2009.07.03

民法(債権法改正)への福岡県弁護士会の取組

 民法(債権法)の改正論議が活発になってきました。
 経過は以下の通りです。

 まず、民法(債権法)改正検討委員会(鎌田薫委員長、内田貴事務局長)が2006年に発足。改正検討委員会は、第1準備会から第5準備会まで分かれて議論し、その結果が「債権法改正の基本方針」として2009年4月に発表されたものです(「総特集 債権法改正の基本方針」NBL904号)。

 今秋にも法制審議会において議論が開始する可能性がありますので、実務家の視点からも早めに問題提起していくことが必要です。
 福岡県弁護士会も司法制度委員会の中に「民法改正部会」を立ち上げ、私も委員に委嘱されました。

 消滅時効の検討において、民法724条の除斥期間の規定も検討する必要があるとして、第5準備会が検討を行っています(民法(債権法)改正検討委員会・全体会議(第5回)議事録)。

 集団訴訟の視点としてはやはり724条の解釈論が一つの大きな論点になりますから、消滅時効に関して積極的に検討を加えてみたいと思っています。

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2009.06.22

ストリートビューは合法と総務省

 総務省が6月22日、ストリートビューは個人情報保護法違反には当たらないとする見解をまとめました。総務省の作業部会レベルの判断のようで、今後、8月に正式の判断をとりまとめるようです。同作業部会は、住居の外観や自動車のナンバープレートが写真に写っていても「個人の識別性がなく、個人情報には該当しない」と判断するとともに、プライバシーや肖像権についても「ぼかし処理を施すなど適切な配慮がなされている限り、サービスの大部分は違法となることはない」と判断したようです。

 個人的には違法とは考えませんし、サービスの中止までの必要性はないでしょう(サービスの中止を求める福岡県弁護士会の声明はこちら)。

 ただし、総務省の作業部会の見解の「適切な配慮がなされている限り、大部分は違法となることはない」はその通りですが、「適切な配慮がなされていなければ、違法」となる場合もありえるわけですから、適切な配慮を自主的に行うようグーグルに強く求めていくべきではないかと思います。

 ネットを利用している人は、自分の生活圏付近のストリートビューを確認して改善申し入れをすることも可能ですが、ネットを利用していない人は、確認することもできず放置されてしまいますし、そもそも自分の生活圏以外の場所でたまたま顔などが撮影された場合、改善申し入れをしようにもできないからです。

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2009.06.17

福岡県弁護士会テレビCM、ラジオCM

 福岡県弁護士会が、多重債務無料相談、交通事故無料相談のCMを開始して3年目になります。今月はTVCM(5局)を流し、来月7月からはラジオCM(KBCラジオ)も再開します。
 TVCMの内容は、以下からご覧になれます。
  多重債務CM tv   交通事故CM tv

 ラジオは、午前中の「中村もときの通勤ラジオ」で「まずは、弁護士に聞いてみよう(仮)」というコーナー、そして午後の「パオーン」でも「教えて!弁護士さん(仮)」というコーナーもできます。

 東京の某法律事務所が盛んに福岡でもTVCMを流していますが、弁護士は身近にいていつでもすぐに相談できてこそ、その役割を発揮できるというものでしょう。

 ところで個人的には、今年からNTTの電話帳広告を辞めることにしました。事務所開設以来やや大きめの広告を打っていましたが、値段が高額の割に効果がはっきりしないからです。
 福岡県弁護士会の電話帳広告も、1頁全面広告を利用していましたが、昨年から2分の1の大きさにしました。ですが、電話帳広告から法律相談センターに来られる数に変化はありません。むしろ弁護士会サイトから来る数が同数前後に迫っています。
 NTTもそろそろ電話帳広告の料金体制を見直さないと、ネット社会に対応できないのではないでしょうか。

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2009.06.16

福岡県弁護士会、裁判員制度に関する市民モニター制度導入

 福岡県弁護士会は、裁判員制度に関して「市民モニター制度」を導入します。全国で初めての試みです。
 一般市民に裁判員裁判を傍聴してもらい、検証してくことを目的にするものです。

