2009.08.06

医療ADR(仲裁センター)福岡も立ち上げへ

 福岡県弁護士会の紛争解決センター運営委員会は、日弁連の呼びかけに応じて、福岡にも医療ADRを立ち上げるべく準備を進めています。

 医療ADRの意義
 医療ADR福岡県弁護士会の取組

 訴訟前において患者サイド、医療機関サイドの仲裁をいかに図るかという点がポイントになります。そのために、患者側で医療事故を扱う弁護士、医療機関側で医療事故を扱う弁護士、中立的な立場の弁護士(元裁判官など)の3者が、それぞれ選任されるのが特徴です。
 私も患者側弁護士として仲裁人候補者になりました。

 9月には第二東京弁護士会から医療ADRの経験者を講師としてお招きして、仲裁人候補者の研修を行った上、10月1日からスタート予定です。
 福岡以外の各地でも様々なシンポジウムなどが開催予定です。

 「医療仲裁センター岡山」設立記念シンポジウム」

 平成21年8月29日(土) 午後2時~5時
 場所:ピュアリティまきび(岡山市北区下石井2-6-41)
 内容:第1部 基調講演 「医療ADRに期待するもの」
    第2部 シンポジウム 「対立から対話へ ~納得のいく解決に向けて~」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.07.27

消費者庁はいずこへ

 8月末から9月にかけて、「消費者行政活性化事業」の一環として、福岡県消費生活相談員の研修が開催されます。今回私に講師依頼があったのは、その中の「情報通信サービスに関わる法律と基礎知識」というコマ。「情報通信サービス分野における新たなサービスの提供と新しい消費者問題について講義してください」ということですので、Twitter(ツイッター)なども取り上げてみたいと思って準備中です。

 この事業のそもそもの出発点は、消費者庁関連予算が計上されたことです。
 「地方消費者行政活性化のための基金」などに、平成20年度補正予算で255億円が計上されていました。

 消費者庁関連予算の概要

 政局の嵐の中で「消費者庁問題」はまだまだ影が薄い感じもしますし、選挙結果次第ではどこに向かうか不透明感もつきまといます。

 しかし「消費者庁設置は、消費者が主役となる国民本位の行政へのパラダイム・シフトを実現するものともいえ、その歴史的意義は大きく、戦後の行政機関の新設の中で、環境庁設置に匹敵するもの」(宇賀克也『消費者庁関連3法の行政法上の意義と課題』(ジュリスト1382号、36頁)とも指摘されています。

 消費者庁の趨勢は、裁判員制度とともに、司法が真の意味でこの社会に根付くかを問うている試金石のように思えます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.07.24

九州弁護士連合会が一斉テレビCMを実施へ

 東京の法律事務所による地方での積極的なTVCMは、弁護士広告自由化を積極的に活用する営業努力といえますが、一方で、過払い事件を念頭においた「食い散らかしではないか」という批判も絶えずつきまといます。

 この点、九州弁護士連合会(福岡県弁護士会、佐賀県弁護士会、長崎県弁護士会、熊本県弁護士会、大分県弁護士会、宮崎県弁護士会、鹿児島県弁護士会、沖縄弁護士会)は、多重債務無料相談キャンペーンにあわせて、九州各県で一斉にTVCMを放映できないか協議中です。

 弁護士会や各地弁護士連合会が主体となって法律相談の掘り起こしを行い、会全体で相談にこたえていく体制作りも、今後の一つの方向性のように思えます。

 なお、福岡県弁護士会は、多重債務相談だけではなく交通事故相談についてもCMを放映しているほか、同会広報PTでは今後、他の分野(例えば、相続遺言、家事離婚など)についてのCM放映も鋭意検討中です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.07.03

民法(債権法改正)への福岡県弁護士会の取組

 民法(債権法)の改正論議が活発になってきました。
 経過は以下の通りです。

 まず、民法(債権法)改正検討委員会(鎌田薫委員長、内田貴事務局長)が2006年に発足。改正検討委員会は、第1準備会から第5準備会まで分かれて議論し、その結果が「債権法改正の基本方針」として2009年4月に発表されたものです(「総特集 債権法改正の基本方針」NBL904号)。

 今秋にも法制審議会において議論が開始する可能性がありますので、実務家の視点からも早めに問題提起していくことが必要です。
 福岡県弁護士会も司法制度委員会の中に「民法改正部会」を立ち上げ、私も委員に委嘱されました。

 消滅時効の検討において、民法724条の除斥期間の規定も検討する必要があるとして、第5準備会が検討を行っています(民法(債権法)改正検討委員会・全体会議(第5回)議事録)。

