福岡県弁護士会

2012.01.24

近来通信福岡地裁判決(判例時報2132号84頁)

 近未来通信の九州地区の代理店に対して被害者が損害賠償請求を求めていた訴訟で、福岡地裁第1民事部(田中哲郎裁判長)は平成23年3月31日、代理店の法的責任を認め、5人の被害者に対して、合計金4740万6138円の支払いを命じていました。

 この福岡地裁判決が、最新号の判例時報(2132号84頁)に掲載されました。

 本件は、株式会社近未来通信の九州地区の代理店及びその代表者から勧誘を受けて、近未来通信と業務協約を締結した被害者らが、代理店及びその代表者は、近未来通信の事業が将来破綻することを知った上で、原告らを勧誘したものであり、故意により損害を被らせたと主張しました。

 また、仮に故意がなくても代理店として近未来数審の事業の収益性等について調査してこれを説明すべき義務があるにもかかわらず、これを怠った過失によって損害を被らせたとも主張しました。

 福岡県弁護士会のHP委員会のIT110番(無料電話相談)を経て、同委員会および消費者委員会の有志10名が原告弁護団を結成して、平成20年12月16日に提訴。
 平成21年2月13日の第1回期日後、14回の期日を経て、平成22年12月8日に結審して、判決が言い渡されていたものです。

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2012.01.17

架空社債詐欺が頻発~福岡県警発表

 福岡県警が1月16日、福岡市内の女性2人が社債や株の取引を装う詐欺の被害に合い、合計1億円を詐取されたと発表しました。

 手口は勧誘パンフレットを送付後、買い取り業者を名乗って社債を勧誘するというもの。

 この女性の場合、買い取り業者「セントラルロードコンサルティング」社員を名乗る者から、「社債は値上がりする。絶対に損はさせない」という電話を受けて、東南アジアで開発事業をする「サイバービュー」社の社債を勧められていたものです。

 未公開株の被害に合った方が、名簿流出によって二次被害に合うケースも散見されます。一度被害にあった高齢者のご家族などは特に目配りしておくべきでしょう。

 なお詐欺会社はスクラップ・アンド・ビルドでどんどん潰していきますので、すぐに関係機関に相談することが肝要です。

 福岡県警によると、県内で昨年1年間に確認された投資話を装った詐欺事件による被害は24件、総額2億7625万円に上る。県内の消費生活センターには昨年、397件と前年の約3倍の被害相談や情報提供があった。

 典型的な手口は「劇場型」と呼ばれるもの。架空の社債購入を勧めるパンフレットが自宅に届き、証券会社などを名乗る複数の業者が勧誘してくる例が多い。金融庁など公的機関を装ったり、代理購入を持ちかけたりする手口も目出つ(1月17日日経新聞)。

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2012.01.15

B型肝炎特別措置法が1月13日より施行

 予防接種B型肝炎訴訟は、政府と原告弁護団との間に基本合意が成立し、各地で和解が進んでいます。

 B型肝炎特別措置法(特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法)が政令398号により、平成24年1月13日から施行されています。

  ・B型肝炎特別措置法   ・政令398号
  ・支給内容   ・給付金に関するQ&A

 B型肝炎訴訟の和解協議が13日、札幌地裁(石橋俊一裁判長)であり、北海道原告団副代表の清本太一さん(34)=札幌市北区=ら15人の個別和解が成立した。昨年末現在、全国15地裁に提訴した2154人のうち、和解成立は112人になった。

 15人は▽肝がん5人▽軽度の肝硬変1人▽慢性肝炎7人▽未発症者(キャリアー)2人--で、症状に応じて3600万~50万円の和解金を受け取る。肝がんの60代男性は「死と向き合い、偏見差別にさらされた年月を思うと、何億円積まれても納得できない」、慢性肝炎の60代男性は「多くの原告が解決を待ち望んでいることを思うと心から喜べない」とコメントした。

 被害者を救済する特別措置法は13日施行されたが、提訴してウイルス感染と予防接種の因果関係などを証明することが必要(1月13日毎日新聞)。

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2012.01.14

医療ADRの試みと医療訴訟の実務的課題

 「医療ADRの試みと医療訴訟の実務的課題」と題する千葉地裁裁判官の論文が、判例時報(2128号、2129号)に掲載されています。

 日本における医療ADRの現状と課題を分析しつつ、アメリカにおける医療ADRの実情を紹介。その上で、医療訴訟の方向性で結ばれていて参考になりました。

 例えば、医療ADRの実情については、「弁護士会ADRでは、和解あっせん人は、ボランティア的な立場で関わっていることが多い」、「医療ADRが対話促進機能を有し、訴訟提起を予防する効用を有することへの理解を医療側へ広める必要がある」など、かなり緻密に現状を分析しています。

 その他にも千葉地裁にて実施している複数鑑定が紹介されるなど参考になります。

 医療訴訟の機能不全や弊害を強調し、ADR等の訴訟以外の方法による医事紛争の解決を推し進めようとする最近の脱訴訟化へ向けた動きは・・・医療訴訟の存在そのものを失わせるものでない。医療ADR等の訴訟以外の紛争解決手段が発達しても、それらによってすべての医事紛争が解決されるわけではなく、医療訴訟は、これまでとは異なる意義を持つ最終的な紛争解決手段として重要な役割を果たし続けるであろう。