 事前登録した18歳以上のモニターから選ばれた市民1人が、福岡地裁等で行われる裁判員裁判を初公判から判決まですべて傍聴して、数十項目のアンケートに答えてもらいます。また、モニターの目から判決も予想して頂きます。
 6月29日に福岡県弁護士会館において希望者向けの説明会を開催します。

 「裁判員制度」市民モニターへのご協力のお願い   
                 福岡県弁護士会会長 池永 満
           
 このたび福岡県弁護士会では,下記の要領で裁判員制度に関する市民モニター制度を導入することとなりました。

 裁判員制度という新しい制度について市民の皆様から意見を頂くためには,実際に裁判を第1回から判決まで通して見て頂き,その率直な感想を伝えて頂くことが最も有意義だと考え,この度の市民モニター制度の創設に至りました。是非,多くの市民の方々にご参加頂きたく,ご案内申しあげている次第です。
 当会にて予定している市民モニターは,福岡県内在住の18歳以上の方で,年齢以外の要件については裁判員法に定める裁判員の資格を有する方を予定しております。

 市民モニター制度に興味を持たれた方がおられましたら,ご足労をおかけいたしまして誠に恐縮ではございますが,平成21年6月29日(月)午後3時から午後5時まで,福岡県弁護士会館にて開催される説明会にお越し頂けますようよろしくお願いいたします。

 なお,市民モニターとしての裁判傍聴は,原則として1つの事件について1人以上を予定していますが,福岡における想定事件数と名簿登録者の人数の関係等から,市民モニターとしてご登録を頂いた後,実際にモニターとしての傍聴機会を準備できない可能性もございます。その点については予めご了承下さい。


*定員に達した場合は、お断りする可能性もございます。(予約不要・先着順)
*説明会当日は、30分前より開場致します。
*駐車場はございませんので、公共交通機関を使って起こし下さいますようお願いします。

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2009.06.10

「日本弁護士連合会」の60周年

Building  日本弁護士連合会が2009年9月に創立60周年を迎えるようです。日弁連から全国の弁護士会に「日弁連創立60周年記念無料法律相談を実施してほしい」という要望がありました。
 福岡県弁護士会も法律相談センター委員会でこの要望について議論した結果、無料法律相談を実施することにしました。

 ですが、「日弁連60周年無料相談会を開催!」とうたっても、ニュース価値がなく、広報手段が限られるため、相談者はあまり来ません。

 結局、弁護士会が設置している法律相談センターに相談申込みのあった相談者に対して、「○日は無料でやっていますからいかがですか」と誘導して、その日の枠をうめる、しかも担当弁護士の日当は各地弁護士会の負担なので、弁護士財政としては赤字になるという具合です。

 そもそも「50周年」とか「100周年」なら多少は意味があるかもしれませんが、「60」という数字もまた中途半端。日弁連は、「60周年記念オリジナル切手」を発売したり、ホテルオークラで記念式典をするようですが、無駄な費用という気がします。

 弁護士には「弁護士自治」があり監督官庁がありません。だからこそ、刑事弁護や集団訴訟で国相手に徹底的に争ったり、その他あらゆる分野で弁護士が、独自の見解を述べ、独自の活動を取ることができます。
 日弁連の存在意義は、究極的には、この「弁護士自治」を継続するために社会的理解を得る活動といっても過言ではないでしょう。

 高い費用をかけて(監督官庁がないということは、予算も自弁ということです。日弁連の会計も、全国の弁護士の会費によってまかなわれます)、ホテルでわざわざ記念式典をするのであれば、このような「弁護士自治の意義」をアピールできるような、対外的にも工夫した式典にして頂きたいものです。

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2009.06.03

医療ADR福岡 その2

 福岡県弁護士会が検討している医療ADR(Alternative Dispute Resolution)は、既に平成19年9月から東京三弁護士会の仲裁センター(東京第一弁護士会、東京第二弁護士会)、紛争解決センター(東京弁護士会)の中に設置されて運営されています。

 平成19年9月から平成20年8月まで1年間の申立件数は51件、相手方応諾率は63パーセント、終了件数は24件、うち和解成立数は16件(67パーセント)になっており、和解金額は、20万円台から500万円台です。

