらゆる場で「肝炎問題は終わっていません」と言い続け、また肝炎患者3団体(日肝協、B型肝炎訴訟原告団、薬害肝炎原告団)が連帯し「もう待てない 350万人のいのち」のスローガンのもと、集会や街頭での全国キャンペーンを展開してきました。約28万筆の署名が集まり、国会に請願もしました。
 しかしながら、不安定な政局に振り回され、与野党から提出されていた2つの法案も廃案になってしまったのです。またもや肝炎患者の命が置き去りにされてしまったと、会期末ぎりぎりまで諦めずに活動してきた薬害肝炎原告団は打ちひしがれました。それは、この間、薬害肝炎原告団の元原告等が治療を開始し、強い副作用をおして国会要請活動を重ねてきたからです。私自身、「今こそ勝負の頑張り時」と何度呼びかけてきたことでしょうか。

 その後政権交代しての臨時国会では、政治の責任を果たして頂けると静観の体勢でいたのですが、国会召集となっても、肝炎法案は上程されないままでした。やはり当事者である患者自らが動かなければ何も進まない現状を改めて思い知らされ、薬害肝炎原告団は国会要請行動を重ねました。
 その結果、まったなしの肝炎患者の状況を理解していただいた超党派の国会議員の方々のご尽力により、ようやく今日という日を迎えることができました。

 薬害肝炎原告団の最終目標である「ウィルス性肝炎患者が安心して治療に専念できる恒久対策」実現への大きな一歩を踏み出したことは確かです。
 全面解決への「大黒柱」ができたからには、予算措置という「梁」ができてこそ、しっかりとした肝炎患者救済につながります。「命を大切にする政治」が「命を救済する予算措置」を実現してこそ、政権交代の意味があるのです。

 さあ、次なる闘いの先頭に立たれるB型肝炎訴訟原告団へ、薬害肝炎原告団から本日バトンを渡します。
 そしてこれまで私たち薬害肝炎原告団を支えていただき、共に闘っていただいた皆さまに対して心より感謝申し上げます。

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2009.11.27

肝炎対策基本法が参議院厚生労働委員会で可決、30日成立へ

 昨日衆議院で可決された肝炎対策基本法は、本日10時14分~10時20分、参議院厚生労働委員会にて審議されました。
 まず、藤村修議員(衆議院厚生労働委員会委員長)から「肝炎対策基本法案」の趣旨説明がなされました。そして直ちに採決され、全会一致で原案通り可決すべきものと決定しました。
 30日午前10時からの参議院本会議で可決・承認される運びです。

 薬害肝炎原告団はこの2年間、BC全肝炎患者を対象とした基本法の制定を求めて活動してきました。ようやくその活動が実を結ぶ日が来ます。

 肝炎対策基本法制定をめぐる主な経過

 2007年
 7月29日  参議院議員選挙
 8月 2日  原告団が小沢民主党代表と面談(1)
10月 2日  民主党が参議院に「肝炎治療費助成法案」を提出
11月 7日  原告団が舛添厚労大臣と面談(1)
   16日  与党(自公)が衆議院に「肝炎対策基本法案」を提出
12月 4日  原告団が舛添厚労大臣と面談(2)
   10日  原告団が大野副官房長官と面談
   13日  原告団が小沢民主党代表と面談(2)
   23日  福田総理・自民党総裁が議員立法による全員一律救済の議員立法を与党に指示
   25日  原告団が福田総理大臣と面談(1)
   28日  与党(自公)PTが「薬害肝炎被害者全員救済法案の骨子」を発表