 このように時代が変化しつつある中で、医療訴訟に携わる者がなすべきことは、医療ADRを初めとする最近の動きの動向を注視しつつ、これから医療訴訟が社会の中で果たすべき役割が何かを考え、その役割のために何ができるかを議論し、試行錯誤の努力をすることである(判例時報2129号11頁)。

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2012.01.12

福岡県警がサイバー犯罪対策課を設置

 福岡県警がサイバー犯罪対策課を設置することになりました。
 専門課を設置するのは、警視庁、埼玉県警、京都府警に次いで4か所目になります。

 既に「サイバー犯罪対策室」としては活動していたものを格上げするようです。

  ・警視庁サイバー犯罪対策課
  ・埼玉県警サイバー犯罪対策課
  ・京都府警サイバー犯罪対策課
  ・その他全国の県警の取り組み

 国内では最近、衆参両院のネットワークがサイバー攻撃を受けて国会議員のIDやパスワードが盗まれた。三菱重工のサーバーから防衛装備の情報が流出した痕跡が見つかるなど、被害が相次いだ。警視庁は新年度、全国の警察に捜査員を増やす方針で、福岡県警もこれに沿って態勢を強める。

 県警によると、人員は対策室の35人から10人ほど増やす。捜査で使うパソコンなどの機器も新たに導入を検討している。2月の県議会に組織改編の条例案を出し、春からの始動を目指す(1月12日朝日新聞)。

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2012.01.05

少年審判に弁護士拡充へ 国選付添人、重大事件以外も

 少年審判の「国選付添人制度」について、法務省が対象を広げる方向で検討を始めたようです。

 記事によると、「早ければ2012年度中にも国会に少年法改正案を提出する」とありますが、今の国会情勢ではかなり難しいかもしれません。

 一方、受け入れる弁護士サイドとしては、さらに付添人の質を向上することが必要不可欠でしょう。

 記事で引用されている福岡県弁護士会は、子どもの権利委員会を中心に、「付添人研修」、「新人弁護士サポート」など、かなり手厚い体制を敷いています(私も昨年2名ほどの新人弁護士とともに付添人活動を行いました)。

 殺人や強盗といった重大事件が対象になっている少年審判の「国選付添人制度」について、法務省は現在の対象を広げる方向で検討を始めた。少年が審判を受ける際にできるだけ弁護士が付くようにし、立ち直りにつなげるのが狙い。早ければ2012年度中にも国会に少年法改正案を提出する。

 最高裁などによると、10年中に身柄を拘束された少年1万639人のうち弁護士の付添人が付いたのは6589人で6割にとどまる。この大半は私費によるもので、国選の数は342人と約5%に過ぎない。

 対象が拡大すれば、審判で自分の意見をうまく説明できない少年を手助けできるほか、家族との関係修復や職場探しなどを支援して再犯防止にもつながる。

 対象拡大の範囲は、成人の場合との違いを解消する案を軸に検討が進みそうだ。具体的な範囲は今後、検討される。福岡県弁護士会は、身柄を拘束されたすべての少年に付添人を無料で付ける制度を独自に続けている。日弁連は、制度を福岡並に拡大するよう求めており、約10億円の予算が必要と試算している・・(1月4日付け朝日新聞朝刊)。

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2011.08.08

患者の権利の法制化を目指して~日弁連人権大会プレシンポ

 今年の日弁連人権擁護大会は10月6日7日、香川県で開催されます。

Seisho_040716 会場のサンポートホール高松から徒歩数分のところにある高松港。
 その高松港から15分の島「大島」にハンセン病療養所の大島青松園があり、現在も強制収容され故郷に帰れなかった元患者らが生活しています。写真は亡くなった後も故郷に帰れずに大島青松園に今なお眠る元患者の遺骨を納めた納骨堂です。

 このハンセン病問題(集団訴訟の経緯はこちら)を振り返りながら、、第3分会では「患者の権利法の制定を求めて~いのちと人間の尊厳を守る医療のために~」とするシンポジウムが行われます。
 このシンポジウムに先だち、福岡にて「患者の権利の法制化を目指して」と題するプレシンポジウムを開催することになりました。

 薬害肝炎全国原告団代表の山口美智子さん、ハンセン病検証会議の再発防止検討会座長代理の内田博文元九大教授、福岡県医師会の野田健一副会長、患者の権利法をつくる会の小林洋二事務局長などがパネルディスカッションを行います。

 患者の権利の法制化を目指して

 9月10日(土) 13時30分~17時 ガスホール
  入場無料・事前申し込み不要

 第1部 医療現場の実態調査報告と当事者の声
 第2部 パネルディスカッション
 主催 福岡県弁護士会  共催 九州弁護士連合会  後援 福岡市

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2011.06.24

司法修習給費制についてのシンポジウム(京都弁護士会)