 この医療ADRのメリットは、当事者の負担する費用が訴訟より安く済み、かつ、審理回数が1回から数回と比較的短い期間で済むことと指摘されています。そして、医療機関側が過失を激しく争うなど紛争性が高い事案は、医療ADRには適していないと言われています。
 しかしながら、過失を認めているケースだけの処理であれば、現在の調停でも解決可能です。過失に争いがあるものの双方が歩みよる余地があるような事例について解決できるかが、医療ADRの一つの意義でしょう。

 また、厚生労働省が現在議論を進めている医療関連死モデル事業とのリンクも指摘されています。
 すなわち、診療中の患者の予期せぬ死亡(診療関連死)の死因究明と再発防止を目的に、医師と法律家による事案検討がなされていますが、この事業は、2010年度に「医療版の事故調査委員会(医療版事故調)」としての開始を目指しています。
 この医療版事故調は、医療的判断まで行いますが、一方で損害額の認定など法的判断までは行いません。医療版事故調が明確にした事実関係・医療的判断をベースに、当事者が医療ADRを申し立てることもあるでしょう。このように、医療ADRの意義としては、医療版事故調の受け皿ということも考えられるところです。

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2009.06.02

福岡県弁護士会ほか弁護士会によるTVCM

 福岡県弁護士会が、全国に先駆けて「多重債務のTVCM」を開始して3年目になります。昨年度は、多重債務だけではなく「交通事故無料相談のTVCM」も放映しました。
 九州弁護士連合会所属の各県弁護士会では、福岡のTVCMを利用して多重債務相談のCMを一斉に流す企画も検討しています。

Cmbanner

 そのほか、山形・大阪・仙台等の弁護士会でもTVCMを放映しています。福岡県弁護士会山形県弁護士会大阪弁護士会の各CMは、それぞれサイトから閲覧できます。

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2009.05.27

裁判員裁判(模擬裁判)の成果と課題

 裁判員裁判が開始しました。弁護士会・裁判所・検察庁は、全国で500回以上の模擬裁判、240回以上の模擬選任手続きを行ってきました。
 しかし実際の裁判員裁判では様々な問題が噴出するでしょうし、法曹3者に対する「不満、幻滅、失望」も広がるでしょう。
 いずれにしろ確実に出る「不満・幻滅・失望」をどのように解消していくかが、裁判員制度「存続」の鍵と思われます。

 この点、最高裁判所事務総局刑事局がまとめた「模擬裁判の成果と課題」(判例タイムズ1287号8頁)が、現時点の問題点をうまくまとめており参考になります。50頁弱ですが、マスコミの方も読んでおくと報道する際のヒントになるのではないでしょうか。
 例えば下記のような感じです。
 

 弁護人において、被告人の犯人性を争う根拠として、被告人の善性格を主張しようとした例もあったが、このような主張を許容するとなれば、検察官による被告人の悪性格の立証を認めることにも繋がりかねないこともあり、相当ではない場合もあり得ると思われる(12頁)

 直接主義・口頭主義の観点からも・・立証は基本的には人証によって行われることが中心になろう・・(しかし)例えば・・被害者の受傷状況は、殺意の有無を判断するに当たって重要な事柄であるが、写真を用いないとすれば、裁判員が、的確な心証を取ることは困難と思われる。各地で行われた模擬裁判でも「被害者の傷の状況について医者の供述調書のみによる立証となったため、傷の箇所のイメージをつかむことができなかった」との報告がなされている(14頁)。

 各地で行われた模擬裁判でも、「裁判員からは、当事者の主張立証の中には判決の結論にどのように影響するのか不明なものも多かった、裁判所は判断すべき争点をもっと絞って欲しいなどの意見がでた」との報告が多くなされている(15頁)。

 裁判員にメモを含めた資料の持ち帰りを認めるかという問題もある。・・配布資料やメモ等には関係者のプライバシーに係わる事項のほか、裁判員の心証や評議の内容が記載されることも考えられるところであり、・・資料の持ち帰りについては慎重である必要があろう(20頁)。