 集団訴訟の視点としてはやはり724条の解釈論が一つの大きな論点になりますから、消滅時効に関して積極的に検討を加えてみたいと思っています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.06.22

ストリートビューは合法と総務省

 総務省が6月22日、ストリートビューは個人情報保護法違反には当たらないとする見解をまとめました。総務省の作業部会レベルの判断のようで、今後、8月に正式の判断をとりまとめるようです。同作業部会は、住居の外観や自動車のナンバープレートが写真に写っていても「個人の識別性がなく、個人情報には該当しない」と判断するとともに、プライバシーや肖像権についても「ぼかし処理を施すなど適切な配慮がなされている限り、サービスの大部分は違法となることはない」と判断したようです。

 個人的には違法とは考えませんし、サービスの中止までの必要性はないでしょう(サービスの中止を求める福岡県弁護士会の声明はこちら)。

 ただし、総務省の作業部会の見解の「適切な配慮がなされている限り、大部分は違法となることはない」はその通りですが、「適切な配慮がなされていなければ、違法」となる場合もありえるわけですから、適切な配慮を自主的に行うようグーグルに強く求めていくべきではないかと思います。

 ネットを利用している人は、自分の生活圏付近のストリートビューを確認して改善申し入れをすることも可能ですが、ネットを利用していない人は、確認することもできず放置されてしまいますし、そもそも自分の生活圏以外の場所でたまたま顔などが撮影された場合、改善申し入れをしようにもできないからです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.06.17

福岡県弁護士会テレビCM、ラジオCM

 福岡県弁護士会が、多重債務無料相談、交通事故無料相談のCMを開始して3年目になります。今月はTVCM(5局)を流し、来月7月からはラジオCM(KBCラジオ)も再開します。
 TVCMの内容は、以下からご覧になれます。
  多重債務CM tv   交通事故CM tv

 ラジオは、午前中の「中村もときの通勤ラジオ」で「まずは、弁護士に聞いてみよう(仮)」というコーナー、そして午後の「パオーン」でも「教えて!弁護士さん(仮)」というコーナーもできます。

 東京の某法律事務所が盛んに福岡でもTVCMを流していますが、弁護士は身近にいていつでもすぐに相談できてこそ、その役割を発揮できるというものでしょう。

 ところで個人的には、今年からNTTの電話帳広告を辞めることにしました。事務所開設以来やや大きめの広告を打っていましたが、値段が高額の割に効果がはっきりしないからです。
 福岡県弁護士会の電話帳広告も、1頁全面広告を利用していましたが、昨年から2分の1の大きさにしました。ですが、電話帳広告から法律相談センターに来られる数に変化はありません。むしろ弁護士会サイトから来る数が同数前後に迫っています。
 NTTもそろそろ電話帳広告の料金体制を見直さないと、ネット社会に対応できないのではないでしょうか。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.06.16

福岡県弁護士会、裁判員制度に関する市民モニター制度導入

 福岡県弁護士会は、裁判員制度に関して「市民モニター制度」を導入します。全国で初めての試みです。
 一般市民に裁判員裁判を傍聴してもらい、検証してくことを目的にするものです。

 事前登録した18歳以上のモニターから選ばれた市民1人が、福岡地裁等で行われる裁判員裁判を初公判から判決まですべて傍聴して、数十項目のアンケートに答えてもらいます。また、モニターの目から判決も予想して頂きます。
 6月29日に福岡県弁護士会館において希望者向けの説明会を開催します。

 「裁判員制度」市民モニターへのご協力のお願い   
                 福岡県弁護士会会長 池永 満
           
 このたび福岡県弁護士会では,下記の要領で裁判員制度に関する市民モニター制度を導入することとなりました。

 裁判員制度という新しい制度について市民の皆様から意見を頂くためには,実際に裁判を第1回から判決まで通して見て頂き,その率直な感想を伝えて頂くことが最も有意義だと考え,この度の市民モニター制度の創設に至りました。是非,多くの市民の方々にご参加頂きたく,ご案内申しあげている次第です。
 当会にて予定している市民モニターは,福岡県内在住の18歳以上の方で,年齢以外の要件については裁判員法に定める裁判員の資格を有する方を予定しております。

 市民モニター制度に興味を持たれた方がおられましたら,ご足労をおかけいたしまして誠に恐縮ではございますが,平成21年6月29日(月)午後3時から午後5時まで,福岡県弁護士会館にて開催される説明会にお越し頂けますようよろしくお願いいたします。

 なお,市民モニターとしての裁判傍聴は,原則として1つの事件について1人以上を予定していますが,福岡における想定事件数と名簿登録者の人数の関係等から,市民モニターとしてご登録を頂いた後,実際にモニターとしての傍聴機会を準備できない可能性もございます。その点については予めご了承下さい。