 京都弁護士会日本弁護士連合会主催にて、7月9日午後1時30分から、「徹底討論!司法修習費用給費制は維持すべきか~より良い法曹養成制度を目指して~」と題するシンポジウムが開催されます。

 司法修習生に対する給費制の廃止、貸与制の導入が11月から予定されています。

 国が法治国家の構成要素である法律家を養成するにあたって、なぜ「個人の資格取得に過ぎない」として、負担を司法修習生に押しつけるのか。
 それがあるべき法曹養成の姿か極めて疑問です。

 真の問題はどこにあるのか、その疑問に専門家が答えるパネルディスカッション形式のシンポジウムです。

 入場無料・事前申し込み不要ですのでぜひご参加ください。

 7月9日(土) 午後1時30分~午後4時30分
  京都弁護士会館

 パネリスト 十倉良一氏(京都新聞社論説委員長)
        松宮孝明氏(立命館大学大学院法務研究科長)
        川上明彦弁護士(日弁連司法修習費用給費制維持対策本部本部長)
 コーディネーター 古家野彰平弁護士(京都弁護士会)

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2011.06.13

厚生労働省で医療ADR連絡調整会議

 厚生労働省に設置されている医療ADR連絡調整会議(座長一橋大大学院山本和彦教授)の第4回会議が、6月13日開かれ、各地弁護士会が行っている医療ADRについてのヒアリング・意見交換を行いました。

 ADRとは裁判外紛争解決機関のこと。
 日弁連は医療問題解決の選択肢を広げるため医療ADRの設置を奨励し、現在、福岡県弁護士会を含む11弁護士会に設置されています。

 この日は愛媛弁護士会、岡山弁護士会の医療ADRの実践例が報告。
 愛媛弁護士会の医療ADR(2010年3月設置)は、申立件数6件で、うち4件は不応諾、1件は取り下げという状況です(不応諾というのは医療ADRでの話し合いのテーブルに着くこと自体を拒否すること)

 一方、岡山弁護士会の医療ADR(2009年9月設置)は、13件の申し立てのうち、8件は不応諾、応諾は3件にとどまるようです。

 私も福岡県弁護士会の医療ADRの患者側仲裁員として関与していますが、担当した5件のうち応諾1件(和解も成立)。医療機関側の理解を広げ、応諾率の上昇が課題であることは間違いないでしょう。

 もっとも福岡県弁護士会の医療ADRの応諾件数は、愛媛・岡山より多いようですから、それなりの成果が出ているほうかもしれません。

 またそもそも、過失の有無、因果関係などが激しく争われる事案は、医療ADRになじまず、訴訟手続きが不可避。その意味で医療ADRには内在的な限界があります。
 過失に争いがなく損害額に若干の開きがあるケース、過失・損害に争いはないが事案解明・謝罪を求めるケースなどには使い勝手の良い制度。
 患者側・医療機関側にとって、「選択肢の一つであること」自体にそれなりの意義があるのだと思います。

 小山信彌構成員は、所属する日本病院団体協議会が会員病院に行ったアンケートの結果を引き合いに、医療側が考える医療ADRのデメリットとして、『医療上の内容討論がなされないまま、金での解決となるため、(医療側の)当事者としては不本意』『賠償金額について患者側と歩み寄りが可能な事案では有用だが、そうでない場合は“訴訟の前段階”という印象』などの意見が上がったことを紹介し、「中立的な医療ADRの話し合いであれば、ゼロ円から始まるべきでは」と述べた。

 また前田津紀夫構成員(全国有床診療所連絡協議会)は、同協議会の会員のほとんどが医師会に所属しているため、医事紛争となった場合には日本医師会の医師賠償責任保険から補償額を出すことになると指摘。そのため、「金で決着させる現時点の(医療ADR)の在り方では、まず(医療側の)担当弁護士から応諾することを止められる」「日医の理解と協力がなければ難しい」と述べた(6月13日付キャリアブレイン

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2011.06.06

司法修習生の給費制維持を訴える集会(福岡)

 「法曹養成制度について考える市民集会」(福岡県弁護士会主催・西日本新聞会館16F)が、6月4日午後2時30分より、ゲストに江川紹子さんなどをお呼びして開催されました。

 震災問題などでなかなか世論に浸透できていませんが、300名を超える市民が参加。
 様々な立場からの発言が相次ぎ、関心の高さがうかがえました。

 福岡県弁護士会(吉村敏幸会長)は4日、司法修習生に国が給与を支払う給費制がテーマの市民集会を中央区で開き、弁護士や市民ら約320人が参加した。11月で給費制が廃止され、生活資金を貸し付ける貸与制に移行する可能性があり、参加者から給費制の維持を求める声が相次いだ。

 吉村会長は東日本大震災での無料法律相談の他、薬害訴訟や冤罪(えんざい)事件など弁護士が取り組んだ課題を挙げて「国民のための弁護士を育てるために給費制の維持を」と訴えた。

 また、非行から立ち直った元少年や犯罪被害者遺族らも発言。遺族は「犯罪被害者という弱者の声を聞いてくれる心ある弁護士が育つためにも、安心して学べる制度を残してほしい」と語った(6月5日付毎日新聞)。

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