 プレゼンテーションソフトの使用については裁判員役は、概ね、分かりやすいとの感想を述べているが、冒頭陳述はあくまで証拠に基づくものでなければならず、例えば、再現ビデオ的なアニメーションを用いることは、あたかも主張の場である冒頭陳述で立証がなされるようなイメージをもたれ易く、事後の立証との関係からして相当でない場合もあろう。・・プレゼンテーションソフトの画面と話者とが離れた位置にある場合、視点を一点に集中させにくいなどの感想が述べられることがあり・・(22頁)。

 模擬裁判において、尋問がポイントを絞ったものになっていなかった場合、裁判員役からは、「何を聴きたかったのか分からなかった。」との感想が述べられることが相当にあった(24頁)。

 模擬裁判では、裁判員役から、被告人が反省していることは有利な事情として考えるべきではないとの意見が述べられたことがある。被告人質問等に際して、このような意見を裁判員が有していることを感得した場合は、弁護人としても、そうした意見に対しては、弁論の中で特別予防の観点からの的確な説明をするなどの工夫をすることになろう(28頁)。

 左陪席については、もっと裁判員と随時会話をし、その疑問に答え、あるいは注意を喚起するという非定型的な接触を図ってもよいであろうし、それに右陪席が随時加わっても差し支えないものと思われる。なお、模擬裁判では、左陪席が評議で出された発言の内容をパソコンに入力することに専念しすぎてしまい、裁判員役から裁判官の在り方としていかがなものかとの疑問が呈されたことがある。・・左陪席をこうした「書き役」と位置づけることは相当でないと思われる(37頁)。

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2009.05.25

医療ADR福岡

 福岡県弁護士会は、年内にも医療ADRを設置するため、準備を進めています。
 「ADR」とは、Alternative Dispute Resolution、直訳すると、代替的な紛争解決になりますが、裁判外紛争解決と訳されています。

 ADR法が2004年11月に成立し、2007年4月1日に施行され、最近注目されているADRですが、裁判所の「調停」や交通事故紛争処理センターなどもADRですから、「古くて新しい問題」(和田仁孝「新しいADRの世界をみる」(法学セミナー631号、2007年)16頁)ということができます。

そして、医事紛争、医療事故においても、裁判以外の解決ができないか、そういう視点で注目されているのが「医療ADR」になるわけです。

「医療ADR」は、(1)裁判所主導によるパネル方式(アメリカ型)、(2)民間=医師会主導による仲裁・鑑定方式(ドイツ型)、(3)行政機関主導による仲裁・鑑定方式(フランス型)が代表的と言われています(植木哲『医療の法律学・第3版』(有斐閣、2007年)72頁)。

弁護士会に設置する医療ADRは、(2)の民間型に含まれると言えるでしょう。
 この民間型医療ADRの取組としては、茨城県医療問題中立処理委員会の活動があげられますが、医師会内部における斡旋・調停機関としての制約(批判)は払拭されていないとの指摘もあります(植木哲「医療ADR機関設立の試み-千葉県の場合」(判例タイムズ1271号、2008年)47頁)。

つまり、医療ADRがその機能を果たすためには、「中立性」をいかに実現するかがまず問題になるわけです。弁護士会に設置する医療ADRにおいても、患者側で医療過誤を扱う弁護士、医療機関側で医療過誤を扱う弁護士、さらに、裁判官・学者経験者の弁護士を仲裁人に選任するなど、その中立性の確保に力を注いでいます。

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2008.11.28

弁護士会のCM

 福岡県弁護士会では、平成19年6、7月に初めてラジオおよびテレビCMを実施しました。本年も引き続き、ラジオは9か月間、テレビは年4回(1回につき、2週間から4週間)を放映中です。CMの内容は、多重債務の無料法律相談についてです。
 CM効果として、19年4月から9月までの6か月間でサラ金相談件数は6117件となり、18年度の1年分である5854件を大きく上回り、さらに1年間では実に1万1265件となりました。Cmbanner