*定員に達した場合は、お断りする可能性もございます。(予約不要・先着順)
*説明会当日は、30分前より開場致します。
*駐車場はございませんので、公共交通機関を使って起こし下さいますようお願いします。

| | Comments (1) | TrackBack (1)

2009.06.10

「日本弁護士連合会」の60周年

Building  日本弁護士連合会が2009年9月に創立60周年を迎えるようです。日弁連から全国の弁護士会に「日弁連創立60周年記念無料法律相談を実施してほしい」という要望がありました。
 福岡県弁護士会も法律相談センター委員会でこの要望について議論した結果、無料法律相談を実施することにしました。

 ですが、「日弁連60周年無料相談会を開催!」とうたっても、ニュース価値がなく、広報手段が限られるため、相談者はあまり来ません。

 結局、弁護士会が設置している法律相談センターに相談申込みのあった相談者に対して、「○日は無料でやっていますからいかがですか」と誘導して、その日の枠をうめる、しかも担当弁護士の日当は各地弁護士会の負担なので、弁護士財政としては赤字になるという具合です。

 そもそも「50周年」とか「100周年」なら多少は意味があるかもしれませんが、「60」という数字もまた中途半端。日弁連は、「60周年記念オリジナル切手」を発売したり、ホテルオークラで記念式典をするようですが、無駄な費用という気がします。

 弁護士には「弁護士自治」があり監督官庁がありません。だからこそ、刑事弁護や集団訴訟で国相手に徹底的に争ったり、その他あらゆる分野で弁護士が、独自の見解を述べ、独自の活動を取ることができます。
 日弁連の存在意義は、究極的には、この「弁護士自治」を継続するために社会的理解を得る活動といっても過言ではないでしょう。

 高い費用をかけて(監督官庁がないということは、予算も自弁ということです。日弁連の会計も、全国の弁護士の会費によってまかなわれます)、ホテルでわざわざ記念式典をするのであれば、このような「弁護士自治の意義」をアピールできるような、対外的にも工夫した式典にして頂きたいものです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.06.03

医療ADR福岡 その2

 福岡県弁護士会が検討している医療ADR(Alternative Dispute Resolution)は、既に平成19年9月から東京三弁護士会の仲裁センター(東京第一弁護士会、東京第二弁護士会)、紛争解決センター(東京弁護士会)の中に設置されて運営されています。

 平成19年9月から平成20年8月まで1年間の申立件数は51件、相手方応諾率は63パーセント、終了件数は24件、うち和解成立数は16件(67パーセント)になっており、和解金額は、20万円台から500万円台です。

 この医療ADRのメリットは、当事者の負担する費用が訴訟より安く済み、かつ、審理回数が1回から数回と比較的短い期間で済むことと指摘されています。そして、医療機関側が過失を激しく争うなど紛争性が高い事案は、医療ADRには適していないと言われています。
 しかしながら、過失を認めているケースだけの処理であれば、現在の調停でも解決可能です。過失に争いがあるものの双方が歩みよる余地があるような事例について解決できるかが、医療ADRの一つの意義でしょう。

 また、厚生労働省が現在議論を進めている医療関連死モデル事業とのリンクも指摘されています。
 すなわち、診療中の患者の予期せぬ死亡(診療関連死)の死因究明と再発防止を目的に、医師と法律家による事案検討がなされていますが、この事業は、2010年度に「医療版の事故調査委員会(医療版事故調)」としての開始を目指しています。
 この医療版事故調は、医療的判断まで行いますが、一方で損害額の認定など法的判断までは行いません。医療版事故調が明確にした事実関係・医療的判断をベースに、当事者が医療ADRを申し立てることもあるでしょう。このように、医療ADRの意義としては、医療版事故調の受け皿ということも考えられるところです。

| | Comments (0) | TrackBack (2)

2009.06.02

福岡県弁護士会ほか弁護士会によるTVCM

 福岡県弁護士会が、全国に先駆けて「多重債務のTVCM」を開始して3年目になります。昨年度は、多重債務だけではなく「交通事故無料相談のTVCM」も放映しました。
 九州弁護士連合会所属の各県弁護士会では、福岡のTVCMを利用して多重債務相談のCMを一斉に流す企画も検討しています。

Cmbanner

 そのほか、山形・大阪・仙台等の弁護士会でもTVCMを放映しています。福岡県弁護士会山形県弁護士会大阪弁護士会の各CMは、それぞれサイトから閲覧できます。

| | Comments (0) | TrackBack (1)