 2008年
1月11日  薬害肝炎救済特別措置法制定・施行
1月15日  原告団・弁護団と厚労大臣との基本合意書締結、原告団が福田総理と面談(2)
3月17日  第1回・国との定期協議(舛添厚労大臣出席)
4月 1日  予算措置でインターフェロン治療に対する一部医療費助成開始
5月14日~15日 原告団が肝炎患者支援法制定を求める国会請願行動
5月20日  日本肝臓病患者団体協議会とともに国会請願行動
8月 1日  第2回・国との定期協議(舛添厚労大臣出席)
9月 9日  第3回・国との定期協議(舛添厚労大臣出席)
12月 4日  与党(自公)PTが厚生労働省に「新しい肝炎総合対策の一層の推進について」要望書を提出
12月14日  患者3団体が肝炎患者支援のための全国キャンペーンをスタート
12月18日  民主党が原告団のヒアリング
      *「現状では与党が協議に応じないので、民主党に政権交代すれば、
      直ちに、国の責任、具体的な治療費助成を明記した肝炎患者支援法を成立させる。」

 2009年
1月27日~28日 原告団が国会請願行動、各党ヒアリング
1月28日  共産党が全党協議の呼びかけ
1月30日  原告団が藤村ネクスト厚労大臣らと面談(1)
2月 4日  民主党ネクスト大臣会議で「肝炎治療費助成法案」修正案をまとめる
2月 6日  原告団が藤村ネクスト厚労大臣らと面談(2)
2月12日  患者3団体が志位共産党委員長らと面談
2月13日  原告団が園田自民党政調会長代理と面談
2月18日  原告団が民主党・公明党・社民党・国民新党のヒアリング、与野党協議を要請
2月20日  野党4党が衆議院に「特定肝炎対策緊急措置法案」を提出
3月31日  患者3団体が国会請願行動、署名提出(8万9748筆)
5月 7日  原告団が国会議員全員を対象に肝炎患者支援法制定に関するアンケート実施
        (5月20日までに212議員から回答、ほとんどが制定に賛成)
5月21日  患者3団体が国会請願行動、署名提出(18万6046筆)
6月24日  民主党が患者3団体ヒアリング
6月30日  患者3団体が鳩山民主党代表らと面談
        *「民主党政権を取った暁には国の責任を明記した法律を成立させます」
7月 9日  与党(自公)PTが「国会会期がある限り肝炎立法に取り組む」など再確認
7月21日  衆議院解散。肝炎対策基本法案・特定肝炎対策緊急措置法案が廃案
7月28日  第4回・国との定期協議(舛添厚労大臣出席)
8月30日  衆議院議員選挙
9月15日  患者3団体が肝炎患者支援法制定を求める院内集会
10月20日  患者3団体が国会請願行動、与野党協議を要請
10月22日  原告団が谷垣自民党総裁と面談
10月24日  患者3団体約450人が全国18地域でキャンペーン(ビラ8千枚、署名5千筆)
10月29日  長妻厚労大臣と面談
10月30日  松野副官房長官と面談
11月 6日  鳩山総理が参議院予算委員会で肝炎対策基本法案につき答弁
        *「どういう形であれ法案を出して成立させたい。約束する」
11月10日  患者3団体が国会請願行動、署名提出(8万8655筆)
        自公議員が原告団と懇談会、自公が衆議院に「肝炎対策基本法案」提出
        原告団が鳩山総理大臣らと面談
        *「肝炎対策基本法の成立に全力を尽くす。臨時国会での成立の努力を約束する」
11月12日  民主党が自公へ法案修正申入
11月16日  原告団が民主党から肝炎立法制定についての説明を受ける(自公への再修正申入)
11月24日  自公が決議案を与党に申入
11月25日  民主党・自民党内で決議案協議

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2009.11.26

「近未来通信」元専務ら6名を逮捕

 IP電話の勧誘を称して巨額の資金を集めていた近未来通信事件。
 全国で民事の集団訴訟が提起されていましたが、代表取締役であった石井優容疑者が国外逃亡したため、近未来通信が破産手続きに入ったものの全容解明には程遠い状況が続いていました。

 ついに警視庁は11月26日、役員の逮捕に踏み切りました。逮捕されたのは元近未来通信専務の日置茂容疑者、元同社常務の建石春雄容疑者、元同社技術管理部長の前田雅晴容疑者ら6名。

 一方、九州地区の被害者は、近未来通信と代理店契約を締結して巨額の利益を得ていた代理店に対して、既に集団訴訟を提起済みです。
 福岡地裁の次回弁論準備期日は、12月14日午前10時が予定されています。今後、被害者の本人尋問、代理店の尋問など証拠調べに進行していく予定です。

 この種の詐欺事件においては、民事の集団訴訟と刑事の強制捜査が車の両輪。例えば、宗教法人法の華事件においても、やはり民事事件が先行して進行する中、強制捜査が開始して全容解明が進みました。

 近未来通信事件においても、警視庁による巨額詐欺事件の全容解明に期待したいと思います。

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肝炎対策法、ついに衆議院通過か!?