 今後の検討課題は、多重債務者の救済が進むほど相談件数も減少するため、費用対効果との関係で多重債務問題のテレビ・ラジオCMを継続するかにあります。

 ですが、弁護士会の活動は、多重債務相談だけではありません。交通事故無料相談、子どもの人権相談、一般民事の相談、当番弁護士・当番付添人、高齢者・福祉の相談、外国人の相談など多岐に渡ります。
 今後は弁護士会(弁護士)自体の認知を高める視点でのCM継続が求められていると思われます。

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2008.09.03

やってみよう、裁判員

 来年5月、いよいよ裁判員制度がスタートします。福岡県弁護士会では、みなさまに裁判員制度のことや刑事裁判のしくみをよりよくご理解いただけるよう、シンポジウムを開催いたします。当日は、実際に裁判員裁判を体験していただくなど、とてもためになる企画をご用意しております。ぜひ会場にお越し下さい。
 予約は不要です。先着200名にマスコットキャラクター「サイサイ」のクリアファイルを贈呈します。


 9月27日(土) 13時~16時30分(12時30分開場)
   NTT夢天神ホール(岩田屋本館7階)

 [プログラム] ・裁判員になったらどうすればいいの?
         ・裁判員裁判を体験してみよう  ・米国の刑事裁判事情


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2008.08.30

少年事件と被害者

 20年8月29日、福岡県弁護士会の少年付添人研究会のアドバイザーとしてコメントする機会がありました。少年付添人研究会は、福岡県弁護士会の若手有志(主に60期)が毎回テーマを決めて事例報告を行い、先輩弁護士のアドバイスを受けるという勉強会。非常に熱心な活動を行っており、「季刊刑事弁護」にも活動レポートが掲載されています。

 今回は「少年事件における示談、被害者」がテーマ。
 平成20年少年法改正をふまえた「付添人マニュアル」(日本評論社)の改定作業を私が担当者としてすすめていることから、指名が来たようです。

 新人弁護士の場合、被害弁償・示談は行うものの、少年事件における位置づけが弱いことも少なくありません。
一昔前までは、裁判官や調査官から「弁護士さんは示談さえすれば少年の処分が軽くなると思っており、困る」と良く指摘されていたものです。
 周知の通り、少年法は、成人の刑法・刑訴法と異なり、保護主義が採用されています。したがって、謝罪や被害弁償が、少年の要保護性(累非行の危険性、保護相当性、矯正可能性と考えるのが通説)解消との関係でどのように位置づけられているのか。謝罪・被害弁償を通じて、少年の累非行の危険性は減少したのか、保護相当といえるか、矯正可能性はあるのか。
 つまり、示談・謝罪をすれば要保護性が直ちに減少するものではなく、示談(少年が分割で支払うのか、両親が支払うのであればそれに対する感謝や反省があるか)や謝罪(被害の重大性に目を向けているか、被害者の立場を理解しているか)の意味を少年に理解させ、少年の内省を深めて、「要保護性」の減少に結びつけることが必要になるわけです。

 一方で、被害者保護の流れの中で、少年事件においても、被害弁償・示談を積極的に行うこと自体も強く求められるようになってきています。例えば「被害弁償はどうなっていますか、まずは示談を進めてください」と調査官から端的に指摘されることも増えています(「被害者問題における少年事件の刑事事件への接近」とでも言いましょうか)。
 そして今年6月には、与野党のねじれ国会の余波を受け、あっという間に「少年法改正」が行われてしまいました。改正法は今年12月1日施行ですから、12月から一定の重大事件の被害者が少年審判を傍聴するケースが出てきます。

 以上の流れを中心にアドバイザーとしてコメントしましたが、弁護士(付添人)としても、被害者傍聴ケースにおいては、十分な勉強と準備、そして少年と被害者双方に対する配慮が求められそうです。
 このような実務に直結する問題点を中心に「付添人マニュアル」を改定する予定です。

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2008.07.18

消費者庁シンポジウム

 福岡県弁護士会は九州弁護士連合会と共催にて7月19日(土)、消費者庁問題を考えるシンポジウムを開催いたします。入場は無料です。
 これまでに食品被害、製品事故、悪徳商法被害が何度も繰り返され、多くの消費者が苦しんできました。真に消費者の頼りになる消費者庁を創設するためには、何が必要なのか、みなさんと一緒に考えます。

 
 シンポジウム「消費者庁構想を考える」
   ~真に消費者の頼りになる消費者庁実現へ向けて~

 平成20年7月19日(土) 13時から17時(開場12時30分)
        天神ビル 11階10号会議室
 【基調講演】 吉岡和弘氏(弁護士、消費者行政推進会議委員)
       細川幸一氏(日本女子大学家政学部准教授)
 【現場からの報告】 穐山美江氏(コンシューマー福岡相談員)

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2008.07.02

福岡県弁護士会~ラジオCM開始

 本日7月2日から先月のTVCMに引き続き、福岡県弁護士会提供のラジオCMが開始しました。福岡県弁護士会の法律相談センターにおける多重債務の無料法律相談の広報です。

 KBCラジオで、中村もときさん、斉藤ふみさんの音声が流れます。このラジオCMは来年3月末まで9か月間実施する予定です。
 なおKBCラジオのHPに弁護士会無料法律相談のバナーも出して頂きました。

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2008.06.04

福岡県弁護士会 ~TVCM再開~

 福岡県弁護士会は1年前、電通九州の協力をえて、TVCMを打ちました。これまで弁護士会の広告といえば、電話帳、HPなどに限られていましたので、かなり画期的な試みでした。内容は、福岡県弁護士会の法律相談センターの多重債務相談無料化について。その反響は大きく、相談センターの相談件数は倍増しました。

 その結果を受けて、福岡県弁護士会は広報プロジェクトチームを立ち上げて検討を続けた結果、会費を負担している会員の理解も得られ、今年も、しかも年に4回実施することが決定しました。

 その第一弾は6月16日(月)からを予定しています。CM内容自体は前回と同じですが、流れる音楽とデザインが若干変更しています。今後は、多重債務無料化だけではなく、弁護士会の法律相談センター自体や交通事故相談などについても、CMを作成していければと考えています。

Cmbanner

 弁護士会というところは、ある一面では、裁判所や検察庁以上に保守的(前例主義)なところもありますが、福岡県弁護士会のTVCMは全国的にも反響を呼び、他のいくつかの弁護士会でもTVCMの検討が開始したようです。

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2007.11.28

全国知事会の国に対する申し入れ

 平成19年11月26日、全国知事会が国に対して申し入れを行った。これは、与党が合意した「肝炎総合対策」の中に、地方公共団体に財政負担を求める記載があることに対するものである。
 この申し入れの中で、「これまでの国の政策判断に起因するものであるから、国の責任がある」と明記した点は評価できる。B型肝炎、C型肝炎の患者数が350万人にも達したのは、日本の血液行政の問題といわざるを得ないからである。

 一方で、「地方公共団体に生じる事務経費について必要な財政措置を行うこと」という申し入れは、いささか疑問である。各都道府県に多数いる肝炎患者のために、各都道府県が広報、肝炎治療体制の整備、受け入れ態勢などを進めるのは当然の住民サービスというべき。「事務経費負担」まで国に求める全国知事会の申し入れには、住民たる肝炎患者に対する視点が抜け落ちている。
 全国知事会の会長である麻生渡福岡県知事は、先の4選を果たした知事選挙において、福岡県における肝炎対策の充実を公約に掲げていた。そのことと今回の申し入れの整合性は取れているといえるだろうか。

 ちなみに、福岡県は最近、福岡県弁護士会に対する法律相談の委託を取りやめ、県民に対する法律相談サービスの廃止を一方的に通告してきた。財政難が理由らしいが、医療サービス・法的サービスなど住人にとって真に必要な予算を削っているというほかない。地方公共団体も、まずは地方公務員数の削減など歳出削減から努力すべき。国に対する批判は結構だが、足元から見つめなおして欲しいものだ。


 新しい肝炎総合対策に関する申し入れ

 「新しい肝炎総合対策の推進について」(平成19年11月7日与党合意)においては、地方公共団体に新たな財政負担等を生じさせる内容が盛り込まれている。
 当会としては、その詳細についていまだ承知していないが、今後、政府において具体的な検討が行われるに当たり、地方公共団体に影響を及ぼす施策を立案する場合は、あらかじめ地方公共団体の意見を聴き、これを十分に尊重していただきたい。
 特に、地方公共団体に新たな事務や財政負担が生じる施策について、地方公共団体の意見を聴くことなく決定することは、当会としては、到底容認できないことから次のとおり申し入れる。