 国の責任に基づいてB型肝炎、C型肝炎の治療体制整備を進める「肝炎対策基本法(肝炎患者支援法)」。早ければ午前中の厚生労働委員会を通り、午後の衆議院本会議を通過する可能性があります。

 その場合、東京・福岡でともに15時30分から記者会見を開催します。C型肝炎九州原告団は、山口美智子さんが東京で、出田妙子さんが福岡で立ち会う予定です。
 特に福岡は、B型肝炎九州原告団からC型肝炎九州原告団に対する正式な支援要請会が開かれる予定でしたので、B原告C原告共同で会見にのぞみます。

 11月26日(木) 15時30分 福岡第一法律事務所会議室

 「すべての肝炎患者の救済を目的とした議員立法の肝炎対策基本法案が、今国会で成立する見通しとなった。与野党は25日、法案の内容について合意。26日の衆院厚生労働委員会に委員長提案の形で提出され、同日の本会議で衆院を通過する運びだ。

 肝炎対策基本法案は、自民、公明両党が与党時代に提出した法案がベース。肝炎患者の経済的負担の軽減や予防の推進など、国や自治体に患者支援の拡充を求める内容。

 前文では国が訴訟で敗訴したB型、C型肝炎について「国の責任」に触れた上で、裁判を起こしていない患者にも配慮した文言を盛り込む。
 一方、自民党は休職した患者の所得保障を検討することなど8項目の付帯決議を採択するよう求めており、26日に引き続き協議する。

(時事通信(2009/11/25-20:59)

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2009.11.24

肝炎患者救済へ付帯決議案

 肝炎対策基本法について、自民党公明党が、衆院厚労委付帯決議案を作ったようです。差別禁止やB肝含めた医療費助成などもっともな内容です。
 一方で、「治療中の所得補償」は、自公が政権側にいる時には頑なに拒絶していた事項。
 「肝炎問題」を政争の具にせずに、肝炎対策基本法のこの臨時国会での早期成立を求めたいと思います。

 肝炎患者を救済する法案をめぐっては、民主党と自民党の担当者がすべての患者の経済的な負担を軽減することなどを盛り込んだ法案の成立を目指すことで合意し、与野党が具体的な条文の調整を進めています。
 こうしたなか、自民党は、「肝炎患者の経済的な負担を軽減するために必要な施策を講じる」とした法案の条文だけでは、きめ細かな救済が実行できないとして、8項目に及ぶ付帯決議案をまとめました。

 決議案には、肝炎患者が治療のためやむをえず仕事を休んだ際の所得を保障する、さらなる立法措置を早急に検討することや、患者が治療と社会生活を両立できるよう休日や夜間の診療態勢の環境整備に努めることなどが盛り込まれています。自民党は、公明党と協議するとともに今週にも付帯決議案の内容を民主党に示し、協力を得て、今の国会で法案の成立とあわせ、付帯決議案の採択を実現したいとしています。

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2009.11.23

「肝硬変と宣告されて B型肝炎訴訟の現実」

 国会の与野党攻防の波で先行きが不透明な肝炎対策基本法。「命と健康」に政局は関係なしという視点で関係者には最後まで粘っていただきたいものです。
 また肝炎対策基本法が成立しても、国が解決すべき肝炎問題のゴールではありません。

Newsjapan_2 予防接種によるB型肝炎感染被害について、最高裁が国の責任を認めたにもかかわらず、厚生労働省が積極的な対策を取ることもないまま集団訴訟が全国で継続しています。
 今晩のニュースジャパンでは、B型肝炎北海道原告の清本太一さんの特集が流されます。ぜひご覧ください。