1 「新しい肝炎総合対策」が検討されてきたのは、薬害被害者の救済を図ることがきっかけであり、これまでの国の政策判断に起因するものであることから、国の責任において肝炎総合対策の推進を図ること。
2 国と地方公共団体の負担割合を1:1に設定しているようだが、これまでの経緯を踏まえれば、本来、全額国の負担とすべきものであること。
3 地方公共団体に生じる事務経費については、必要な財政措置を行うこと。

 平成19年11月26日  全国知事会

 

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2007.06.17

弁護士会のテレビCM

070616saimu 皆さんが日々目にするテレビCM。その中でも「弁護士会」のCMをご覧になったことはありますか。
 弁護士会のCMは全国的にもほとんど例がありませんが、福岡県弁護士会は、6月16日から2週間、テレビCMを流しています。

 これは、福岡県弁護士会が開設する20か所の法律相談センターにおいて、「多重債務に関する法律相談料30分5250円」を、一律無料化にしたことを広報するためのCMです。

 「30分5250円」といえども、多重債務に苦しむ方々にとってはアクセス障害の一因とも指摘されているため、全面的に無料化にふみきるものです。
 一方、「30分5250円」といえども、年間にすれば総額2000万円以上の相談料を無料にすることになります。(相談料から、職員の人件費、20か所の法律相談センターの賃料、施設維持費をまかなっています。)
 よって、かなりの覚悟のいる判断でした。

 しかし、「200万人」とも言われる多重債務者を救済するために、弁護士会としても主体的に関与していくことを決めたものです。
 一人でも多くの方々に知っていただくために作成した多重債務広報CM、ぜひご注目ください。

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2006.11.26

進路講座

061125fusetsu 18年11月25日(土)は、朝から母校での講演のため久留米へ。中学3年生と高校1年生の生徒を対象にした「進路講座」です。私を含めた12名の卒業生が、1時間2こまの講義を行いました。自分の将来を考えてもらうという趣旨のようです。薬害肝炎訴訟や司法制度改革の話をしましたが、皆さん、熱心に聞き入ってくれました。私が中学生・高校生の時よりみんな真面目かな。
 驚いたことが2つ。1つは、男子校だった母校に女子生徒がいたこと。そういえば男女共学になるという噂は聞いていましたが、もう実現していました。圧倒的に多い男子生徒の中でなかなか大変だと思いますが、新しい歴史を築いて欲しいものです。
 1つは、いつもお世話になっているK弁護士の息子さんがいたこと。講義が終わった後、話をしましたが、笑顔の素敵な素直な子でした。いつの日か福岡で弁護士登録して、一緒に集団訴訟したりしているかもしれませんね。

061125kouen その後、福岡に戻り、福岡県保険医協会の第40回定期総会に出席。弁護士会に招待状が来ていたので、私が「弁護士会事務局長」の肩書きで出席したものです。
 実は、福岡の保険医協会・歯科保険医協会さんとは、以前から交流がありました。患者の権利オンブズマンでの講演を行っていただいたり、保険医協会の刊行誌である月刊保団連では、薬害肝炎問題も取り上げて頂いたこともあります。
 薬害肝炎九州訴訟の支援活動でいつもお世話になっている、歯科保険医協会のOさんほか面識のある方々とも歓談でき、貴重なひと時を過ごすことができました。こんな会合ばかりだと、弁護士会の会務も楽しいのですが・・・明日はまた毎週1回の執行部会議で一日つぶれます。

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2006.11.16

福岡県弁護士会 ~教育基本法改悪に反対する会長声明~

 18年11月16日、福岡県弁護士会は、教育基本法の改悪に反対する会長声明を表明しました。

 福岡県弁護士会の意思決定機関である常議員会でも、細部にわたり議論を行いました。その中で多数を占めた意見は、「与党は国民に対して議論の場を設定していない」、「立法事実に対する調査が極めて不十分であって、お粗末である」というものです。
 法律家の中でも教育問題はホットな話題ですが、少なくとも現在の政府の、結果ありきの法改正には納得できません。

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2006.11.11

福岡県弁護士会 ~弁護士による法律相談~

 法テラスの開業効果でしょうか、他県からの電話相談がよくかかります。弁護士が事件処理する場合、必ず依頼者と面談します。面談して入念に事実関係を聞き取るとともに、面談によって信頼関係を醸成する必要があるからです。ですから「地元の弁護士さんに相談されるのが一番ですよ」と勧めるのですが、「地元の弁護士さんに相談する窓口がありません」とか「弁護士会の窓口は予約がなかなか入りません」と言われることも少なくありません。弁護士会によっては、法律相談窓口が貧弱で、市民のニーズにこたえきれていないのでしょう。

061111soudan この点、福岡県弁護士会は、県下に20箇所もの法律相談センターを開設しており、全国一の水準を誇ります。この法律相談センターは、弁護士の会費等により運営されています。3か月先まで担当弁護士を割り振り、ほぼ365日(年末年始、正月、ゴールデンウイーク除く)、事前予約制で、30分5250円の法律相談を受け付けています。
 福岡県弁護士会が初めて法律相談センターを立ち上げて既に20年経過しましたが、今年も、古賀市に玄界法律相談センターを開設するなど、福岡県民の皆さんへのリーガルサービスの拡充に努めています。

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2006.05.04

福岡県弁護士会 ~博多どんたくと弁護士~

060503dontaku 本日、5月3日から4日にかけて博多どんたく港祭りが開催されます。毎年200万人が参加するどんたく。毎年混雑を避けて家でのんびりするか旅行するのですが、今年はなんとパレードに参加することに。

 「裁判員制度を支える市民ネットワーク・福岡」が、「裁判員制度」の広報をかねてどんたくパレードに参加。それに福岡県弁護士会の有志が参加することになったものです。今年の弁護士会執行部は、会長・副会長・事務局長など役員全員が個人として参加しました。検察庁からも検察官有志が参加するほか、西南大学・九州大学等のロースクール生も一緒に練り歩きました。

 この博多どんたくは、800年前から続けられてきた「松ばやし」という博多の名物踊りを起源とします。明治維新後、新政府の指示で一時禁止されます。その後、「どんたく」と名称を変えて再開しました。ちなみに、どんたくとは、オランダ語で「休日」という意味。

 どんたくは、市民が思い思いの格好で、のんびり福岡市街を練り歩く、ただそれだけといえば、それだけなのですが、福岡では、5月の「どんたく」、7月の「山笠」の季節になると街がざわざわと浮き立ちます。Saibanin_symbol
 こんな祭り好きの気性が、当番弁護士制度、当番付添人制度、民事における福岡方式など次々と斬新なアイデアを提供し続けてきた福岡県弁護士会の根っこにあるのかもしれません。

 16時に冷泉公園前からスタート。思ったより風が強く寒い位でしたが、100人を超える仲間と楽しく歩いてきました。

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2006.04.29

福岡県弁護士会 ~事務局長就任~

 本年度は、福岡県弁護士会の事務局長に就任し、役員の一員として弁護士会会務にかかわることになりました。薬害肝炎訴訟も全面解決の年を迎え、肝炎事務局長との兼任は最後まで悩みましたが、せっかくの機会ですのでお引き受けすることにした次第です。「2兎を追う者は3兎を得る(?)」くらいの気持ちでこの1年間をがんばりたいと思っています。

 3月から4月にかけてブログの更新がかなり滞ったのも事務局長兼任のせいでした。
 3月は、会務は前年度執行部との引継、肝炎は結審後110番で調査希望の方の調査(事務局で150名の方の病院に調査をかけました)。4月は、会務は、挨拶回り(150か所以上を回ります)・常議員会(弁護士会の意思決定機関です)の準備、肝炎は進行協議の準備。Fben0604

 4月が終わってようやくペースがつかめてきたところです。なかなか外側には伝わりにくい、「弁護士会」の活動について、このブログで「福岡県弁護士会日誌」としてレポートしていきます。

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