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2009.11.18

原爆症救済法成立か

 舛添要一前厚生労働大臣が11月17日、原爆症認定集団訴訟の敗訴原告救済法案を自民党公明党の議員立法で提出する方針を明らかにしました。

 原爆症認定集団訴訟は2003年4月、7名の被爆者が札幌、名古屋、長崎の各地方裁判所に、原爆症と認定しなかった国の却下処分の取消しを求める訴訟を提起してスタート。
 この集団訴訟は原爆症の認定枠組み(認定基準)自体の見直しを求めるものでした。

 国(厚生労働省)も相次ぐ勝訴判決を突きつけられて、認定基準の見直しを図ってきましたが、それでも救済されなく敗訴した15名の原告を基金で救済するというのが法案の骨子です。

 「敗訴原告の中にも認定されるべき人はいるはずで納得できない」(長崎市原告・西日本新聞コメント)という声があるのも事実ですが、「全員救済」を図るための集団訴訟解決の「知恵」と評価できるでしょう。

 むしろこの救済法をてこに認定基準を今後どのように改善し、早期認定作業を行っていくか(現在も7000人以上が審査待ち)が政府には問われているといえます。
 

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2009.10.15

B型肝炎訴訟の全面解決をめざす院内集会

 B型肝炎訴訟の全面解決をめざす院内集会が10月15日、議員会館にて行われました。B型肝炎全国原告団による初めての大規模な国会ローラー活動になります。

 集会では、九州訴訟原告団の谷口三枝子代表が出席した与野党の国会議員に「給付金の支給を定めた薬害C型肝炎の救済法と同様の立法措置で、被害回復を図ってほしい」と要望。
 元薬害肝炎訴訟九州原告団長の福田衣里子衆院議員は「感染者が苦しみを抱え、懸命に生きていることを国は認め、対策を取らなくてはいけない」と述べた(共同通信)

 民主党政府は、次々と旧政府の政策をひっくり返して政策変更を行っています。
 ですが、外部(被害者団体)からの要望を受けて政策変更を行えるか。そこに政府としての柔軟性、力量が問われています。

 民主党が政権を取って初めて直面する大規模集団訴訟が「B型肝炎訴訟」。

 日本の集団訴訟の歴史はいわば自民党政権に対して政策変更を迫る闘いでしたが、その集団訴訟にどのような変化が起きるのか。
 そういう視点でも民主党政権の対応を見守る必要があります。

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2009.10.08

動き出すB型肝炎訴訟

 Gaisen1最高裁判決後も国が全面救済に動き出さないために、全国各地で一斉提訴しているB型肝炎訴訟。
 福岡地裁では既に原告本人尋問がスタートしたほか、国会での要請行動も本格化しています。

 薬害肝炎弁護団もB型肝炎弁護団と連携して、肝炎患者支援法の制定を目ざしています。
 特に九州では、薬害肝炎九州弁護団の一部若手がB型肝炎九州弁護団にも入り実働として活動しています。

 今後全国の各地裁でも原告本人尋問が開始すると予想され、肝炎患者支援法の取扱いを巡る国会の動きとともに目が離せません。

 福岡地裁(10月13日)
 午後0時30分~0時55分 裁判所前集会
 午後1時 傍聴券抽選
 午後1時30分 原告本人尋問(301号法廷)
 終了後 記者会見・報告集会(中央市民センター3階ホール)
 午後6時00分 懇親会

 B型肝炎訴訟の全面解決をめざす院内集会(10月15日)
 日時:午前11時から12時すぎまで
 場所:衆議院第1会館第1会議室
 薬害肝炎原告団代表の山口美智子さんも参加して挨拶します。

 肝炎患者支援法制定を求める全国一斉街宣(10月24日)
 日時:14時(注:開始時間が12時から14時に変更してます)
 場所:西鉄福岡駅前、宝くじ売り場(旧岩田屋)

 東京、広島、愛媛、滋賀、京都(25日)でも実施予定です。

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